オンライン行政窓口プラットフォームサービスを提供するBot Expressは、今年7月よりテレビCMの放映を開始した。
CMは子どもを連れた母親が手続きをしに、市役所へ向かうシーンから始まる。わざわざ役所に行かないと手続きもできないし、色んな書類ももらえない。そんな現状を見て、「役所の手続き、スマホでできたらいいなと思って」とスマートフォンを手に話す先輩職員。そこには、「スマホ市役所への取り組み」と書かれた書類が。「これでみんなわざわざ来なくてよくなるんですか。でも、みんなふつうに取りに来ているじゃないですか」とたずねる後輩。すると、先輩は「ふつうが大変な人だっているじゃない」。
窓口の対応や今までやってきたことも大事だが、これまで住民にめんどうくさいことをさせていたのかもしれないと、そのとき後輩職員は気づく。
「スマホ市役所」の実現を目指す自治体職員を描いたCMのメッセージは、「そろそろ、町のふつうが変わらなきゃ。」。
「『自治体の方々をスーパースターにしたい』というBot Expressさんのお願いを聞き、最初に考えたのはどの地域にも必ず市役所がある価値について。それは、生活の現場に一番近い役所として、国という単位よりも機敏に、だけど個人よりもスケールをもって地域をよくしていけることではないかと思いました。そういう意味では、お役所仕事というのは、本来、町のふつうを変えられる仕事。今、ふつうとされている町のルールに、多くの人がハードルを感じていて、そろそろ町のふつうのほうが変わるべき時だとしたら。その変化の中心に、市役所の人がいる町はきっといい町だろうなと思い、CMのストーリーを考えました」と、クリエイティブディレクター 姉川伊織氏。
同社は、官公庁、主に地方自治体が運用するLINE公式アカウント上で、役所の申請や手続きの提供を実現するオンライン行政窓口プラットフォームサービス「GovTech Express(ガブテック・エクスプレス)」を開発提供している。今回のCMでは、このサービスの必要性を伝える。
企画を手がけた嶋崎仁美氏は制作にあたり、「Bot ExpressさんのサービスもこのCMも、目的はこれまでの否定や排除ではなく、生活事情や価値観に合わせて市民が選べる新しい選択肢を町につくること。それが誤解なく伝わるように監督と相談しながら、細かいセリフや演技などをつくりこみました」と話す。この話が、一部の革新的な自治体の話ではなく、日本中どこの自治体においても自分の話だと思ってもらえるように、舞台となる市役所も、そこで働く人も、ある種特別な場所で起こった変化に見えないように気をつけて制作したという。
CM公開後、自治体の現場にいる人から、「自分の想いとかやってきたことは間違ってなかったのかなぁって凄く勇気をもらいます」「市民のためになるサービス提供を目指して、より一層頑張りたいと思いました」といった声が同社に届いている。
「それだけではなく、民間企業で勤務する方からも『自治体と住民の関係性だけではなく、民間事業者と利用者の間にあるあたりまえとなっている面倒な手続き、そこも変わらなければいけない』と共感の声も届いています。今回のCMは、立場関係なく「もっと良いサービスを提供したい」という強い思いを持って日々がんばる多くの方々の応援に繋がっているようです。このCMをきっかけとして、町のふつうをこれからいっしょに変えていける仲間が増えていくことを願っています」と、Bot Express 松尾明美氏は話している。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通+ロボット
- CD+企画+C
- 姉川伊織
- 企画
- 長島龍大
- 企画+C
- 嶋崎仁美
- CPr
- 栗川愛子
- Pr
- 横山治己、坪田駿作
- PM
- 菊池実里、田所ひなた
- 演出
- 泉田岳
- 撮影
- 志田貴之
- 照明
- 疋田淳
- 美術
- 荻原麻子
- ST
- 横手智佳
- HM
- 渡辺真洋
- CAS
- 山内雅子
- 音楽(作詞・作曲・歌)
- T.V.not January
- 編集
- 石井沙貴(オフライン)、梅香悠斗(オンライン)
- MIX
- 太斉唯夫
- SE
- 小林範雄
- カラリスト
- 今西正樹
- プロジェクトマネージャー
- 中嶋一樹
- Pr
- 松尾明美
- BPr
- 藤吉祐輔
- 出演
- 竹井亮介、フジエタクマ、石川ユリコ、高橋真悠