DXを妨げているのはデータ活用への心理的ハードル?
業界・業種を問わず、多くの企業でDXが推進されている。会議のペーパーレス化やオンラインミーティングなどが日々の業務に定着し、デジタルを活用した業務効率化が進められているが、「デジタルデータを活用してビジネス戦略を立てる」と聞くと、腰が引けてしまう企業も多いのが現実。そんな企業に対して、顧客データを活用したマーケティングDX推進を支援している企業がCM.comだ。
同社は1999年にオランダを拠点に設立。SMS配信サービス事業者としてスタートし、今では企業と消費者をつなぐコミュニケーションプラットフォーム、決済、電子署名サービスなど、幅広いモバイルマーケティングサービスを提供している。
同社の日本法人であるCM.comJapanでカントリーマネージャーを務める中藤丹菜氏は、“心理的なハードル”こそがDXを妨げていると指摘する。
「マーケティングDXは、難しいソフトウェアを駆使できる企業や、デジタルマーケティングに精通した社員を抱える企業だけが推進できるものではありません。私たちが定義するマーケティングDXとは、シンプルなツールを使用して、誰もが手軽に運用できるものであることです。そのためには、自社で既に保有している顧客データの活用から始めるのが最初の一歩だと思います」(中藤氏)。
「SMS」が手軽に始められるマーケティングツールに
マーケティングDXにおける第一歩として、同社が活用を推奨するのが、「携帯電話番号」だ。そこに紐付けられたメールサービス「SMS」は、これまでその価値を見落とされがちであったと中藤氏は言う。
「アメリカでの調査によると、SMSの開封率は80%以上と言われ、その数値はEmailの20倍以上にもなります。郵送やWeb広告よりも低コストであることに加え、クリック率は15 ~ 35%と非常に高く、一度の配信で大きな効果が期待できるのです」(中藤氏)。
同社のゼネラルマネージャー、ホドニー・べナッジ氏は、SMSを通じた顧客とのコミュニケーションが根付いている海外の状況について次のように解説する。
「欧米では顧客との双方向のコミュニケーション手段として、SMSが使用されています。例えば月に一度、お店から“お得なキャンペーン情報”の提案が届くとします。『クーポンを取得したいですか?』と聞かれたユーザーは、SMS上で『YES』と返信するとクーポンを受け取ることができるのです」(ホドニー氏)。
企業から送られてきた情報をただ受け取るのではなく、ユーザー側が能動的に返信して成立するコミュニケーションがそこには存在しているのだという。
LP作成までパッケージ化された独自サービス「MMC」
同社が日本において提供する「MMC(Mobile Marketing Cloud)」は、こうした海外の潮流も汲んだマーケティングパッケージサービスだ。企業が保有する顧客の携帯電話番号とEmailアドレスに対して、効果的なマーケティングコンテンツの作成から配信、分析までが行えるようになっている。ホドニー氏は、昨今のCookie規制に伴ってモバイル広告やリターゲティング広告が厳しい立場に置かれる中、国内では類似するものがない「MMC」には多くのメリットがあると言う。
「『MMC』では細かいターゲット属性ごとにプラットフォーム上でLP(ランディングページ)を作成し、そのURLをSMSで各セグメントに配信することが可能です。個人の趣味や嗜好により適したLPの配信ができるため、高いクリック率とコンバージョンの獲得が可能になるのです」。
LPは画像のドラッグ&ドロップで容易に作成することができ、こうした運用プロセスのハードルが低いことも、クライアントにとっては大きなメリット。このようにLPの作成からSMS、Email配信、その後の分析までパッケージ化された独自のサービスが同社の強みとなっている。
日本国内での「MMC」導入の成功事例について、中藤氏は海外の投資用不動産物件の売買仲介をしているビヨンドボーダーズ社の事例を挙げる。
「ビヨンドボーダーズさまの海外不動産事業では、海外の不動産情報を国ごとに提供しています。顧客とのコミュニケーションとして以前からメルマガ配信やWeb広告、SMS配信など一通りのマーケティング施策を実施されていたのですが、SMSで配信していたURLは、社内で構築したすべての国共通のWebサイトに遷移するのみ、といった状態でした」。
そこで、CM.comはビヨンドボーダーズに対して、「MMC」を用いて“国ごと”のLPをつくることを提案。ユーザーを「興味のある国」でセグメントし、SMSで各国のLPのURLを配信したところ、クリック率(CTR)19.6%、コンバーション率(CVR)はEmailの6倍となり、Web広告を出稿する3分の1の費用での集客が叶ったという。
中藤氏は、「規模の大小や業態などは関係なく、“顧客データの活用”にハードルを感じている企業には、まずはお持ちの携帯電話番号データを活用して、DXに踏み出していただきたい。今後もこのことを啓発していきたいですね」と話す。そして、日本国内でもSMSの活用方法をより多様化することで、顧客と新しいコミュニケーションが生まれることを期待していると思いを語った。
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