もう迷わない ウェビナー企画の考え方~企画時に必ずおさえたいポイント

このコラムでは、ウェビナーに取り組んではいるものの思うような成果が出ず、孤軍奮闘する担当者の方に、どのようにすれば現状から脱することができるのかを解説します。宣伝会議の「案件化できるリードを獲得していくためのオンラインセミナー実践講座」で講師を務めるトライバルメディアハウス亀井大樹氏が、アドタイでの出張講義として、2回にわたって脱出法をレクチャーしていきます。

亀井 大樹氏
トライバルメディアハウス
経営企画室 マーケティングチームリーダー

ITベンダーのソリューション営業、インターネット広告会社のインサイドセールスを経て2015年にトライバル入社。ソーシャルメディアマーケティング関連サービスの営業担当を務めた後、2018年からマーケティング部門を立ち上げ。現在はチームリーダーを務めながら、トライバルのマーケティング戦略の立案から実行を担っている。営業機会創出のための営業部門との連携やSFAの運用・改善、自社Webサイトの運用、自社メディアのコンテンツ企画、執筆など。年間20本以上のマーケティングセミナー企画や集客、運営に携わる。

 

聞いてほしい顧客像を明確にしておくこと

前回の記事では、ウェビナーに不可欠な要素は“読後感”が良好であり、参加者が自社に対して好意的な印象を持ってもらうことであると解説しました。今回は、そのようなウェビナーを企画するために必ず検討すべきポイントを解説します。

企画時に必ずおさえたいポイントその1:
誰に聞いてほしいのか?

もっとも重要なことは、自社の顧客になりうる人たちを知ることです。ウェビナーの最終目的は受注することです。リード獲得・商談獲得のどちらがウェビナーの主目的だったとしても、どういった人たちに参加してほしいのかを定義することが最優先です。

せっかく多くのリードが獲得できたとしても、それが自社のターゲット顧客でなかったとしたら意味がありません。自社が営業管理システムを販売している会社だとして、参加者が総務の方ばかりだったとしたらどうでしょうか? あるいは、新卒1~2年目の方ばかりだったとしたらどうでしょうか?

このような失敗を招かないようにするためには、自社の商品やサービスの購入に関わるであろう方がそもそも誰なのかを定義することが大切です。その人物像が、ウェビナーを聴講してほしい方ということになります。

そして展示会などに出展し、そこからの新規リード獲得を得意としていた企業は、案外これが出来ていないケースが多いです。というのも、ターゲットを自社で明確に規定せずとも、展示会で「来てくれるもの」である、という経験があるためです。しかしWebの世界ではそれは通用しません。「来てもらう」ために、「来てほしい顧客像」を明確にすることはウェビナーを運用する担当者が必ずしなければならない行為の1つです。これがポイント2にもつながります。

企画時に必ずおさえたいポイントその2:
参加してほしい人が知りたいことは何か?

ウェビナーを聴講してほしい方が決まったら、次に「その方が関心を寄せているテーマは何か」を起点にセミナーの企画を考えましょう。重要なのは「自社が言いたいこと」を起点に考えないことです。ウェビナーは、聴講してほしい方が「知りたい・学びたいと考えていること」は何かを徹底的に想像し考えるべきです。

ウェビナーに参加する方の動機は、サービス説明会でない限りは「最新の業界トレンドをおさえたい」「業界の事例を知りたい」「課題解決のヒントが知りたい」「競合の動向を探っておきたい」などさまざまです。

それらは具体的な商品やサービスを選択する「手前」であることが多いということをおさえておきましょう。そしてウェビナー内では課題解決のための「考え方」「理論」「ヒント」、あるいは施策を検討するうえでの「判断基準」や「チェックポイント」を示す必要があります。そして、それらを補強する事例を解説することで満足度を高められるでしょう。

また、ウェビナーで目指したい“読後感”とは、参加者の知的好奇心を満たす“満足感”と、自分たちもなんとかせねばという“飢餓感”の相反した感情であるといえます。

一般的なウェビナーは「勉強になった」というコメントだけで終わってしまう場合も多いです。しかしそれで終わらせずに、聴講後に何をすべきか、したいかを意識付けすることを目指しましょう。そして、後者にもっとも貢献できるのが自社であるという印象を与えることができていれば、営業と聴講者のセミナー終了後の会話はスムーズに進むはずです。

企画時に必ずおさえたいポイントその3:
一貫性を保っているか?

最後のポイントは、1回目のコラム「成果につながる2つの『脱出ルート』」でも記載をしましたが、ウェビナーのタイトルやビジュアルを見た登壇者が抱いた期待を裏切らないストーリーを作ることです。

ウェビナーに参加するかどうかは、参加できる日時であるかどうかに加え、以下の要素で判断されます。

参加する際の4要素

・主催企業
・登壇者
・ウェビナーのタイトル
・ウェビナーの紹介文

ウェビナーの情報に触れた方は、上記の情報から「期待」を抱き、申し込みます。期待とは「自分の知りたいことが知れるかも」「課題解決のヒントが見つかるかも」といったもの。この期待と実際の講演内容にギャップがあることで、不満足につながってしまいます。それを防ぐためには、ただ興味を持ってもらえるタイトルをつけようとするだけでなく、タイトルと内容の「一貫性」が保たれているかを意識しましょう。

ブログやメディアではタイトル詐欺という言葉が一般的になったように思いますが、ウェビナーでも、良い読後感を得るためにそれを避けるべきです。

「見込客理解」がウェビナーを成功に導く

以上が、良いウェビナーを企画するうえでおさえるべきポイントでした。ウェビナーもマーケティング施策の一つである以上、見込客理解が不可欠です。

見込客理解においてもっとも有効な方法は相手に尋ねることですが、見込客と普段から接しており、もっとも近い存在である営業に相談すればヒントが得られやすいです。普段どういったことが商談のときに質問されるのか、またはどういった話をすると相手の反応が良いのかなど、きっとヒントが見つかるはずです。ぜひ試してみてください。

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