貝印は8月31日の「野菜の日」に、Webサイト「やさしい切りかた辞典」を公開した。食品ロス問題への取り組みの一環として、無駄のない野菜の切り方を動画とともに紹介している。
電通のチームの自主提案により発足した本企画。同社アートディレクターの山口さくら氏はその背景を、「世の中で声高に語られがちな『SDGs』ですが、実はごく身近なもので、例えば自炊とも密接に関わりがあるものだと感じていました。そのため今回は自炊で重要な包丁を接点に、刃物メーカーである貝印からメッセージを伝えられないかと思い、自主提案しました」と説明する。
そこで貝印では週に2回以上自身で料理をする全国の男女500人を対象に「食品ロスと野菜の価格高騰に関する調査」を実施(2022年7月11日~14日)。「家庭における食品ロスについて、最も何を意識していますか」という質問に対し、「家庭での調理中の食材の切りすぎ(過剰除去)」を選択した人は約2割以下に留まったという。
この結果を受けて食材、ここでは特に野菜の切りすぎへの注意を促す「やさしい切りかた辞典」を企画。クリエイティブディレクター 佐藤佳文氏はサイトのトーンについて、「ここ数年、SDGsがテーマの施策が増加しており、自分も含め多くの人が“SDGs疲れ”を感じていると思いました。『食品ロスの過剰除去』という真面目なテーマですが、サイトはできるだけ説教臭くならないようにし、右脳的に楽しく触って気持ちいいサイトを心がけました」と話す。
そのアートディレクションについては、「“切る”イメージを普遍的に表現することを重視しました。野菜のイメージを多数用いていますが、それ自体がテーマではないので、また貝印ならではのシャープさを意識して、三角形のタイルを並べるアイデアが浮かびました。制作チームに依頼したところ、カーソルの動きに合わせてタイルが舞い上がる、触って楽しいサイトに仕上げてくれました」と山口氏。
8月31日にはサイトの告知として、産経新聞に広告も出稿した。
「皆が切りかたを工夫すれば『野菜の過剰除去』は解決できるのではないか、という着眼点からメッセージをつくりました。webサイトは普段の生活で機能するよう使いやすさを重視したので、新聞広告は企画に込めた想いや貝印さんの姿勢をきちんと伝えられるよう、誠実で温かみのあるトーンを大切に制作しました」とコピーライターの嶋崎仁美氏。
また今後は、10月15、16日に開催予定の日本女子大学の学園祭にて、「『食・健康・SDGs』~野菜を食べよう!地球環境にやさしい健康な食事~」と題したイベントが実施される。その中で発表される学生が考案するレシピの中で「やさしい切りかた辞典」が紹介される予定だ。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通+電通アドギア+米+ONE+WOIL
- CD
- 佐藤佳文
- 企画+AD
- 山口さくら
- 企画+C
- 嶋崎仁美
- 企画+Pr
- 森田隼司
- スーパーバイザー
- 川腰和徳
- D
- 山口真広
- Pr
- 里見勇人
- Web Pr+Webディレクター
- 椎木光
- Webデザイナー
- 原英寿
- FE
- 長谷川巧
- 撮影
- 細見恵里
- 編集
- 森田太陽
- フードST
- 川崎尚美
- 調理監修
- 島本美由紀
- 企画監修
- 小林富雄
- PRプランナー
- 松井康祐
- AE
- 安田桜子、坂田皐、橋本剛幸