ベテランCMプランナーだって恥ずかしい!?
権八:みんな、恥ずかしいんですかね、人生?(笑)僕らも、恥ずかしいですよね?
澤本:僕もね、恥ずかしいです。自分で書いた企画とかを見せている時に、相手がさほど反応ない時とかって、「俺、すごいつまらない提案してるんじゃないかな?」と思うと、すごく恥ずかしくなって、「いや、まあ、こういうのもありますけどね」とか言って、すぐに引っ込めちゃったりして。
一同:あはははは!
岡山:ああ~。でも、提出したものに反応がないとかって、いまだにあるものですか?
澤本:それは、ありますよ。
権八:よく知っている人ならまだしもさ。例えば、僕なんかよくあるんだけど、いろんな代理店の初めてのスタッフたちがズラッと座っているという。そこに出す時の恥ずかしさたるや、もう……(笑)。ほぼ初対面で打ち合わせ、みたいな。
岡山:すごいですね、それ。
権八:恥ずかしいわぁ~(笑)。
岡山:初対面の方に提出するのを繰り返すお仕事といいますか……。「初対面が終わらない」っていう状態ですもんね?
中村:今、お稽古されている稽古場では、周りは結構ウケてくれたりするんですか?
岡山:結構、ハイテンションが続くので。演者がみんな大きい声を出してるんですよ。だから、わからないです、笑ってるのか笑っていないのか(笑)。
21年ぶりの再演!三谷幸喜作『VAMP SHOW』
澤本:それでは、今やっていらっしゃる舞台の話をお願いします。
中村:そうですね。8月8日から、PARCO劇場で始まります『VAMP SHOW』にご出演されます。これがなんと、三谷幸喜さんの21年ぶりの大復活となる「シチュエーション・ホラーコメディー」という。これは、どんな舞台なのでしょうか?
岡山:これは、シチュエーションコメディーで、駅のホームでいろんな騒動が巻き起こっていくんですね。最初はヒロインの女の子がたたずんでいるところから始まって、僕らが演じる5人の吸血鬼たちが電車に乗ろうとやってくるんですけど。ヒロインと駅で居合わせただけかと思いきや、いろんなことが巻き起こって、雪だるま式に事が大きくなって、ドタバタドタバタ、と。いつも通りだったはずの夜が、いつも通りじゃない夜になる、という。まあ、ネタバレになってしまうからアレなんですけど(笑)。
中村:そうですよね。でも、そもそも、三谷さんのホン(脚本)って、なかなかサラッと説明するのが難しいですよね?
岡山:そうですね。でも、ホラーであり、コメディーであり。どちらかに寄っているというよりは、どちらもすごくビビッドに乗っかっている作品なので。僕自身、あまり見たことのない風合いの作品になっていますね。あとは、人間ドラマのパートもあって、それが取ってつけたようなものではなく、全部がガッチリと噛み合ったすごいカラフルな作品なんじゃないかな、と思ってますね。
澤本:洋基くんは、昔やってた舞台を見たことがあるの?
中村:これ、リアルでは見たことないんですよ。わたくしWeb野郎中村は、昔、演劇青年だったことがありまして。その時に劇団の人から「これ、めちゃくちゃ面白いから。俺らが目指してるシチュエーションコメディーの理想型のひとつだから、見ろ」と言われて。もう、何回も何回も見ましたね。21年前なので中身は忘れちゃいましたけど、「とにかく、面白かった!」という思い出がありますね。
権八:へえ~!
澤本:でも、誰がやってたの?その時って。
中村:その時は、西村まさ彦さん、古田新太さん、池田成志さんの時のをビデオで見ました。
岡山:本当に、最初の時ですね。
澤本:じゃあ、三谷さんが特に「東京サンシャインボーイズ」のために書いたわけじゃなくて、このプロジェクトのために書いたってこと?
中村:そうだと思いますよ。
岡山:確か、そうだったという話を聞きましたね。
中村:それぞれの所属の看板役者さんのユニットでやってるから。多分、それ専用の当て書きなんだろうな。いや、これは見に行きたいな~。
岡山:そうなんですよね。当時のキャストの資質に合わせた「当て書き」なので、演じるキャストによって全然変わってくるんですよ。ビジュアルから違う僕らがやるなら、それぞれの個性を出さなきゃいけないんです。もし、当時見られている方がいても、アップデートされているのを感じていただけると思います。根本は同じものだけど、全然違った味わいを楽しんでいただけるんじゃないかと。今回は21年ぶりなので、いろんな技術も上がってきています。当時はできなかった仕掛けもいろいろあったりするので、楽しんでいただけるんじゃないかな、と思いますね。
澤本:PARCO劇場だったよね?
岡山:はい。
演出家は、21年前の出演者!
中村:演出の河原雅彦さんは、お初ですか?
岡山:はい、お初です。
中村:どんな感じなんですか、今のところ、演出の雰囲気は?
岡山:そうですね、河原さんは以前、2回目の公演に出演されているんですよね。今回、塩野瑛久くんが演じる役なんですけど。
澤本:そうか、21年前の公演に出ているんだ?
岡山:そうなんですよ。
澤本:なるほど~!
岡山:21年前の当事者のおひとりなので、いろいろお話を聞きながら「今回はどうしようか」と。だから、すごい変わった形式ですよね。再演でありながら、当時出演されていた方が演出してくださっているという。そこは、やっていてすごく面白いですね。単純に、今でも第一線で活躍されている、錚々たるメンバーが出演されていた舞台なので。当時の皆さんのお芝居の話とかを聞くだけでも、非常に面白いですし。でも、シチュエーションコメディーですから、いろいろと細かい決め事みたいなものを詰めていかないといけないので、本当にやることが多いですね。今、みんなでそこをハイスピードで体に入れている状態で。動きもあるので、体もバッキバキで、頭もバッキバキで……。バッキバキです!
一同:あはははは!
権八:ホラーコメディーってことは、ホラーとしての怖さもあるんですか?
岡山:怖さはあります、はい。
権八:面白そう〜!
岡山:だから、本当にボーダーレスな……。いい意味で「気持ちが悪い感じ」になると思いますね(笑)。怖いんだけど面白いし、面白いんだけど怖いし、みたいな。不思議な感触のある作品だと思います。
澤本:少なくとも、三谷さんの21年ぶりの大傑作ホラーコメディーっていうだけでも見に行きたいし。出ている人はみんなうまいしね、これ。
岡山:う~ん、そうですね!
澤本:僕は三谷さんって、元々「東京サンシャインボーイズ」がむちゃ面白いと思って見ていたんで。でも、サンシャインボーイズって怖いのはなかったじゃない?あんまり。
中村:ああ、確かに。
澤本:だからこれ、そういう方向に行ってるからちょっと見てみたいな、と思いますね。でも僕、もうちょっと明るい声で言った方がいいね。
岡山:え、急にですか?(笑)
澤本:今、「この話がとても面白いよ」っていうふうに言ってるのに、声が沈んでいてモゴモゴしてるから、それが繋がってないじゃない。でも、本当に楽しみにしてますね。
岡山:ありがとうございます。
〈END〉後編につづく