森永製菓は、「森永ラムネ」の新CM『よび覚ませ、集中力。』篇の放映を2023年1月5日に開始した。
本CM は、受験を控える高校3年生・柳下キミノの物語。夏のある日、部屋で英語の暗記ノートを作成しているとメッセージの着信音が鳴り、思わずスマホを気にしてしまう。ふと 集中できていないことに気づいたキミノ。部屋には何かと誘惑が多く、勉強に集中して取り組めない。そんなとき、ラムネを一粒食べると、受験勉強の暗記のお供である赤シートが誘惑を瞬く間に消し去っていく。ゲームを楽しむ弟、電車の混雑、工事の騒音…など、次々とやってくる誘惑や喧騒。「集中の赤シート」はそれらを消し去り、キミノの周りに広がっていく。それによって、自分だけの世界に入り込んで勉強に励むことができるのだった。様々な誘惑や葛藤を「集中の赤シート」で乗り越えながら、キミノはついに受験当日を迎える。これまで頑張ってきた日々を思い起こしながら、その全てが「集中の赤シート」とともにキミノの体の中に入り込む。メッセージは「よび覚ませ、集中力。」。
近年ブドウ糖の働きが注目され、ブドウ糖を90%含む森永ラムネは受験生のために欠かせないアイテムになっている。その流れの中で、森永ラムネとして「頑張る受験生を応援したい」という想いから、本CMは制作されている。
「“森永ラムネを食べると集中できる”という極めて明確なファクトから逃げないよう、そこでのみでエンターテインメントすることに、濱田雄史CDと決めました。自分も企画しているとスマホや本、空腹から話し声など色々なものに気を取られる実体験がありますが、“集中できている状態”ではそもそもそういう集中の対象物以外は全く意識に登ってきません。余計なものを消してくれる存在を考えた時、赤シートは受験生に親和性があります」と、企画を手がけた村田俊平氏。赤シートを使った受験CMの着想は、何年か前からあったという。
「でも、複雑だったり段取りっぽくなりそうで、きちんと心を動かすムービーの計算が立ちませんでした。特に、どうしても“集中を阻害するものだけが赤い” “赤シートが飛び込んできてそれを消す”の想像がつきませんでした」
それを解決したのが、線画のアニメーションだった。クリエイティブチームは「漫画のような世界になれば、一部が赤でもほどよい違和感を残しアニメは成立する。モノクロは受験のストイックな感じも出るし、カラーのアニメはよく見るが線画のアニメなら目立つ。問題用紙のようなテクスチャーにして、潜在的な受験感も出そう」と考えた。
本CMでは、『四月は君の嘘』『さよなら私のクラマー』など数多くの青春漫画を手掛ける新川直司氏がキャラクターデザインを担当。CM 楽曲にはSNS 総フォロワー数110 万人を誇り、気鋭のボカロPコンポーザーによるオリジナルプロジェクト『ロクデナシ』の女性ボーカリストを務めるにんじんさんを起用した。
「線画のアニメーションとすることで企画成立の糸口が見えたものの、赤シートの入ってき方や主体と客体の視点の取り方、そもそも何が消えて何が消えないべきか、ギミックの強いムービーに感情的な盛り上がりをどうつけていくか、など課題は山積みでした。企画決定からローンチまでが7ヶ月と長かったこともあり、チームで一つ一つ課題を乗り越え、なんとか間に合いました」(村田氏)
CMでモチーフとなっている赤シートのアイデアを受けて、森永製菓では「 受験勉強あるある」 が掲載されている受験生応援特別パッケージを制作。2022年12月上旬から販売を開始した。
「赤シートのアイデアを愛してくれた森永製菓さんが、なんと商品のパッケージまでユニークなものに変更されました。とほほな感じで暗号文のようなものが書かれていますが、赤シートを使うと…あとは皆さんでぜひやってみてください」(村田氏)
受験生応援特別パッケージは無くなり次第、終了となる。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通 + Dancenotact + mimoid
- CD
- 濱田雄史
- 企画+C+作詞
- 村田俊平
- AD
- 堀田さくら
- PRプランナー
- 荒木雅
- CPr
- 岩佐遼太郎、清水楓太
- Pr
- 掛巣源太郎、湯浅直人
- PM
- 手塚麻衣
- 演出
- 磯見大
- Animation
- 平岡政展、山田遼志、別所梢
- 音楽
- 山田勝也
- 音楽アシスタント
- 岡田泰典
- SE
- 吉武祐太
- 編集(オンライン)
- 島田健介
- MA
- 山岡俊
- キャラクターデザイン
- 新川直司
- アーティスト
- にんじん
- AE
- 川上洋亮、石川隆彦、吉永裕子