今日から実践できる!企画力につながるインプット術

マーケティングもクリエイティブも常に企画やコンテンツというアウトプットが求められる仕事です。日々のアウトプットが求められるからこそ、常にアンテナを張って最新の情報をインプットする努力が欠かせません。月刊『宣伝会議』2023年2月号では、良質なアウトプットを意識したインプット術と、そうした企画スキルを高めるための人材育成・教育法について特集を組みました。

※本記事は2022年12月28日発売の月刊『宣伝会議』2月号の一部を転載しています。

電通
クリエーティブ・ディレクター/プランナー
武藤新二氏

広告の企画制作にとどまらず、事業の設計やクリエーティブディレクション、ものづくりやしくみづくりなど、領域は多岐にわたる。現在はクリエーティブチーム「汐留サロン」を主宰し、新規事業開発を手がける。

自分なりの楽しみを持ちながら、新しい発見や出会いを求める

ここは渋谷にあるデパートの地下のお菓子コーナー。年末の贈りものを求めて、はや2時間も物色を続けている。すでに、贈りものを探して訪れたデパ地下はここで3カ所目。パッケージにセンスを感じるもの、お菓子自体が映えるもの、話題性のある旬なもの、これがセレクトの基準。

誰が決めたわけでもなく、自分で勝手に決めたこと。予算は1万円。1点買いではなく、単価千円前後のものをたくさん探し出し、詰め合わせにして贈るというのが、自分に課したミッション。それが、楽しい!宝探しのような感覚と、両手いっぱいにショッピングバッグを抱えて歩く快感は、なかなかのものだ。

とはいえ、わざわざ時間をかけて、そんな面倒なことをしなくても、ネットで探せば検索もできて、ポチれば終わり。あとは梱包も発送も自動的にしてくれるのに…というご意見を持つ方もいらっしゃるだろう。おっしゃるとおり!その方が便利に決まっているし、僕だって、そうした買いものも当たり前のようにしている。

でも、デパ地下を何軒もはしごするのにはワケがある。自分が知らない、興味のない情報やモノゴトに、あえて出会える機会=インプットの時間をつくる。できれば面白がりながら。これが、30年にわたって、アイデアを武器に企画の仕事を生業にしてきた僕のインプット術なのだ。

近年、インプット術はその重要性が急激に高まっている、というのが僕の実感だ。SNSには自分の興味をそそる投稿が流れ、ネットコマースでいつでも簡単に欲しいものが買え、映像配信サービスではリコメンドリストから選んでコンテンツを楽しむ。気がつけば、最短距離で情報やモノゴトと接し、それは自分の好きなものばかりで、心地よく、便利。失敗はしないし、タイムパフォーマンスもばっちりで、効率はいい。でも、その沼にはまっていくのは、商売柄まずい。

自分の知らないものや興味の外にあるものとの偶然な出会いがなくなってしまう。そこから抜け出すためのインプット術が、一層大切になってくるというわけだ。

僕のインプットの方法はシンプル。情報やモノゴトが雑多に集まる環境に身を置く、もっと言えば、その道のプロが編集したそれらと出会える時間を、日常生活の中で意識的につくるということ。僕が実践しているのは、たとえばこんな感じ。

①本屋さんで月に一度は過ごす
ジャンルを問わず雑誌をペラペラと

②ラジオが聴ける環境をつくる
風呂・洗面所・寝室で、ながら聴き

③街の商店街をぶらぶらと歩く
個人商店からチェーン店、新旧覗きながら

④情報番組を週末あれこれ観る
ヒト系・商品系・企業系がオススメ

⑤コラムを毎日最低3本は読む
プロが書いたコラムで刺激と発見を

できれば、面白がってやりたいところだ。楽しくないと長続きしない。オススメは、その時々に応じたテーマやミッションを設定すること。冒頭のエピソードのように、自分なりの楽しみを持ちながら、新しい発見や偶然の出会いを求める。それがインプット術の第一歩である。

感じたまま、気づいたままを短めの言葉にしてインプットする

――本記事の続きは、発売中の月刊『宣伝会議』2月号及び宣伝会議デジタルマガジンで読むことができます。
 

月刊『宣伝会議』2023年2月号

 
▼特集1
2023年は、こう動く。
―価値観・消費行動・メディア環境予測―
・ゼロパーティデータと外部データを結合し
 未来の顧客の仮説を構築する
・新たな広告手法で“発見”を提供する
 レノボが注目するオーディオコンテンツ活用
・花王の「仮想人体生成モデル」に見る
 変化する時代とメーカーの新たなビジネスモデル
…他
 
▼特別企画
「CMO X FORUM 2022」レポート
「宣伝会議リージョナルサミット2022」レポート
 
▼特集2
プライバシー保護とパフォーマンスを両立
「データクリーンルーム」とは?
 
▼シリーズ特集
トッププランナーが実践している!
企画力につながる「情報収集・インプット術」
 


 

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