※本記事は、2022年9月30日発売の『販促会議』2022年11月号の転載記事です。
アース製薬
マーケティング総合企画本部 コンシューマーマーケティング部部長
小野里賢治氏
アース製薬
マーケティング総合企画本部 コンシューマーマーケティング部
マーケティングコミュニケーション課 課長
稲積大輔氏
「アース製薬っておもしろい、続きが見たい」を目指した
─公式Instagram開設の目的は。
小野里:ここ数年、TwitterやLINEを使ったプロモーションは展開していました。Twitterのフォロワー数は20万9000、LINEも29万を超える規模になっています。当社では主要なコミュニケーションターゲットを20代から40代の女性に設定しています。新たなSNS施策として、この層に向けて影響力の強いInstagramにも挑戦してみようと考えたことがきっかけです。
Instagramは「映え」という言葉 が象徴するように写真が中心です。そのプラットフォームの中で「アース製薬らしさ」をどう表現するのか、代理店とともに検討しました。単純 に「映え」を狙ってきれいな商品画 像を投稿するのは、Instagramマーケティングでは後発となる私たちにとっては物足りない。少し視点を変えて、「アース製薬っておもしろい」、「続きが見たい」と感じてもらえるアカウントにしようと考えました。
─結果的に「ゴキブリ視点の画像」を投稿することになりました。
小野里:当社は日用品も扱っていますが、虫ケア用品のイメージが強い企業です。ただ、画像として害虫を直接的に打ち出すことは受け入れられないとも思っていました。
稲積:夏前のアカウント開設を目指していたので、夏場はやはり虫ケア用品がメインになる。そうなるとゴキブリかハエ、蚊が候補になります。この中で一番向いていなさそうな虫を取り上げることで、InstagramだけではなくTwitterも含めて話題になる仕掛けができないかと考えました。その結果が「もしゴキブリがインスタグラマーだったら」という発想につながっています。これなら気づいたときの驚きや、友人にシェアしたくなる衝動も大きくなるのではないかと考えました。
チームで勉強会を実施し、生態を理解。投稿のつくり込みにこだわった
─アカウント運営でこだわったことは
稲積:今回のチームは小野里と私、アース製薬からもう1名、代理店という編成で行っています。私はテレビCMなどプロモーション、広告宣伝、SNSの運用を担当しています。
私も代理店の担当者も、ゴキブリの生態については詳しくありません。そこで事前に「ゴキジェットプロ」のブランドマネージャーを講師に勉強会を開きました。ゴキブリが普段、どこに住み、何を食べているのか、商材の効果・効能を学んだ結果を投稿に落とし込みました。
投稿にはストーリー性を持たせ、ドラマ仕立てになっています。フォロワーになった人、投稿を見た人が一度見て終わりではなく、次を期待するようなものにしたかった。投稿を見て、フォローすることでアース製薬に対しても好意を持ってもらうことを目指しました。
投稿は画像に加えてショート動画も制作しました。近年のInstagramはストーリーズなどの短い動画を増やそうとしているように感じています。プラットフォームのトレンドに合わせることで、より多くの人に見つけてもらえるのではないかと考えました。
―本記事の続きは、9月30日発売の『販促会議』2022年11月号で読むことができます。
月刊『販促会議』11月号
【巻頭特集】
認知から購買まで
いま、販促に
活用すべきInstagram
■OPINION
主要SNSユーザー分析から見えた特長
Instagram×販促活動の「いま」と、注目キーワード
亀田明日花(アライドアーキテクツ)
発見タブは購買への近道!?
発見タブに投稿を載せて購買に繋げよう
石川 卓(ソーシャルワイヤー)
フォロワーをファンに!
はじめてのインスタライブ 企画・運用のポイント
艸谷真由(grams)
■INTERVIEW
次が「見たい!」と思わせるショート動画で大反響
現役大学生店長「脳天飯店」
脳天飯店
もしあの虫がインスタグラマーだったら?
虫目線の投稿が話題となった
アース製薬のInstagram
アース製薬
5年でフォロワー5倍増、3~4割が男性に
店舗ごとで異なる魅力を発信、
“チェーン店化”を防ぐbillsの戦略
bills Japan
200人の販売員の公式アカウント
ナノ・ユニバースの
スタッフ起点のファンづくり
ナノ・ユニバース
■TOPICS
第14回「販促コンペ」
結果発表
徹底的な議論で企画を検討
最終審査会レポート
最終審査員総評
【特集2】
ニューノーマル時代の
トレードマーケティング
■OPINION
生活者の行動変容がもたらす、
小売インサイトの変化
トレードマーケティングのこれから
井本悠樹(フェズ)
各INTERVIEW
定番カテゴリーに割り込むために
カルビー「miino」の小売営業戦略とは
カルビー
全国の販促事例を横展開して売り場づくり
「マイクラフトベーカリー」が店頭に並ぶ秘訣
フジパン
チャネルごとに違うユーザーにも、提案力で対応
「豆腐バー」がスーパーでも採用されるワケ
アサヒコ
シリーズ 販促の基本
値上げの作法
小阪裕司(オラクルひと・しくみ研究所)
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