羽生結弦に日本PR大賞「あらためてPRの意味を知りました」

日本パブリックリレーションズ協会は20日、優れたPRの担い手を称える「日本PR大賞」(2022年度)の結果を発表した。パーソン・オブ・ザ・イヤーにはプロフィギュアスケーターの羽生結弦氏、シチズン・オブ・ザ・イヤーにはNPO法人「全国てらこやネットワーク」を選出したと発表した。

パーソン・オブ・ザ・イヤーに選ばれた、プロフィギュアスケーターの羽生結弦氏。

 
羽生氏の選出理由について、協会では「競技に対する自らの取り組みについて丁寧かつ真摯に語る姿勢は、アスリートのコミュニケーションのお手本」と述べている。2022年7月にはプロ転向し、アイスショーのプロデュースをはじめSNSなどでも表現者として積極的に活動している実績なども評価された。

「PR(Public Relations)」は日本では「自己PR」などと使われるように言葉としては浸透しているが、パブリックリレーションズの本来の意味である「社会との関係構築」といった意味合いがあまり知られていない現状がある。

羽生氏は今回の受賞でパブリックリレーションズとは何かを改めて知り、自らのこれまでの活動はPRの本質に近いものであったのではないか、といった趣旨のコメントをしている。コメントは以下のとおり。

「今回の受賞であらためてPRの意味を知りました。PRとは、パブリックリレーションズの略語で、その意味は、自分のことを一方的にアピールするのではなく、周りの声や意見をきちんと聞いたうえで、自分の考えを説明し、話し合ったことをしっかりと行動で示すことだと。

そして、それを続けることで、自分と周囲の人々、その先の社会や世界と理解しあい、良い関係を築くことだということが分かりました。

これまでの自分を振り返ってみると、競技会やショーなどで、自分の思いを表現してきましたが、いつも、コーチ、そして、応援していただいた方々とコミュニケーションを取りながら、毎回、より高みを目指して表現してきたと思います。今回、表彰していただき、これまでの自分の行ってきたことも、PRの活動の一つではないかと実感することができました。

これからはプロスケート選手として活動、表現をしていきたいと考えています。今まで以上に、自分を支えていただく方々とコミュニケーション等をしっかりとり、お互いを理解し、それぞれの思いや考えを取り入れ、一つのものを作り上げていきたいと思います。これからも応援、よろしくお願いします。」

一方、長年にわたり企業や市井で独創的な広報・PR活動を実践し、広く社会や地域あるいは団体の発展に寄与した個人または組織をたたえる「シチズン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたのは、子どもたちの居場所づくりや体験活動の支援に取り組む「全国てらこやネットワーク」だ。

精神科医の森下一氏が2003年、鎌倉で「鎌倉てらこや」をスタート。2009年からは「全国てらこやネットワーク」を設立し、全国にそのノウハウや設立の理念を広め、地域のコミュニティづくりに寄与した点が評価された。

鎌倉という一地域だけの活動として終わらせるのではなく、ここで得たノウハウや設立理念を全国に広め、世代や立場を超えた地域のコミュニティづくりを目指した点が評価ポイントとなった。


 

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