(※本記事は11月1日発売の月刊「ブレーン」12月号「エディターズチェック」に掲載したものです)。
「Pedal&Senza」は国産の天然粘土「モンモリロナイト」を主原料とした商品の開発・販売を手がける粘土科学研究所の自社ブランドで、アートディレクターの永戸鉄也さんとフラワークリエイターの篠崎恵美さんが商品自体のプロデュースからディレクション、デザインまで全般を手がけている。
今回発売したのは、ハンドソープ、ハンドクリーム、ボディクリームの3種類。香りは柔らかさを表現した「doux(ドゥー)」と重々しさを表現した「pesante(ペザンテ)」の2種類あり、計6品を用意した。
容器は白を基調としたシンプルなつくりだが、外箱は永戸さんのコラージュ作品「KASHIKA(かしか)」を元にした華やかなデザインだ。
「以前制作した『KASHIKA』というコラージュ作品をベースに、粘土と、篠崎さんが手がける植物のイメージと、僕がモチーフにしている古い紙という3つの要素をコラージュして拡大し、キービジュアルを作成しました。それをdouxとpesanteのイメージに合わせて切り取って箱のデザインに使用しています」と永戸さん。
ロゴのフォントは、好んでよく使うという「Garamond」を使用し、字間に余裕を持たせた。「裏面の成分表記も自分で組んでいます。全体的に、風が通り抜けるような心地よい文字の並びを意識しました」。
中でも一番のポイントとして挙げるのは、「Pedal & Senza」というブランド名だ。
「篠崎さんとブランド名を考える中で、楽譜において(ピアノの)ペダルを離すことを意味する『Senza』が、花のような記号であることに気付きました。音の響きを終わらせる合図が、花に見えるマークで表すという事実に、切なさを感じて夢中になってしまって。このマークをブランドロゴとして使用しています」と話す。
またハンドソープとボディクリームのガラス瓶は、実はラベルを剥がすとSenzaマークが黒でシルクプリントされている。「僕も篠崎さんも、物を買った後にラベルを剝がして使うのが好きで、思い付きました。使用後も、ワンポイントが入っている瓶として自由に楽しんでいただけたら」(永戸さん)。
スタッフリスト
- AD+D
- 永戸鉄也
月刊『ブレーン』2022年12月号
【特集】広がるメタバース市場
バーチャル表現はどこまで進化したか
(月刊『ブレーン』2022年12月号)
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「東京ゲームショウVR 2022」
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「モスバーガー ON THE MOON」
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「サントリー“飲むメタバース”プロジェクト」
・「バーチャル井波」
・三菱地所レジデンス「SUPER MODEL ROOM」
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バーチャルヒューマンアーティスト「KOE」
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「アナログ」な価値
仲田朝彦(三越伊勢丹)× 朴正義(バスキュール)× 宮原広志(博報堂)
ほか