サッカー日本代表および、2023年からの日本サッカー協会のオフィシャルトップパートナーであるキリンは、カタールワールドカップ2022に先駆けて、11月17日にCM「Start Here」のオンエアを開始、YouTube公式チャンネル他で公開した。
映像は、一人の女の子がサッカーボールを手に取り、蹴り上げるところから始まる。転がったボールの先にいたのは、男の子たちのサッカーチーム。彼らは女の子をチームに招きいれる。すると、周りにいる人たちも次々と参加し、いつのまにかコートのラインが引かれ、応援の音楽が鳴り響き、団地の庭はサッカー場のように…。一つのボールから始まったサッカーが、いろいろな人たちをつないでくれたのだ。
本ムービーでは、今までのキリンのサッカー日本代表応援ムービーとはアプローチを変え、サッカーの持つ「人と人とをつなげる力」にフォーカスしている。
「今回、改めてサッカーの持つ原始的・本質的な価値に注目しました。サッカーの生み出すつながりの最大の形としてワールドカップの華やかなスタジアムやスーパープレーはありますが、これに対して、本ムービーでは“規模やテクニックに関係なくサッカーボールひとつあればつながりが生まれる”最小の形からあえて描いています。ここには、現役の代表選手も、大きなスタジアムも出てきませんが、サッカーがうむつながりの価値はワールドカップとも地続きだと捉えています。タイトル『Start Here』にはそんな思いが込められています」と、企画を手がけた村田俊平氏。
「サッカーのつながり」が、性差やナショナリティなどを超えるだけでなく、プレーヤー、応援する人、サッカーを成立させてくれる人々、遥か先だが地続きにいる憧れの存在など広い意味で多様であることを表現したという。ムービーには、元サッカー日本代表・世界最優秀選手賞の澤穂希さんや、レジェンド審判として知られる家本政明さんも出演している。
制作にあたっては、企画を出しすぎず、派手なオチや展開にこだわらないこと、その分気持ちが乗っていくものを目指した。
「特に腐心したのが音楽の構成とテイクの洗い出しです。音楽は前半に多くを伝えすぎず、最後にカタルシスを覚えるもの、テイクは表情違いでの並べ方や、撮影したものの使わなかったカットの取捨選択など密に設計しています」(村田氏)
実は、ラストとトップのボールがピタリ同じ位置に来ており、サッカーが今日だけでなく明日以降も繋がっていくことを隠喩している。
ムービー公開後は、「息子と自主練しているときになんでもいいから関わってほしいなって思う」「ボールひとつでワーワー言っているだけなのにグッときてしまった」など、CMによってつながりを再認識してくれる声がSNSでは挙がっている。加えて、昨今の「ボール遊び禁止」の公園が増えた社会事情に対して、「ボール遊びOKな公園がもっと必要」「昔のようにボール遊びに寛容な場所が必要」「老若男女関係なく自由にボールを蹴れる場所を増やしたい」などの声も多く見られるという。本ムービーのメッセージは、「サッカーは力をくれる。人とつながる力をくれる。」。現役の代表選手も、スタジアムも出てこないが、本ムービーを見た多くの人がサッカーの本質を改めて考える機会になったようだ。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通+古川裕也事務所+太陽企画
- CD
- 古川裕也
- C
- 磯島拓矢
- 企画
- 村田俊平
- CPr
- 上野敬
- Pr
- 泉家亮太、田辺剛
- PM
- 渡部亮大、木下匠、矢野直希
- 演出
- 山田智和
- 撮影
- 近藤哲也
- 美術
- 西村美宇
- ST
- 石谷衣
- HM
- 野尻七衣
- CAS
- 榊原塁
- ドローン
- 藤原勇陽、山田開人
- ステディカム
- 岩田琢磨
- 編集
- 瀬谷さくら(オフライン)、遠藤俊介(オンライン)
- 音楽制作
- 愛印
- 音楽Pr
- 山田勝也
- MIX+MA
- 星本泰憲
- ロケCrd
- 喜多村恭平
- AE
- 相川修、助川拓人、藤浪裕人、西野升、後藤太郎
- NA
- 加藤康之
- 出演
- 杉山ゆな、澤穂希、家本政明