※月刊『宣伝会議』2022年9月号(8月1日発売)では「マルチデバイス化にどう対応する?マーケティングにおける動画活用」と題し特集を組みました。
ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。
多様な媒体を提案できる理由は“広告主テレシー”としての実体験
デジタル広告取引の運用が普及し、データを活用した効率的なプランニングが常態化した昨今、テレビ媒体でも運用型CMに注目が集まっている。その運用型テレビCM市場をリードする企業のひとつがテレシーだ。昨年1月の設立以降、さまざまな媒体を活用した広告運用支援で事業を拡大してきた。
しかし、テレシーのビジネス成長の背景にあるのは、テレビにとどまらないメディアを組み込んだ統合型の提案にある。現在テレシーが動画広告を提供し得るメディアは8種類。テレビ、タクシー、エレベーター、ヘリコプター、トイレ、調剤薬局、タワーマンション、美容室などあらゆる場所に設置されているオフラインチャネルのサイネージだ。
なぜ、テレビ以外の多様なオフラインチャネルでの広告提案を開始するに至ったのか。その背景には「テレシーとしての実体験」があると代表取締役CEOの土井健氏は話す。
「当社は2021年の設立で、運用型テレビCM市場においては後発企業です。しかし、この約1年半という短期間でテレビをはじめとした多様なメディアに自らマーケティング予算を投じてきました。これまであまり注目されていなかったチャネルの広告枠も積極的に活用し、有効な使い方を見極め、事業成長につなげています。“広告主テレシー”として、実体験に基づく知見があるからこそ、多種多様なメディアを提案できるのです」(土井氏)。
お客さまのニーズを把握しストラテジックプランニング強化
BtoB、BtoC問わず統合型プランニングを提案しているテレシー。しかし、動画クリエイティブを出稿できる媒体が増える昨今、生活者が広告に接触するデバイスも多様化するのと相まって、プランニングの難易度は増している。
「昨今の動画広告のニーズや、マルチデバイスによるプランニングの複雑化で、総合的な相談が増えてきました。最近は媒体軸というより、戦略の部分から相談いただくケースも多いです。そのニーズを考慮し、7月1日にストラテジックプランニング本部を立ち上げました」(土井氏)。
多様な動画プラットフォームを複合的に組み合わせて提案するテレシーにとって、企画の幹となる戦略立案は欠かせない要素。そして、その立案には各媒体における動画広告の特徴を理解しておく必要がある。
土井氏は、「情報訴求力の高さが動画の強みである」と言及しつつ、各プラットフォームごとに、異なるユーザー特性の違いを踏まえることが戦略策定の肝とも話す。
同じ動画であっても当然ながら、それぞれのメディア別に視聴時間、視聴態度は変わってくる。例えば、タクシーアドであれば座席の前にモニターがあり、尺が決まっている。つまり、タクシーではひとりに長く訴求できるのが強みと言える。
「先述のタクシーアドの事例でわかるように、媒体ごとに視聴者の視聴態度などの特性が変わります。マルチプラットフォーム化が進んだ今、プランニングではそれぞれのプラットフォームが誰に、どのように見られているのかまで把握することが必要です。現在、テレシーには当社で提案し得るすべてのメディアについての特性を理解したプランナーが在籍しています。そのため、企業の課題と媒体特性を鑑みた最適な提案が可能になるのです」(土井氏)。
コストを削減しながら最大の効果を生みだすプラン提供
広告主にとってマルチデバイス化における広告投資配分の最適化は悩ましい課題。さらに動画となるとプランニングの部分だけではなく、実際のクリエイティブのクオリティとそこにかかる費用も広告効果の評価指標になり得る。テレシーが提案可能なそれぞれのメディア特性を知り尽くしている同社のプランナーは、どのようなコンサルティングを実施しているのか。
「当社では必要以上の出稿量は提案しないということを一番に意識しています。もちろん、企業によって割ける予算も課題も異なりますよね。そこで大切なのは、まず目的到達のために最低限必要と思えるメディア、出稿量を決めることです。その上で、予算に余裕があればより効果につながるであろう他メディアへの出稿や、今後に向けた知見を得る目的での新たなメディアへの出稿を提案しています。テレシーがこのような提案を
できる理由は、メディア特性を理解しているプランナーが自社の事業成長のために身銭をきって各メディアに広告出稿した経験があるからです。だからこそ、必要以上の出稿を提案することはしません」(土井氏)。
また、テレシーではプランニングやその後の効果測定の他に、クリエイティブの制作を担っているのも強み。企画自体はテレシーで行っているが、制作の際にはあえてテレビCMを専門につくってきたクリエイターではなく、オンライン動画発の企業と組むことが多いと土井氏。「メディアプランもさることながら、クリエイティブによる効果の差が大きかったり、そのクオリティと費用のバランスの見極めが難しいのが動画広告。必要以上に質を求めて費用がかかりすぎるのは事業会社にとって懸念だと思います。テレシーではコストを削減しながらも最大の効果を生み出せるクリエイティブを制作できるよう、企画部分はもちろん、制作体制や進め方の面においても工夫をしています」(土井氏)。
設立から1年あまりでビジネスを拡張してきたテレシー。今後は、これまでにない新たな産業や、世間で一般的になっている認識を変えていこうとするような取り組みをしている業界の企業とも新たな価値を共創し、世界を一歩でも前へ進めていけたらと土井氏は話す。
「テレビCMから事業を始め、現在は多様なメディアを提案できるようになりました。この事業拡大はすべて、お客さまの課題解決を一番に進めてきたからこそ実現しています。どんどん新しいことに挑戦するからこそ、テレシーは時代にあった提案ができる。今後も総合広告会社にはない視点や、大小さまざまなメディアを最適に組み合わせた提案で、企業の事業成長を支えていきたいです」(土井氏)。
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