Microsoft 広告が力を発揮する世界有数の市場
5月31日、日本での「Microsoft 広告」の展開を発表したマイクロソフト。今回、プラットフォームや各種資料、Webサイトを日本語化。東京に専門チームを設立し、営業やマーケティング、データサポートの支援を行うなど、日本を重要市場として投資を開始していると明らかにした。
例えば日本では、PC、タブレット、スマートフォン含め約7400万台以上のデバイスにMicrosoft Edgeブラウザがインストールされている。日本でのサービス提供を決めた背景としてロブ氏は、「日本はMicrosoft広告が力を発揮しうる世界有数の市場であるとの認識がある」と話す。
コロナ禍で変わった消費行動
プライベートでもPC利用が拡大
まずロブ氏は、コロナ禍によって消費者の行動そのものが変容したことを指摘した。
2022年3月にマイクロソフトの依頼を受けてフォレスターコンサルティングが行った調査によると、在宅勤務がスタンダードになった結果、購買活動がプライベートの時間に行われるとは限らなくなった。マイクロソフトではこうした消費者のことを「ワークデイ コンシューマー」と定義。仕事とプライベートの行動をひとつのデバイス、かつ多くの場合にはPCで行うようになったとして、こうした人々の行動変化を捉えるべきだと述べる。特に日本では 42%の消費者が、勤務時間の 1 日 1 時間以上を個人的な用途に費やす。またそうした傾向は、世界の平均と比べて4倍に達しており、今後も継続していくと分析する。
また同調査では、日本のメディア関係者とマーケティング意思決定者に対してもアンケートを実施した。
ロブ氏は「2023年、オンライン・マーケティングおよび広告戦略に影響を与える最も重要な要因」として、78%が「ビジネスパーソンの変化」と回答し、77%が「消費者行動」と回答したという結果を提示。「その一方で、そうしたターゲットに対するペルソナの理解に自信を持っているマーケターは3分の1にすぎなかった」と指摘する。
ロブ氏は、このワークデイ コンシューマーに目を向けたとき、特に仕事に使用されているPCデバイスを重視したマーケティングが重要だと話す。
「PCを起動したとき、Windowsのウィジェットには、様々な情報を表示するスペースがあります。そしてブラウザで公私にわたるあらゆる興味にもとづく検索行動を行い、情報に触れる。『Microsoft 広告』を介すことで、世界中のユーザーにリーチすることができるのです」(ロブ氏)。
10億以上の利用者へリーチしROI向上に寄与する
現在96の国と地域で展開し、2022年9月にはさらに60の市場展開を見込むMicrosoft 広告。保有する1stパーティデータは10億台以上のデバイスを網羅し、個人情報を特定しないデータとして、年齢、性別、位置情報、デバイスの種類など多くのデモグラフィックデータを提供する。また日本国内では年末までに、LinkedInのデータを基に、業界、会社、職種ごとにターゲットを絞ることができるようになる。
「Microsoft 広告では、より詳細なレポートと最適化機能によって、より多くの情報に基づいた意思決定を行い、高い投資対効果を実現できます」とロブ氏。例えば、Microsoft広告ダイレクトから発注することで、よりリッチな広告出稿が可能となり、ブランドセーフティを確保しながらカスタマージャーニーのすべての段階で見込み客にリーチすることができる。
またMicrosoft AIを利用した独自のターゲティング機能により、オーディエンスに効果的にリーチ。エンゲージメントやコンバージョン率の増加に寄与し、投資効果の高いマーケティング活動をサポートしていくという。
そしてクリエイティブ面に関しても、コンバージョンに寄与する「今すぐ購入」ボタンや星評価など60以上の広告アクションから選択できる拡張機能を有するテキスト広告や、より大きな画像・動画広告など、様々な広告表示オプションの利用が可能になる。
さらにGoogle社の「Search Ads 360」や、Adobe社の「Adobe Advertising Cloud」、「Shopify」といった他社ツールとの統合も可能になり、ワークフローの効率化を図ることができる。
消費者と長期的な関係を築くためのサポートをしていきたい
デジタル広告の市場規模が世界的に拡大しているなかで、今後もMicrosoft 広告では様々な広告主やパブリッシャーと連携していく方針だ。2022年末までに、150の国と地域への展開を予定しているが、ロブ氏は、「私たちは世界中、そして日本の皆さまとパートナーシップを組み、ビジネスに資する仕組みをつくっていきたいと強く願っています」と展望を語る。
「すでに日本市場において350件を超えるテストマーケティングを実施中であり、ケーススタディを積み重ねています。多くの人々が無料でアクセスすることができ、様々なイノベーションが起こっているインターネットという場所。この場での消費者行動を捉え、マーケターの皆さんが適切なタイミングで適切なメッセージを発信し、消費者と長期的な関係を築いていけるよう、サポートしていきたいと考えています」(ロブ氏)。
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