住友金属鉱山は、10月6日に俳優 生田斗真さんを起用した新しい企業広告を開始。全国でのCM放映他、読売新聞・愛媛新聞・南日本新聞にて15段の新聞広告を出稿した。
今回、同社がブランドプロモーションを開始した背景を、クリエーティブディレクター 三戸健太郎氏は次のように話す。
「若年層の人材確保も見据えた今回のブランディングで大切にしたのは、“今の提供価値”を言い当てる“広告づくり”ではなく、“将来への期待”を高めていく“プロジェクトづくり”にするということ。そのためには、住友金属鉱山の具体的な事業内容よりも前に、まずは、事業を推し進める上で社員の皆さまが大事にされてきた“思想”や“想い”を伝えるべきだと考えました」
グラフィックとCMにおけるメッセージは、「ずっとやるんだ。」。
「ヒアリングを重ねて浮かび上がってきたのは、どんな困難があっても、すぐに結果が出なくても、ずっとひたむきに挑戦を続け、方法を見つけ続けるという“続け貫く意志”。430年以上の歴史がある住友金属鉱山だからこそ強い説得力を持つ、その想いに共感してもらうことを目指しました」(三戸氏)
コピーライター 小川祐人氏は、「ずっとやるんだ。」というメッセージに「企業のDNAを現代に接続していきたい」という意図を込めたという。
「住友の初代は、住友政友。彼が商人としての心得を説き、住友の事業精神の礎となった『文殊院旨意書』、その一節に“確実を旨とし浮利に趨(はし)らず”という言葉があります。目先の利益を追わず、他者との共生を重んじ、持続的なビジネスへとつなげてゆく。それは、効率ばかりを優先してきた経済の限界が顕になってきた今こそ、改めて大切にするべき思想だと思いました」
430年を超える歴史が育んできた同社の思想や想いは、グラフィックのアートディレクションにおいても重視された。
「400年以上続いてきた企業の営みの精神性を表現したいと考えました。 挑まなくてはならない試練や困難に、自らを奮い立たせて歩んでいく。このビジュアルを見てくださった方に共感してもらえるよう、現実にも精神世界にも感じられるような世界観を目指しました」(アートディレクター 樋口裕二)
そして、CMは創業約430年以来初めてのタレント出演であり、初めての全国放映となった。このCMで生田さんは、目の前に現れた山に登り続け、逆風など困難にさらされても前へと挑み続ける社員を演じている。
映像を演出したのは、King Gnuのミュージックビデオで知られるOSRIN氏。
「これからを担う若い人たちに共感してもらえるような表現でありつつも、歴史に裏付けられた熱量を伝えたいという想いから、映像監督のOSRINさんに演出を依頼しました」(小川氏)
完成後、同社の担当者から制作スタッフに「当社らしいCMができてよかった」という言葉がスタッフに贈られたという。
「消費されるだけのCMではなく、長く使われる“拠りどころ”としていただければ嬉しい限りです」(小川氏)
同社サイトでは、新企業広告に合わせて特設サイトをオープン。ステートメントや広告他、同社がいま事業において「ずっとやるんだ。」と取り組んでいることを紹介している。
また、住友金属鉱山のゆかりの地・別子銅山があるJR新居浜駅や松山空港にて、生田斗真さんのキービジュアルを活用したOOH広告も掲出予定だ。
「ずっとやるんだ。」ステートメント
未来という言葉を使うときは、慎重でありたい。
それが、この星の資源に向き合う者としての 責任だと思うからだ。
限りある資源そのものを、私たちは生み出せない。
けれど私たちは、新たな方法を生み出せる。
アイデアと技術を組み合わせながら、 最大限価値を引き出すことができる。
その努力は、すぐ形にならないかもしれない。
その道は、ときに険しく、終わりが見えないかもしれない。
それでも私たちは、挑み続けようと思う。
私たちが見つけ、取り出すものが、
誰かの想像や願いを叶える原動力になると信じて。
そのすべての一歩が、次の世代の道を拓くと信じて。
非鉄金属で、未来をつくる。
その覚悟は、意志は、軽くない。
ずっとやるんだ。
住友金属鉱山
スタッフリスト
- CM
- 企画制作
- 電通+TYO MONSTER
- CD
- 三戸健太郎
- C+企画
- 小川祐人
- 企画
- 萩原志周
- AD
- 樋口裕二、山口さくら
- プランナー
- 藤本哲平
- CPR
- 栗川愛子
- PR
- 木下 健太郎、吉田 健人
- PM
- 武田 尚己
- 演出
- OSRIN
- 撮影
- 上原晴也
- 照明
- 穂苅慶人
- 美術
- 宮守由衣
- ST
- 前田勇弥
- HM
- 豊福浩一
- CG/アニメーションPR
- 成田大輔
- CG/アニメーションディレクター
- 斉藤壮平
- 編集
- 井川剛(オフライン)、堀江友則(オンライン)
- 音楽
- 櫻木大悟
- CAS
- 岡田知子、稲葉あゆみ
- AE
- 城山知孝、森田喜文、岡村祥汰
- グラフィック
- 撮影
- 高柳悟
- 照明
- 高野耕平
- レタッチ
- 小野隼人
- PR(グラフィック)
- 有馬知良
- PM(グラフィック)
- 市川悠
- D
- 遠藤 寛昭、中林裕希
- PR
- 三觜直樹