デザインの力でコミュニケーションの形を革新する コミューンラボ

コミューンラボは独立系の映像広告制作プロダクションだ。映像やスチールの撮影と編集、モーショングラフィックスの制作を得意とする同社が目指すのは、「戦略的かつ創造的な、高水準のクリエイティブによる抜本的な課題解決」だという。

コミューンラボ プロデューサー 岩田匡史氏、COO・プロデューサー・ディレクター 菅原拓也氏

課題解決のためにルックを探求する

コミューンラボはこのほど、創業10周年を迎えた。立ち上げ以来、模索を続けてきたのは、美しさと機能性、耐久性を持ち合わせたデザインを軸とした、革新的なビジュアルアプローチだ。同社が考える「デザイン」について、ディレクターの菅原拓也氏は、「私たちの考えるデザインとは、戦略と芸術の両面からコミュニケーションの形を革新し、人々の行動を促す力です」と話す。

「言い換えると、私たちコミューンラボが実施しているのは、クライアント企業が現在実行している宣伝活動を、動画を用いて、さらにより良い解決策となるよう、リ・デザインするということです」(菅原氏)

その際、コミューンラボが特に重視しているのが「芸術面での革新」(同)。それまで実施してきた広告の体裁が、ターゲットが共感しやすい〈身だしなみ〉になっているかを見直す。

同社が最も大切にしている、広告における〈身だしなみ〉は、単に表面的な美しさにとどまるものではない。訴求するブランドのコンセプトを深く理解し、最終的な表現に落とし込むことを目指す。

「その際、注意しなければならないのが第一印象(ルック)です。映像という形でブランドに接したターゲットが最初に受ける印象は、後々までそのブランドの評価にも大きく影響してしまいます。第一印象(ルック)とは、ブランドについてプレゼンテーションする、最初の手段であるとも言えます。ですから、ブランドの目的において、動画が受け手にもたらす印象とはいかなるものであるべきか、まで想定することが不可欠なのです。ルックを探求する行為は、課題に対するアンサーの視覚化であるとも言えます」(菅原氏)

ブランドへの深い理解は、その表現に時間的な普遍性を持たせることにもつながる。表現にトレンドを取り入れることも重要だが、皮相的な援用ではすぐに古びてしまう。ブランドのあるべき姿を美しく映像化することで、「クライアントやその顧客から長く愛していただけることこそ、私たちが目指すデザインのおける『耐久性』です」(菅原氏)

JINS/JINS Switch今日は、色メガネにしよう

もう一方の「戦略面」では、いわゆるカスタマージャーニーを踏まえる。ターゲットがブランドを認知してから購入に至るまでの間、変化する感情や思考、そして行動を前提とするということだ。コミューンラボのプロデューサーを務める岩田匡史氏はこう話す。

「動画広告は、ターゲットや目的に応じて、どのメディアに動画を掲載するのかを決めます。メディアによって最適な動画の長さや内容も異なります。最も重要なのは、ターゲットが動画を視聴したとき、何を思い、何を感じ、どう行動するのか。視聴接点はどんなメディアか。視聴後、購入や契約などのゴールまでのプロセスと、そこでなされるコミュニケーションは適切に設計されているか。こうした点を再考することが、『戦略面での革新』です」(岩田氏)

戦略面での観点を備えているからこそ、見た目だけではなく、コミュニケーション上の成果につながる。これが、コミューンラボがデザインに求める「機能性」だ。

動画によるコミュニケーションは、いまや花盛りだ。従来はテレビの牙城だったが、いまやオンラインも主戦場と言えるまでに育った。2021年の動画広告市場は前年比42.3%増の4205億円規模だ。屋外広告・交通広告でもデジタルサイネージに配信されている。新興の動画メディアは、テレビに比べて低予算で出稿できるため、動画を広告に用いる企業の裾野は広がってきている。

しかし、動画に限らず、単に実施すればよい、という広告表現はない。効果を最大化するために何ができるか――そこに込められたコミューンラボの思想こそ、「芸術と戦略の両側面からクライアントが実施しているコミュニケーションを見直し、ブランドのあるべき姿を映像表現に落とし込む」というものだ。

特に動画はいわゆる「リニア」の表現だ。最初から最後まで見てもらうことを前提に、視覚と聴覚で見る人を引きつけ続ける。だからこそ、視聴者に強い印象をもたらす。その印象が果たして〈あるべき姿〉にできているかどうか――制作会社が負う責任は、見かけ以上に大きい。

SONY/LinkBuds, LinkBuds S

多方向の視点があるから高水準のクリエイティブが生まれる

芸術面と戦略面、双方からの映像制作を支えるのは、コミューンラボが持つ「形式知」と「暗黙知」のバランス良い配合だ。「配慮が一方にのみ偏らないよう、心がけています」(菅原氏)。

暗黙知は、担当するクリエイターの経験から獲得した信念や物の見方、価値観等、言語で表現できない要素を指す。動画に感覚的な魅力を与える上で欠かせない要素ではあるが、主観的で言語化できない分、属人的な制作につながりやすい。

暗黙知を盛り込みながら、“作品”ではなく、課題解決のためのコミュニケーション手段として動画広告を制作する。それを可能にしている要素のひとつが、「視点のスイッチ」だ。

コミューンラボでは、プロデューサーやディレクター、デザイナー、シネマトグラファーといったコミューンラボのスタッフが、自身の担当案件に限らず、また、自身の職能範囲に囚われずに、企画段階から制作までコミットしていくスタイルを採っている。動画制作の流れを大まかに分類すると、「企画」「構成」「撮影」「編集」「公開」となるが、各ステップで、それぞれが自身の専門領域の仕事しかしないのではなく、その専門領域の視座を一連のステップに生かしていくということだ。

「なかでも私たちは、企画構成に最も重きを置いています。なぜなら、この時点で動画制作の目的やターゲット、動画のコンセプトを決めるからです。ここで製品やサービスの価値や意味を明確にして、ストーリーを設定し、『なぜ動画を作るのか』『誰に向けた動画なのか』『動画を見て、どのような感情を抱いてほしいのか』をしっかりと言語化しておくことで、動画を見たユーザーに、どのような行動をしてほしいのかが定まります。そのとき、各分野のプロだからこそ見つけられる些細な違和感や矛盾点を解いていくと、動画によるコミュニケーションのカギとなるアイデアやひらめきが生まれてくるように感じます」(菅原氏)

プロデューサーである岩田氏も、「このスタイルは、着想・構想段階に限らず、撮影現場など制作フェーズでも機能していると思います」と話す。

全体の制作にそれぞれが関わることで、たとえ緊急度や重要度の高い事柄が生じても、個人単位で素早く理解、判断できる。結果として、チームの意思決定も迅速となる。

「コミューンラボでは、多方向の思考を持って仕組みや構造を正確に捉え、つくることや考えることを楽しみながら、一つ一つを広く深く丁寧に見直すことで、戦略的かつ創造的な高水準のクリエイティブによる抜本的な課題解決に取り組んでいます」(菅原氏)

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お問い合わせ
株式会社コミューンラボ(qomunelab co.,ltd.)
TEL:03-5422-3305
EMAIL:info@qomunelab.com
URL:https://qomunelab.com/


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