※本記事は『広報会議』2022年12月号の転載記事です。
2022年8月にアメリカ投資会社カーライルからの約70億円の資金調達を発表したCureApp。「社内からも、『今回の調達につながったのは普段から広報部がアプリの意義や必要性をしっかり発信してくれているからだ』という声がありました」と話すのは広報部の大目菜々子氏。
会社設立時は役員が広報を兼任する形だったが、取り扱う商品が増加してきた2018年から広報専任部員の採用を始めた。初の専任広報として入社した大目氏は、メディアリストや広報資料の作成など広報部のベースをつくることからはじめたという。「一から広報の基礎をつくっていくのは大変でしたが、ブランドキャラクターの軸が既に確立されていたので、『広報に力を入れている会社だな』と感じたのを覚えています」(大目氏)。
大目氏の入社当時は、気軽に役員と話し合いながら各部が業務にあたっていたため、社員も自然とそのキャラクターを意識できていたが、社員数が増加し、そのような機会も減少傾向に。そのため、「業務のなかでブランドキャラクターを体現するためにはどう行動していったらいいのか」について考える、社内ワークショップを開催したこともあった。
信頼を得るための広報活動
ベースがある程度整ってからは、より多くの人に治療用アプリの意義や価値を知ってもらうことが最優先に。患者や医師などステークホルダーが幅広い分野での広報活動になるため、法律・制度面でも社内連携を深めて、企業としての信頼を地道に積み上げてきた。
また、学会での医師向けセミナーや記者会見の参加人数で広報活動の反響を測定したり、ターゲットメディアとのコンタクト回数や、そのコンタクトが露出につながった数なども測定。マーケティング部門が患者に行っているインタビューにも積極的にかかわり、実際利用者がどの媒体を見ているのか、自社商品にどんなイメージを持っているのかなど調査も行っている。
創業年:2014年
事業内容:疾患治療用医療ソフトウェアの研究、開発
社員数:195名(2022年10月時点)
広報体制:広報部 2名、パートタイム社員1名
―本記事の続きは、11月1日発売の『広報会議』2022年12月号で読むことができます。
広報会議2022年12月号
【特集1】多様化する広報業務
目的の明確化で効果測定を見直す
GUIDE
社内外で「評価される」広報になるために
今、必要とされていることとは?
田尻 有賀里 (リスト)
OPINION1
「目的」に即した「目標」を見つける
広報に求められる事業貢献のストーリー
望月安迪(デロイト トーマツ グループ)
OPINION2
KPIとは現在地を把握する指標
誰もが理解できる「シンプル」さが鍵
中尾隆一郎(中尾マネジメント研究所)
OPINION3 目的に適した「生の声」を味方につけて
説得力のある成果報告を
稲葉崇志(組織人事コンサルタント)
CASE1 ビジョン広報が社員のモチベーションアップに
毎年の定点アンケートで浸透率の測定も
西武ホールディングス
CASE2 社員が主役の “逆境エピソード”で
共感生み、社内活性や採用に成果
シナネンホールディングス
OPINION4
ソーシャルリスニングでリスクに気づき
口コミの量と質の変化で広報効果を測る
福田浩至(ループス・コミュニケーションズ)
広報担当者に聞く「広報の目的・成果は?」
山善/ふく成/河村電器産業
【特集2】サステナビリティサイトと広報成果
地道な活動で社内の
サステナビリティ理解を促進
ライオン
リリースでは伝えきれない物語を
読者の共感がひとつの指標に
スターバックス コーヒー ジャパン
社員参画の仕組みをつくり
コンテンツの改善につなげる
東京海上ホールディングス
投資評価に関わる情報、積極開示
ESG指数の構成銘柄に
ダイセル
【特集3】スタートアップと業務効率化
CASE1
事業フェーズに合わせた選択と集中
「やらないことを決める」のが肝に
キャディ
CASE2
持続可能な宇宙開発
伝わる文脈づくりと取材対応の工夫
SPACE WALKER
CASE3
逆算思考の徹底が業務効率化のカギ
万全な事前準備でチャンスを逃さない広報に
CureApp
【連載】
広報担当者のための企画書のつくり方入門 片岡英彦
SNS採用広報の裏側 ヒルトン東京
BtoB企業広告のその後 トプコン
社員を巻き込む社内報のつくり方 日清食品グループ
周年イヤーの迎え方 ジャノメ
メディアの現場から
『CREA』『パンサー向井の#ふらっと』
実践!プレスリリース道場
大和ハウス工業のメタバース住宅展示場公開リリース
井上岳久(PRコンサルタント)
オウンドメディアの現場から 日機装
地域メディアの現場から
中京テレビ放送『PS純金』
など、多数