『リアル店舗』での様々な商品やサービスの情報訴求には、その時・その場所にあった鮮度が高いアプローチでなければ、伝わりにくくなっています」と電通プロモーションプラスの小倉久輝氏は話す。企業の “販促課題の解決” と生活者の “最適な購買体験” を両立する「販促CX」を掲げる同社が、今年6月にリリースしたのが「リテールDXサイネージ™ Shelf Motion」だ。
デジタルサイネージで1to1のリコメンドを可能に
「日本では、買い物の約9割がリアル店舗で行われている」という調査結果がある。(2021年経済産業省「電子商取引に関する市場調査」)偶発的に商品やサービスに出会う “セレンディピティ消費の場 “として、店頭の購買体験はどのように変化しているのだろうか。
「近年、店舗におけるサイネージの役割も変化しています。従来からあるような広くリーチを取る『認知・興味関心』の効果だけにとどまらず、ターゲットを絞り『比較検討・購買』時点に近い部分での効果を期待されることが多くなりました。そこで、店頭の『購買』時点にもっとも近い棚前で生活者のMotion(商品の出し戻し)をトリガーに、瞬時にそれぞれの商品に合わせたコンテンツを配信する『リテールDXサイネージ™ Shelf Motion』を開発しました」(小倉氏)。
このサービスは、AIによる映像解析とデジタルサイネージを組み合わせることで、生活者が商品を手に取 った瞬間に、指定したコンテンツを配信することができる。購入検討直前での最後のひと押しを1to1で訴求でき、「購買」につなげることが可能だ。また、生活者の商品接触をデ ータ化することで手には取ったが購入に至らなかった理由などの分析につなげ、店頭ラストワンマイルの棚前でのプロモーションやコンテンツ制作の施策改善にも生かせるという。
1つのサイネージで様々な訴求を実現
同サービスは、商品に合わせて様々な訴求ができることも利点だ。商品のスペック訴求以外にも、例えばPOSデータを分析した、様々なクロスマーチャンダイジングの仕掛けに役立つ。従来型のクロスマーチャンダイジングだけではなく、売場に集約しづらい異カテゴリー商品のコンテンツを表示することで、その売り場に置けない商品のコンテンツも表示することができる。データを起点にした疑似的な1to1コミュニケーションにより、買い上げ点数増加に寄与するという。
商品のシステムへの登録は、AIに店頭での取り出し・戻しを撮影したデータを学習させることにより数分で登録できるため、簡易にデジタルサイネージの活用が可能となっている。今後について小倉氏は「当社では商品とのエンゲージを深める体験を演出し、
“より楽しいお買い物”を実現できるよう、今後も新たなソリューションを開発・提供していきます。」と語った。
電通プロモーションプラス
リテール&コマース事業部リテールプランニング部
小倉久輝氏
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