新規獲得とPR両方を実施するインフルエンサー
――大正製薬さんとインフルエンサーを活用した取り組みを始めた経緯を教えてください。
山﨑:大正製薬さんに当社のソーシャルコマース向けサービス「QUANT」の提供を開始したのは2021年7月でしたが、インフルエンサーを活用したコミュニケーションには2020年から一緒に取り組んでいました。ソーシャルコマースは中国で非常に勢いを増しており、この先、日本でもきっとメジャーになると思ったため早い段階からチャレンジすることにしました。
竹本:大正製薬では通信販売事業として健康食品を中心とした「大正製薬ダイレクトオンラインショップ」とスキンケアを中心とした「TAISHO Beautyonline」を展開しています。TAISHOBeauty onlineは「女性の美と健康」をサポートしたいという想いからスタートした事業です。まず、スキンケアに注力しようと立ち上げたのが乾燥肌に悩む方のためのスキンケアブランド「AdryS(アドライズ)」です。「AdryS」の売上拡大に向け、女性の購買動向を調べていく過程でインフルエンサーマーケティングに行き着きました。そこで、インフルエンサーマーケティングに強みを持つGlossomさんにサポートしていただくことになりました。
山﨑:「AdryS」は定期商材のため、毎月購入してご愛用いただける人を増やすことが重要になります。そこで、大正製薬さんから相談を受け、インフルエンサーマーケティングを始めるにあたっては、そのような人とつながりを持つ最適なインフルエンサーの選別はもちろん、顧客獲得とその後の継続率もきちんと担保できるような仕組みづくりを行いました。
竹本:インフルエンサーマーケティングが優れている点は、新規ユーザー獲得とPRの両方をしてくれる点だと考えています。化粧品は人によって合う・合わないの幅が大きな商材なので、本人が「合わないな」と感じたら離脱するのは仕方がないことだと思います。「合う」と感じていただけた人に関しては、信用しているインフルエンサーが発信していることも相まって満足してご使用いただけていると感じますね。インフルエンサーの投稿へのコメントなどから、商品への興味関心・使用した際の感想などを確認できることも利点だと思います。
山﨑:「AdryS」における取り組みで特に注力しているのは「購買につなげられるインフルエンサー」とのマッチングです。ここは、その後の愛用につながる大事なポイントなので、マッチング精度をどれぐらい高められるかには特に注意して運営しています。また、インフルエンサーごとに取り組み状況、獲得状況等を確認することでそのインフルエンサーに合った商品をPRいただくなど次に生かせるような仕組みづくりも行っています。また、成果には拘っており、インフルエンサーマーケティングの質の向上を常に考えています。インフルエンサーでそこまでやっている企業はまだ少ないので、そこも「QUANT」の強みと言えますね。
表現ルールの厳しい業界に対し精緻なレギュレーションを構築
――コスメブランドをインフルエンサーに発信してもらう上で、「薬機法」などの厳しいルールがあると思います。その点はどうやってクリアしているのですか。
竹本:広告を運用していくにあたり、「薬機法」や「特商法」等のルールに沿って進めていくことは必須です。たとえば、効能効果外の表現はNGですしガイドラインを守った表現を行う必要があります。そんな中、Glossomさんは当社のレギュレーション、広告のルールを守りながら商品の魅力を最大限伝えてくれるインフルエンサーを手配してくれます。おかげで、安心してPRを任せられますね。
山﨑:インフルエンサーの方々にルールを守ってもらうために、最初に「レギュレーションブック」を渡しています。さらに、クリエイティブに関してすべて監修を入れ、広告主企業のチェックが入ったものしか投稿できない体制になっています。SNS全体の場では、単純に獲得だけを目指したグレーな表現も見受けられますが、「QUANT」ではそのようなインフルエンサーが入らないよう、十分気をつけています。大正製薬さんと一緒にインフルエンサー発信におけるレギュレーションを構築できたことは、Glossomにとっても貴重な資産となりました。インフルエンサー業界では「投稿はスピードが重要」だと言われています。とはいえ、正確さを担保しないと、消費者はもちろんクライアントもインフルエンサーも守れなくなってしまいます。立ち上げ時から試行錯誤を経て、それらを両立できるフローを確立できたのが「QUANT」の他にはない特徴と言えます。
――今後の展望を聞かせてください。
竹本:世の中の潮流的にも、SNSマーケティングから逃げてしまうと、この先戦っていけないと思います。私たちがGlossomさんに期待するのは、先を見据えた施策です。おそらく、3年後にはプラットフォーム自体が変わっているはずなので、そこをいち早くキャッチアップして、あらゆるタッチポイントで顧客とのつながりを持てるようにしてほしいです。大正製薬としても取り入れられるものがあれば、今後も柔軟に対応していきたいと思っています。
山﨑:まずはユーザーの獲得数はもちろん、投稿の質の向上までを含めて「Glossomを選んでよかった」と思っていただくことが大切だと考えています。また、現在はInstagramでの施策がほとんどですが、TikTokの利用者数も破竹の勢いで伸びてきています。竹本さんのおっしゃるように、さらに新しいプラットフォームも登場するでしょう。商品特性に合った媒体を積極的に試していくチャレンジをしていきたいです。
お問い合わせ
Glossom株式会社
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