【第1回目はこちら】
コピーの書き方に迷ったら読もう。私のおすすめコピー本 〜 岩崎亜矢さん
応募する人に「これだけはぜひやってもらいたいこと」
コピーライター養成講座に通ったことのない女子高校生が、宣伝会議賞に応募するとしたら、まず何をするか。ボクには「コピー本」を読んでみることくらいしか思いつきません。数年前、宣伝会議賞中高生部門のブロンズと中高生部門協賛企業賞2つ、計3つ受賞した本田真梨恵さん。2年連続中高生部門ゴールドを受賞した米田昌生さん。2人とも、同じ本を読んでいました。『最も伝わる言葉を選び抜く コピーライターの思考法』(中村禎著、宣伝会議刊)です。これは、自著の宣伝ではなく、授賞式で本人たちから直接聞いたホントの話なのでしょうがありません。自信を持って、実績を持って、お薦めできます。
そしてもう一冊、おすすめする前に、「おすすめしたくない本」について言っておきたいことがあります。「これを読めば誰でも売れるコピーが書ける」的な、謳い文句の本。そんな本は読まないほうがいい。だってそんなの嘘だから。それがホントなら、その著者はいいコピーをいっぱい書いてるはずでしょ?そんな簡単なもんじゃないですよ、コピーは。そもそも「コピーの本のコピー」で嘘をつくような本、信用できるわけがない。
そこでおすすめしたいのが「コピーの本、じゃない本」です。何かを学ぼうとするとき、たまたま別の分野の勉強をしていて、そこに共通点を見つけることがある。それ「真理」なんじゃないかと思います。俳句の勉強をしようと図書館で借りた本、『俳句の秘法』(鷹羽狩行著、角川選書)。ここに「コピーを学ぶこととまったく一緒だ」と思うことが書いてありました。しかも、専門コース中村組の講義でやっている「いいコピーを選ぶ練習」と、俳句の上達のための「句会」の目的とが、まったく同じだったのです。
まず①たくさん句作する。その中から②句会に出すものを選ぶ。③句会で他者の句に学ぶ。④反省して、さらに句作する。どうですか?これ、コピーと一緒でしょ。一冊全部読まなくてもいいです。
とくに、
P65 冷却期間を置く
P66 句会で選句力を磨く
P68 自分の中に批評するもう一人の自分をつくる
P178 もう一人の自分
このあたりの文章の「句」を「コピー」と置き換えて読んでみると、とても参考になると思います。中村組の講義でも話していることです。
最後に、宣伝会議賞に応募する人に、「これだけはぜひやってもらいたいこと」があります。それは、書いたコピーを選ぶとき、少なくとも一晩置いて翌日選ぶこと。『俳句の秘法』P65に書かれたことと『コピーライターの思考法』P240に書いたことは、まったく同じことなのです。
中村禎(なかむら・ただし)
フリーエージェント コピーライター/クリエーティブディレクター。1957年生まれ。JWトンプソン、サン・アド、電通を経て2016年フリーエージェント・コピーライターとして独立。TCC最高新人賞、TCC賞、TCCグランプリ、ほか多数。著書に『最も伝わる言葉を選び抜くコピーライターの思考法』(宣伝会議刊)がある。
次回は橋口幸生さんのおすすめ本をご紹介します。
11月1日まで!宣伝会議賞 応募者登録をされた方限定でコピー本フェアを実施中