住友林業は、9月30日から脱炭素をテーマとした新たな企業広告シリーズ「Good NeighborWood 森と人は、良き隣人になろう。」を開始。俳優の小日向文世さん、板垣李光人さんを起用し、日本経済新聞朝刊に30段広告を出稿するとともに、テレビCM「共生」篇のオンエアを開始した。
「人間はずっと走ってきた。もっと早く、もっと高くと」。CMは、小日向さんのこんなモノローグから始まる。気が付くと、小日向さんは森の中へ。「お帰り」と、そこで迎えに出たのは「ここ(森)の住人」と言う板垣さん。「人間は、これからも二酸化炭素を出し続けたいのかと思ったよ」、そう言うと板垣さんは小日向さんに手をさしのべ、二人は森の奥深くへと歩いていく。かつて木から離れ、便利さを選んできた人間が、再び森へと戻ってくる――このCMでは、そんな物語が描かれている。
「昨年の夏から住友林業さんのサポートをさせていただくようになって以来、社長をはじめとした経営陣の方々とのディスカッションの中で、住友林業さんの事業には非常に大きな可能性があることを知りました。昨今すべての企業が、“脱炭素”を中心として環境負荷を減らしていくことが求められる中で、住友林業さんは、森を育て、木を使うという事業を健全に成長させていくことが、自社の炭素排出を削減するのみならず、炭素そのものを減らしていくことで他社や社会にも寄与できる、という大変稀有な特性をお持ちなので、森と木の持つポテンシャルを社会に理解してもらいたいという思いで、制作が決まりました」と、クリエイティブディレクター 小野総一氏。
メッセージは、「Good NeighborWood 森と人は、良き隣人になろう。」。「NeighborWood」は、ご近所や隣人という意味を持つ「Neighborhood/Neighbor」と、森林を表す「Wood」を組み合わせた造語だ。
「脱炭素のためには、企業の排出削減努力や新技術の開発等以外にも、森と木の力が有効ですが、そのことを単に伝えても、他の選択肢のひとつと同様に埋もれてしまいます。すでにたくさん“脱炭素”をメッセージしている広告もあります。森と木の力には、脱炭素以外にも、人間が幸せを感じて暮らすことができる、健やかな社会を目指すことができる、さらには生物多様性の実現まで、といった脱炭素のさらに先の未来像を語れる資格があると思いました。そしてそれは他の選択肢では絶対にメッセージできないことなので、脱炭素に閉じない大きなメッセージ『Good NeighborWood 森と人は、良き隣人になろう。』を考えるのに至りました」(小野氏)
「森と人」が、お互いを尊重し、力を貸し合って「良き隣人」になる。そして共に、持続的に生きていく。この広告には、そんなメッセージを込めた。そして企業広告だが、あえて住友林業を主語にせず、「森」と「人」の対話と気づきがあるセリフというかたちで定着させたという。
「若く神秘的で先々まで見通す森と、もがきながらも前に進んできたが、はたと立ち止まり未来を真剣に考え始めた人間です。板垣さんと小日向さんはぴったりの配役ができたなと思っており、見事に演技をしてくださっています」(小野氏)
CM共生篇の舞台になっているのは、兵庫県にある住友林業の自社林で、人工的に植えられた森だ。
「人工林と聞くとあまりいいイメージを持たれない方も多いと思いますが、その大きな森では、綺麗な水も流れ、生物や植物がいきいきと暮らしていて、本当に力強く美しい森でした。そこで、そういった手入れされた森の、生命力ある美しさが感覚的に伝わるように、ということも意識して制作しました」(小野氏)
10月7日からは、テレビCM共生篇に続き、森林篇をオンエア。また、新聞広告も、森林篇、木材篇、木造建築篇を順次公開する予定だ。
スタッフリスト
- 共通
- 企画制作
- 電通
- CD
- 小野 総一
- 企画+C
- 筒井晴子
- 企画
- 秋⼭⽞樹
- AD
- 安達翼、石崎莉子
- C
- ⼩野崎花奈
- CPR
- 阿部浩二
- AE
- 北川義治、遠藤吉彦、若原優佳、中原麻里、三浦大樹
- グラフィック
- 制作
- JXL+ジェ・シー・スパーク
- D
- 伊藤結子
- PR
- 有馬知良、市川悠
- レタッチ
- 吉川武志
- 撮影
- 加藤純平
- 製版+印刷
- 高松正和/精美堂
- 映像
- 企画制作
- 電通+ソーダコミュニケーションズ
- PR
- 磯野直史
- PM
- 原藍子、坂本弥琴
- 演出
- 江藤尚志
- DOP
- Erwan Cloarec
- ステディカム
- ケヴィン ヨシダ
- 照明
- ⽥中洵
- 編集(オフライン)
- 餌取志保
- 編集(オンライン)
- 緒⽅佐覇良
- カラリスト
- 亀井俊貴
- ミキサー
- 石村高明
- 音楽
- Brian Yessian