※本記事は、2022年11月1日発売の『販促会議』2022年12月号の転載記事です。
JR西日本
鉄道本部 営業本部 主査
山田 真義氏
データ分析から仮説を設定 若年層を引き付ける「ゲーム性」
──「サイコロきっぷ」について教えてください。
お客さまにアプリでサイコロを振っていただき、その出た目で目的地が決まるという割引切符です。行く場所がランダムで決まるというゲーム性を取り入れた、当社としても初めての取り組みです。価格は1回5000円で、最大82%の割引。目的地には博多など主要駅の他、普段聞きなれない東舞鶴駅や餘部(あまるべ)駅といった駅を設定することで、地域送客や西日本エリアの魅力の再発見といった地域活性化にもつなげています。
──斬新な企画ですが、どのような経緯で生まれたのでしょうか?
当社は昨年秋、西日本管内ならどこでも行ける周遊型のフリー切符「どこでもきっぷ」という切符を販売していました。当時、その切符の購買状況をデータで分析したところ、コロナ禍で旅行需要が停滞していた時期にもかかわらず、10〜20代の利用が非常に多いことがわかりました。
そこで、より若年層にアプローチする必要があると考え、本年から様々な取り組みを開始。具体的には、「アオタビ」という新しい情報発信プラットフォームを立ち上げました。最初はZ世代に向けて鉄道に親しんでもらうための旅行情報を発信していただけだったのですが、「アオタビ」と連動した商品を出せないかと考え生まれたのが、「サイコロきっぷ」でした。
商品検討にあたり、Z世代に向けた調査やデータ分析をする中で、「ゲーム性」は欠かせない要素だと判明。航空会社など他社の取り組みをみても、ゲーム性がある企画がZ世代にとって魅力的であると仮説を立て、実行しました。
サイコロに着目したのは、ゲーム性を最もわかりやすく、シンプルに伝えられると考えたためです。
―本記事の続きは、11月1日発売の『販促会議』2022年12月号で読むことができます。
月刊『販促会議』12月号
■目次
【巻頭特集】
値引き以外で「買いたい」はつくれる?
「お得感」を演出
事例&アイデア
■OPINION
お得だけでは反応しない。コスパなのかタイパなのか?
生活者の「買いたい!」の正体とは
田中みのる(ライズマーケティングオフィス)
値引きの代わりだけでないポイントサービス
値段以上のお得感を演出する方法
岡田祐子(エムズコミュニケイト)
値上げラッシュの年末商戦に打ち勝つ
ECは情報量を増やし顧客の理解度を高める
竹内謙礼(いろは)
データから読み解く
諸物価上昇に対する消費行動の変化
松下東子(野村総合研究所)
■CASE
ゲーム性の高い企画で若年層の心をつかむ
最大8割引で話題を呼んだ「サイコロきっぷ」
JR西日本
包装を減らしたばら売り・量り売りで
環境配慮とユーザーメリットの双方を実現する
MARKET LAGOICE
「食品ロス削減」で普段の買い物をエシカルに
価格だけじゃない「TABETE」のお得感
コークッキング
■TOPICS
お得感を演出する事例を紹介!
メガマックス/COFFEE MAFIA/
斗々屋(ととや) 京都本店
■OPINION
「買う」「買わない」は何で決まる?
消費者の意思決定を理解して
効果的なプロモーション展開へ
竹村和久(早稲田大学意思決定研究所)
■TOPICS
AdverTimes. Days
2022 Autumn
OMO強化によって生まれる、
ポーラ独自の体験価値
ポーラ
ブランドの好意度と純粋想起度を向上させる
アース製薬流SNS活用術とは
アース製薬
マーケティング推進には
システム部門との連携がキーとなる
ビックカメラ
「ユーザーへの深い理解」と「一貫したパーパス」
バイトルが効果的な施策を打てた秘訣とは
ディップ
【特集2】
新しい顧客接点に注目が集まる!
リテールメディアの
最新活用術
■OPINION
なぜ今、リテールメディアが
注目されるのか
稲森 学(アドインテ)
先端事例に学ぶ
米国のリテールメディア事情
内山英俊(unerry)
広告プラットフォーマーから見た
リテールメディア
神武秀一郎(Criteo)
■INTERVIEW
2023年度中に全店舗へ拡大
ファミリーマートのリテールメディアへの取り組み
ゲート・ワン
商圏に特化して高い成果
キリン堂のリテールメディアへの取り組み
キリン堂
シリーズ 販促の基本
バーチャルマーケットにみる
メタバース販促
新 清士(HIKKY)
■METHOD
(秘)公開 これがプロの企画書だ!
日本コカ・コーラ
「#コークで乾杯 キャンペーン」
の企画書
菊池雄也(電通プロモーションプラス)