吉本興業とカヤックは、両社が共同制作するユーザー共創型オンラインゲーム「スーパー野⽥ゲーWORLD」のテレビCMを、12⽉18⽇に行われた『M-1グランプリ2022』決勝戦(ABC・テレビ朝⽇系列)にて、1回限りの放映をした。
「スーパー野⽥ゲーWORLD」は、吉本興業とカヤックが共同企画したNintendo Switch用ソフトゲーム。お笑いコンビ、マヂカルラブリーの野田クリスタルが総監督を務めている。本CMは、マヂカルラブリーを『M-1グランプリ2020』の王者に導いた漫才ネタであり、オンライゲーム「スーパー野⽥ゲーWORLD」の一つにもなっている『つり⾰』をモチーフにしている。
突然⼤きく揺れる電⾞内。映像には驚く野⽥クリスタルの顔がアップで映し出される。電車内では相⽅の村上ら乗客たちが必死の形相で揺れに耐えている。つり革や小銭が舞い、水しぶきが飛ぶ車内での人々の阿⿐叫喚のさまを、ドラマチックなライティングやスローモーション映像などを⽤いて、シリアスな世界観の中でスリリングに描いている。
このCM、「スーパー野⽥ゲーWORLD」の告知ではあるのだが、実はクラウドファンディングによって制作が実現している。「野⽥ゲーのCMを『M-1』で流したい」という、野⽥クリスタルの夢に対してクラウドファンディングを実施し、309人による⽬標⾦額255%の⽀援を集めて制作されたものだ。
「マヂカルラブリーと野田ゲーファンの人が最も観たいものを虚心坦懐に考えました」と、本CMのクリエイティブディレクターと企画を務めた村田俊平氏。
「CMの独立したストーリーや本筋と関係ない要素が入れば入るほどクリエイティブチームのエゴが透けて見えファンに見透かされてしまいます。そこで、マヂカルラブリーの至高のネタ『つり革』を実写化することに行きつきました。言葉と動きだけで人を笑わす漫才といういわば「原作」をあらゆる映像技術やチームで作り上げていくCMで描くとどうなるか。とても刺激的な実験だったと思います」
今回、CM内に登場するエキストラやナレーション、裏⽅のマネージャー業務までをクラウドファンディングのリターン品として提供している。現場には、小学生から50代の男女60名のクラウドファンディング支援者が参加したという。
「このCM、一部がファンの方々のクラウドファンディングでできていますが、同様にエキストラの方々もファンの方から募集しています。いわゆる″エキストラ慣れ″してない人々なので、演技に不安…とも思いましたが、そこはマヂラブの漫才を愛して集った方々。面白さの勘所も熱意も素晴らしいものでクオリティ高いものになりました」(村田氏)
「忠実な漫才の再現をファンは見たいはず」と考え、ディテールにこだわった。「強度が弱すぎるつり革」や「サンドイッチを買うために小銭をばら撒く」など漫才内でも登場した小ネタ要素を入れ込み、到着駅もネタ同様に中央線「御茶ノ水」に。また、途中で水飛沫のようなものが飛び散り、最後に野田クリスタルのシャツが黄色く濡れているのも、漫才で爆笑をさらった「トイレ」のシーンをリアルに描写している。
「映像面ではガイ・リッチーの『シャーロックホームズ』や最近だと『イカゲーム』などさまざまな映画のハイスピードシーンを研究し、迫力のある映像に仕上げたつもりです」(村田氏)
『M-1グランプリ2020』での放映後、「野田ゲーのCM」はTwitterトレンド入りに。「かっこよくしすぎw」、「力入りすぎてて笑った」などの他、チープな世界観の本体ゲームと比較し「ゲームの100倍すごい」と言う声もあった。また、本人のツイートと合わせ「数年前に607点とったマヂラブが今年野田ゲーCM流すのは感動」など、CMオンエアという試み自体に感動するツイートも見られた。
テレビでの放映後、本CMは吉本興業のYouTube FANYチャンネル公式にて公開されている。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通+doors
- CD+企画
- 村田俊平
- PR
- 荒木雅、梶陽子
- Pr
- 半田昌志
- 演出
- 志賀匠
- 撮影
- 伊藤元
- 照明
- 西田真智公
- 美術
- 秋葉悦子
- 特殊
- 柳瀬翔太
- 音楽
- 丸橋光太郎
- サウンドデザイン
- 高橋直樹
- カラリスト
- 亀井俊貴
- 編集
- 内田高寛
- Mix
- 堀芳彰
- PM
- 井上賢
- 制作協力
- 吉本興業
- 出演
- マヂカルラブリー野田クリスタル・村上、デッカチャン、バイク川崎バイク
- 出演(クラウドファンディング出資者)
- の氏 ちゃん、chiha、ヒライ一家、中野(矢吹)崇、阿部隼也、他