イオンリテールは10月1日、MVNOサービス「イオンモバイル」利用者向けのサポートサービスを始める。利用者の定着を図る目的。イオンやイオンスタイル、イオンモールなどに出店する「イオンモバイル」158店舗で実施する。
「スマホメンテナンス」と銘打ち、料金プランやデータ通信容量の見直しなどをサポートする。スマートフォンの不要なアプリの削除や、ディスプレー設定など、基本的な操作の手助けも行う。所要時間は20分程度。
顧客満足度を高め、サービス自体への好意度を高める。商品マネージャーを務める井原龍二氏は、「イオンモバイルでも大手キャリアと同じような販促をしてみたが、そういった獲得は最善策ではないと考えた。イオンモバイルというサービスに魅力を感じて利用いただくほうが長期利用につながる」と話す。
使い方など、スマホに関する問い合わせ対応の平準化を図る狙いもある。「使い方などについてのご案内は、これまでも店舗でつど実施してきたが、サービスレベルの統一を図りたい。3G停波でスマホへの乗り換えは今後も続く。〈スマホメンテナンス〉はサービスとしての強みのひとつになる」(井原氏)
ことし6月20日から、13店舗で「スマホメンテナンス」を試験的に実施。ダイレクトメール7000件を送付したところ、合計311人がサービスを受けた。満足度は97.4%〜100%と高く、一定の手応えを得た格好だ。本格的な開始後、どれくらいの利用者があるかについて、井原氏はは「想定していない」とした。
総務省の消費者保護ルール実施状況のモニタリング定期会合の資料によると、キャリアショップに寄せられる苦情は「回線契約」が最多で、「料金プラン」についての苦情が増加傾向にある。
2021年度の携帯電話などへの苦情内容は、契約や料金、手続きなどに関する「回線契約」が45%で前年度比1ポイント増。次いで「端末・設定・故障ほか」が28%で、前年度と同じだった。
内容別では、「料金プラン・支払い」と「契約手続き」がそれぞれ15%で最多。「料金プラン〜」は前年度から3ポイント増、「契約手続き」は同比1ポイント増だった。以下、「端末代金・販促」が8%(同比1ポイント増)、「自店舗の応対品質」が8%(前年度と同じ)、「設定・使い方」が7%(前年度と同じ)となった。世代別では、高齢者で「設定・使い方」が高かった。
総務省の電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データでは、22年4〜6月のMVNOサービス(SIMカード型)の上位5社は、インターネットイニシアティブ(シェア18.8%、前四半期比0.7ポイント増)、NTTコミュニケーションズ(14.5%、0.5ポイント増)、オプテージ(9.3%、増減なし)、楽天モバイル(MVNO、5.5%、0.7ポイント減)、富士通(5.7%、初)だった。楽天モバイルはMVNOの新規受付を20年4月に終了している。
井原氏によると、イオンモバイルへの転入割合で、楽天モバイル(MNO)が22年3月以降、増加傾向にある。最多は6月の33%。22年上期では24%が楽天モバイルからの乗り換えだった。通信エリアや1年無料キャンペーンの終了が後押ししているという。