GUCCIは、ブランドを代表するバンブーハンドル バッグの誕生75周年を記念し、日本オリジナルのショートフィルム「Kaguya by Gucci」を、8月10日に全世界の同ブランドサイト、およびグッチ公式YouTubeチャンネルと公式SNSアカウントで公開した。
空に大きく輝く月と東京タワーのシーンから、約6分の物語は始まる。本ストーリーの核となるのは、日本最古の物語といわれる「竹取物語」だ。それを再構築し、現代の東京を舞台に、俳優の満島ひかりさん、ダンサーで表現者のアオイヤマダさん、そして俳優の永山瑛太さんが、一夜の不思議な物語を綴っていく。
本作でフィーチャーされているのは、1947年に初めて登場したGUCCIの「バンブーハンドルバッグ」だ。
「バンブーハンドルバッグは、日本の竹を用いてつくられていました。だからこそ日本人ならではのストーリーテリングで、このGUCCIを代表するアイコンに新しい光を当ててみたいと思いました」と話すのは、クリエイティブディレクター 田辺俊彦氏。
「GUCCIの竹取物語、という企画はとてもシンプルです。でも考えた瞬間に強烈に“観たい“と思いました。企画した人間が他の誰よりも“観たい!“と思える企画だけが、最後に強くなるような気がします。
日本最古の竹取物語を現代に再構築することや、物語を夜明けまでの“一夜の話”再構成すること。‟翁“を都市生活に疲弊した若い女性にすること。性愛とは違う‟愛“を表現すること。企画と物語の構成はそれこそ一晩で考えましたが、そこから実現までは長い道のりでした」
本作は、CDである田辺氏をはじめ、演出を手がけた長久允氏、音楽を担当した渋谷慶一郎氏など、日本人のスタッフを中心に制作されている。
「今回は日本人のクリエイターにこだわりたい気持ちがあり、長久監督に電話をかけました。長久くんならアレッサンドロ・ミケーレのGUCCIの世界観に敬意を払いながらも、世界に対して今の東京のクリエイティビティを純度100%でぶつけてくれる確信がありました。彼がGUCCIを撮ることについて“びっくりした”という声も多かったけど、僕の中ではミケーレと長久くんには共通するサブカルチャーへの深い愛と、共鳴する色彩感覚があると思っていました(そして髪型も似ていた)」
渋谷氏は、本作のためにオリジナル楽曲「I come from the Moon」を提供した。ムービーには渋谷氏と共に、今年4月に大阪芸術大学アートサイエンス学科「Android Music and Science Laboratory」(AMSL)で発表されたアンドロイド「オルタ4」が出演。歌を披露しているほか、物語を伝える狂言回し的な役割も果たしている。
「音楽は渋谷慶一郎さんにお願いしました。アンドロイドやAIを用いた楽曲スタイルが古典の現代的な再解釈としてぴったりだったのもありますが、渋谷さんなら月の引力に翻弄される登場人物たちの“ものの哀れ”を存分にメロディに込めてくれるだろうと思いました。渋谷さんに電話した数時間後にはもう(つづく)の事務所で最初に打ち合わせをしたことを覚えています」
長久監督は、第33回サンダンス映画祭ショートフィルム部門で短編映画『そうして私たちはプールに金魚を、』が日本映画として初めてグランプリを受賞。2019年には、『WE ARE LITTLE ZOMBIES』で長編映画デビューをしている。
「全カットに狂気のようなこだわりを込めてくれた長久監督と、キャストの満島ひかりさん、アオイヤマダさん、永山瑛太さんと一緒に毎日のように朝日を拝みつつ、純粋にクリエーションに集中することができました。GUCCIにふさわしいものをつくるために、スタッフ全員がどこかに日本代表のような高揚感を持って仕事をしていた気がします」
フィルム公開から10日ほどで、オウンドメディアだけでも数百万再生を超え、国内と海外から反響が届いている。
「馴染みのない極東の国のフォークロアを下地にした、セリフもすべて日本語の5分半を越える長尺映像が、これだけ観られ評価されたことが嬉しいです。
いうまでもなく、すべては東京とミラノオフィスのGUCCIの皆様のクリエイティビティに対する深い理解と信頼があったからこそですが。
細部まで美しいGUCCIのバンブーハンドルバッグ、ぜひ手に取ってみてください」
日本で制作されたショートフィルムとビジュアルは現在、全世界のGUCCIで展開中。また、8月後半から、青山、新宿、銀座、名古屋、道頓堀、梅田、仙台など主要都市で100面を越えるOOHも展開されている。
ショートフィルムスタッフリスト
- 企画制作
- (つづく)+ゴーストイッチ+ギークピクチュアズ
- 企画+CD
- 田辺俊彦
- 演出
- 長久 允
- Pr
- 鈴木康生、早坂匡裕
- PM
- 小林拓路
- プロダクションアシスタント
- 杉浦亜門
- 助監督
- 古田智大
- 撮影
- 武田浩明
- 照明
- 前島佑樹
- プロダクションデザイナー
- 間野麗
- サウンドデザイナー
- 沖田純之介
- 美術
- Enzo。後藤レイコ
- ST
- 小山田孝司
- H
- KENICHI 、山本洋史
- M
- YUMI ENDO 、yoboon
- HM
- YUKO
- ネイル
- 関根祥子
- 録音
- 久野貴司
- 特機
- 斎藤麻希
- ドローン
- 田中道人、風間敏和
- DIT
- 大舘悌介
- 特殊効果
- 田中裕二
- 編集
- 曽根俊一(オフライン)、泉陽子(オンライン)
- カラリスト
- 根本亘
- CG
- 二瀬 具洋、成田大輔、高津直人
- CG (アニメーション)
- 浮舌大輔
- 英語字幕
- Jo Allan
- プロダクションCRD
- Sandra Berghianu
- CAS
- 富岡萌