切ない日常も悪くない?「実家が全焼したサノ」が語る、広告の力に込めた思い

「切ないエピソード」満載の本まで出版!

権八:2020年に出された本『実家が全焼したらインフルエンサーになりました』(KADOKAWA)には、どんなことが書いてあるんですか?

中村:そうだ!本をフィーチャーしましょう。

サノ:ありがとうございます。本の内容は、僕が子どもの時から今に至るまでに起きた「切なかった出来事」をチョイスして本にしたっていうだけの話なんですけど。

実は名前こそ入っていないものの、澤本さんのエピソードも書いていて。初めて澤本さんからラジオCMのお声がけをいただいて、原稿をお渡しした時に、澤本さんから感想が返ってきたんですね。その内容が、「乃木坂46の何とかっていう曲が頭に流れてきました」っていうもので。それで、どこの歌詞を歌っているんだろうと思って曲を聴いてみたんですよ。そしたら、歌詞のほとんどが「WOW WOW(ウォウウォウ)」だったんですよ。

権八:あっはっはっは!

サノ:でも、これって褒められているんだか怒られているのかがわからなくて。「WOW WOW」っていう気持ちだったんだな、と思った。ということを本に書きました。まるでわからないというか……。

澤本:すいません!(笑)

サノ:いえいえ。

権八:いいね~、その感想。いいやり取り!

サノ:だから、歌詞の中で一番いい部分を僕への評価だと解釈して。褒められてるんだろうな、と。でも、ほとんどが「WOW WOW」でした。

権八:あっはっはっは!

広告の力で「どうせ私なんて」を変えたい

中村:広告営業の仕事をする前は、あまり広告自体にフォーカスしていなかったでしょ?今はどうですか、広告業界というのは?

サノ:楽しいですね。僕はすごく楽しくて。一応、今の会社を選んだのには理由があって。バーで働いていると、いろんなお客さんが来られるんですね。夜の仕事なのでシングルマザーの方もいたりするんですけど。彼女たちが世間の声に流されて「どうせ私はシングルマザーだからできないし……」と言うのを聞いていたんですね。広告の力って、そういう思い込みを変えられる可能性があるな、と感じて。そういう意味では、すごく可能性のある楽しい仕事だな、と思いますね。

権八:お!いい話だ。

サノ:急に真面目ですみません(笑)。

澤本:話の取り上げ方とかが、すごくうまいよね。「今取り上げられたら、こう行くな」っていうものの見つけ方が、とても上手だよね。ラジオCMを書かせても、自分のネタをいっぱい持ってるからさ。そういう自分のネタみたいなものをいっぱい書いてくるよね。

サノ:そうですね。最初の頃に出していたものは、「半分以上、実話です」と言っていたんですけど。

権八:ふっふっふ。でも、面白いことが舞い込むというかね。交友関係もよく有名なインフルエンサーと一緒にいるよね?

サノ:そうですね。結構ヒマだと思われているのかもしれないですけど、遊びに誘っていただくことが多くて。それでいろいろとご一緒して。最近、インフルエンサー界隈では「謎解き」がすごい流行っていまして。

一同:ほ~。

サノ:そこによく誘ってもらって、一緒に行ったりしています。

権八:「あの人は、実際はこうなんだよ」みたいな話はあるんですか?

サノ:まあ、言えないですね~(笑)。

澤本:ははははは。

サノ:言えないんですけど、インフルエンサーの方々にすごく共通しているなと思うことがあって。それは、「みんな自己開示がすごいな」ということなんです。普通はある程度の影響力を持ってしまうと、それは言わないほうがいいんじゃない?っていうことがいっぱいあると思うんですけど。そういう方って、初めて会った時から「わたし、実はこうこうで」っていうのを全部開示してくださるんです。そういう方が多いのはすごく印象に残っています。

権八:それ、何なんだろう?

サノ:何かを発信するのが好きっていうのが、そもそもあるのかなと思うんですけど。僕もなんでだろう?って思って。そんなこと、絶対僕に言わない方がいいのにな、とか「そんなの、抱えさせないでよ」って思うような話をいろいろ聞くことがありますね。

テレビCMをつくって恩返しがしたい

権八:サノくんは「こうなっていきたい」っていう、夢があったりするんですか?

サノ:広告の話で言うと、テレビCMを1回つくってみたいな、というのがあって。テレビだから、ラジオだから、ということはないんですけどね。

ラジオCMを書いた時に、親戚のおばさんがめちゃくちゃ喜んでくれて、何回も聴いてくれたので。テレビCMが流れたら、そのおばさんをまた喜ばせてあげられるな、というのがまずひとつありますね。それと、僕のお店に来てくれたお客さんがテレビを見て、「私もこうしたら前に進んでいけるのかな?」みたいなことを考えてもらえたら。そんな楽しいことを伝えられたらいいな、と思ってます。

権八:う~ん、いいですね!

中村:これ、台本に書いてあるんだけど、サノさん、今後のご予定などは?

サノ:今後のご予定?!

権八:はっはっはっは~!

サノ:ご予定って……。どの軸ですかね!?(笑)

一同:爆笑

中村:出版とかインフルエンサーイベントに出ます、みたいな。

サノ:あ~!これはまだ確定じゃないですけど。今、ヴィレッジヴァンガードさんからお声がけいただいて。「グッズをつくろう」みたいなお話で。

権八:いいじゃん!

サノ:そんなお話をいただいてるので、「切ないグッズ」みたいなのをつくれたら面白いかなと思ってます。「切ない傘」とか。

澤本:そういう感情的なものね?これを持ってると切ない、みたいな。

サノ:そうですね。

澤本:面白いね!

サノ:持ってると切なく見えるグッズみたいなものがあれば面白いかな、と。

澤本:それ、声かけてくれたんだ?面白いね。

サノ:そうですね、最近なんだか多いですね。これは整形したからかな?と思ったんですけど、女性の美容インフルエンサーにしか絶対に声がかからないような「ダイエット薬のPRをしてくれませんか?」とか。30代の独身男性には絶対刺さらない、みたいな広告案件が来たりします。

一同:へえ~。

中村:そろそろ、お別れの時間が近づいておりますが……。そんなサノさんが、SNSのさまざまな「切ない投稿」を通じて、本当に伝えたいことって何かあるんでしょうか?

サノ:ないんですよね。

中村:ははははは!そうだよね(笑)。

サノ:日常で起きたことをただ言っているだけなんですけど。ただ、「ちょっと気が楽になりました」とか、「自分もイヤなことがあったけど、なんだか明るくなれた」っていう話を結構DMでいただくので。そんな風に誰かの気分が良くなるものを投稿できているんだったら、これからもそれを続けたいな、と思っています。

権八:素晴らしい。

澤本:ぜひ、ラジオCMをまたつくってほしいし、テレビCMをサノがつくるとどうなるのか?っていうのを見たいもんね。

権八:確かに!

澤本:意外と、ちゃんと商品に落ちてるんですよ。「タグライン」がうまい、っていう。だから、ただ面白いことを言い散らかしているんじゃなくて、最終的にうまいこと商品に行くのよ。

権八:うんうん。

澤本:最近見た中で、ダントツでうまいんだよね。

権八:ええ!?

中村:あら!

澤本:うん。

サノ:(小声で)お仕事ください、みなさん!

一同:(笑)。

中村:そうですね。それでは皆さん、サノさんに広告のお仕事を!!

サノ:ありがとうございました~!

一同:拍手

〈END〉


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すぐおわアドタイ出張所
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