電通グループの国内事業=電通ジャパンネットワーク(DJN)の2022年度4〜6月期の売上総利益は、前年同期比14.2%増の962億7500万円だった。1〜3月に続いて2ケタ増となった。4マスはいずれも減少したが、ネットやOOHが増加。1月に連結子会社化したセプテーニ・ホールディングスの寄与も大きい。
DJNのメディア別売上高は、主力のテレビが1498億5200万円で前年同期比7.3%減となった。1〜6月期でも1.4%減の3172億6700万円で、前年を下回った。インターネットは905億2100万円で、前年同期比30.7%増と大きく伸びた。1〜6月期では同比39.0%増の2022億8700万円だった。OOHメディアの4〜6月期は同比21.9%増の84億7600万円、マーケティング/プロモーションは同比13.4%増の56億8100万円だった。
電通の4〜6月期の売上総利益は前年同期比2.0%増の443億5900万円だった。業種別売上高は、扱いが最も多い「食品・飲料・嗜好品」が同比0.4%増の612億6800万円。増減率の高いものでは「外食・各種生活サービス」が41.7%増の369億4000万円、「交通・レジャー」が23.7%増の131億3100万円となった。
「自動車・関連品」は前年同期比28.5%減の87億1300万円だった。「官公庁・団体・その他」は同比36.2%減の106億9500万円。扱いの大きい「家庭用品・パーソナルケア」は同比15.3%減の394億6900万円、「情報・通信・マスメディア・ソフトウエア」は同比15.6%減の381億5200万円だった。
DJNの榑谷典洋CEOは決算説明会で、「広告事業については不透明感が依然としてあることは否めない。第3四半期(7〜9月)は、昨年の東京五輪・パラリンピックの反動もある」としながら、「目標の達成については自信を持っている」と話した。
「外食やレジャー、人材派遣のほか、富裕層の消費が好調で、これらの領域への広告投資は比較的堅調。上期のピッチ(提案)の勝率も例年通り非常に高い水準でキープできている。2月時点では出場できない可能性を想定していたが、サッカーW杯への日本代表出場も追い風となりそうだ。ほかにも世界体操や世界卓球、世界バレー、フィギュアスケートなどのスポーツイベントも含めてセールスを進めている」(榑谷氏)
DJNではほかに、電通国際情報サービス(ISID)の4〜6月期の売上総利益が前年同期比23.3%増の116億8200万円、電通デジタルが同比23.4%増の90億3900万円だった。CARTA HOLDINGS(カルタホールディングス)は同比0.9%増の57億6400万円。電通テックから改称した電通プロモーションは4.9%減の29億9800万円、電通ライブは7.0%減の13億6000万円だった。
DJN主要6社の1〜6月の売上総利益の合算は1713億700万円で、前年同期比8.3%増となった。ことし1月4日付で連結子会社化したセプテーニ・ホールディングスの1〜6月期126億9500万円を加えると1840億200万円で、16.3%増。
広告事業と両翼で力を入れている「カスタマートランスフォーメーション&テクノロジー」(CT&T)領域のDJN売上総利益の構成比は25.8%となった。ISIDや電通デジタル、5月に買収したイグニション・ポイントのほか、電通コンサルティングが貢献している。