湖池屋「スコーン」名作CMやブランド価値を現代的にアップデート

誕生35周年を迎えた湖池屋の「スコーン」は3月に大々的なリニューアルを実施。ブランド認知を高めた名作テレビCMの復刻も話題を集めている。時代に合わせたアップデートを実現した「スコーン」ヒットの要因に迫る。

人気連載「ヒットの仕掛人に聞く」では、いま話題の “ヒット商品” の 仕掛け人が開発の背景やプロモーション戦略を明かします。

※本記事は、2022年7月1日発売の『販促会議』2022年8月号の転載記事です。

DATA

商品名:スコーン(やみつきバーベキュー・とろけるクアトロチーズ 78g/袋、カリサク濃密海老・無限グリル野菜 75g/袋)
参考小売価格:オープン価格
主な販路:全国のスーパーマーケットなど
 

今月の仕掛人

湖池屋
マーケティング本部
マーケティング部
第1課 課長
加藤俊輔氏

 

湖池屋
マーケティング本部
マーケティング部
第1課
小林重文氏

 

令和の「カリッとサクッと」とは

─リニューアルの背景を教えてください。

加藤:スコーンは誕生35周年を迎えるロングセラーブランドです。消費者調査によると「濃くて美味しい、クセ になる」がスコーンのイメージです。これはブランドの価値でもありますが、一方で若い層には「くどい」ととらえられており、自分たち向きではないと 思われているのではないかと考えまし た。実際、販売動向も縮小傾向にありました。

小林:2019年にも大きなリニューアルをしています。このときは学生をターゲットに、味はより濃厚に、食感も「カリッと、ザクッと」へ変え好評でした。しかし、それを継続させることができなかった。その要因を分析する中で、ターゲットのインサイトを見直すべきではないかということになりました。

加藤:新規顧客の獲得という点で課題は共通していますが、2019年は、濃厚な味わいや食べ応えを強化することによって若者にアピール。今回はターゲットとするZ世代や、世の中の変化をより意識して「軽さ」をポイントにしました。

─新しいスコーンの特徴は。

小林:大きく変えたのは生地です。令和の「カリッと、サクッと」を目指して、軽快な食感を目指しました。味については塩分と油分を抑えながらも、肉やチーズの旨味をしっかり出すことで濃厚さを表現しています。口溶け良く、次々と食べたくなる、軽快さと濃厚さを両立させたところがポイントになっています。

「カリッとサクッとおいしいスコーン」というブランド価値は維持しながら、内容を現代的にアップデート。口溶けの良い軽快な生地は、原料となるコーンの配合などを調整して実現した。

3カ月、3回連続の盛り上がりを

─プロモーションについてはどのような狙いで実施されましたか。

小林:テレビが一番マスに届くメディアなので、アイドルグループ「SexyZone」の中島健人さんを起用したテレビCMを軸としたコミュニケーションを実施しました。Z世代に向けて多様なメディアを通じて接触頻度を上げればその分マインドシェアも上がると考え、今回は弊社の持つメディアもフル活用しました。各メディアの効果を最大限に引き出すために、情報発信のタイミングも計算しました。

―本記事の続きは、7月1日発売の『販促会議』2022年8月号で読むことができます。

月刊『販促会議』8月号

 
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