モスバーガーは7月11日、遠隔操作で接客などができるロボット「OriHime」を、「モスバーガー原宿表参道店」(東京・渋谷)に導入する。期間限定で9月末まで、8月を除く平日の午後2時〜午後5時に店頭に立つ。複数店舗での導入につなげる。
先行導入した「モスバーガー大崎店」(東京・品川)で「OriHime」を操作している8名が、「原宿表参道店」でも勤務する。脊髄性筋萎縮症や慢性疲労症候群などを罹患していても「OriHime」の操作で店頭で活躍しているという。
「原宿表参道店」では商品を渡す際のフォローや、来店客への声がけなど接客を担う。「OriHime」を開発したオリィ研究所(東京・港)の共同創業者で代表取締役の吉藤健太朗氏は、2020年に雑誌『販促会議』の取材に対し、「『分身ロボット』が最も得意なことは、円滑なコミュニケーションを図ること」だと話した。
「ロボットを通すことで、相手がいままでふれ合ったことない寝たきりの人でも、特に意識することなくコミュニケーションできることが実験からわかりました。操作している方々からも、『さまざまな人と気兼ねなく対話し、働けた』と喜びのお声をいただいています」(同)
飲食店は人手不足の問題が再び持ち上がりつつある。帝国データバンクの調べでは、2022年4月時点の飲食店の非正社員の人手不足割合は77.3%で、全体の27.3%を大きく上回った。新型コロナウイルス感染症の拡大で、20年4月は16.4%、21年4月には50.0%だった。