企業経営に寄与する指標を提案 注目するは「視聴者の購買力」
CCCMKホールディングスでは、全国約7000万人のT会員属性データと、年間35億件超におよぶ購買データを融合させた大規模なシングルソースデータをもとに、企業の課題発見、店頭プロモーション・サンプリングといった体験の提供や、会員向けメディアを活用した行動の喚起、これら施策の購買検証までを一気通貫で振り返る効果測定など、マーケティング活動全般をワンストップで支援。特に販売に対する効果が可視化しづらかった、テレビCMのプランニングの精緻化に寄与するデータの提供により期待を集めてきた。
同社が提供するBIソリューションのひとつが、全国32エリアの地上波と独立放送局、BS、CSの視聴データ(録画含む)にターゲットセグメンテーションを掛け合わせ、「リーチ率」「含有率」「購買指標(ひとり当たりの購買金額・回数ボリューム)」の3指標で効果的なテレビCM出稿枠を色分けによって可視化する「MKW Target Heatmap」だ。
現在、同社では、この「MKWTarget Heatmap」において、「リーチ力」に、多数の購買データを持つ同社ならではの指標、「ひとり当たりの購買金額(視聴者の購買力)」を掛け合わせた「購買影響力」に注目しているという。
「今も昔も、他メディアと比較してのテレビCMの圧倒的な強みは、瞬間的にマスにリーチする力です。しかし、テレビCMが発揮できる役割はリーチだけではありません。その時の施策がファネルのどこに働きかけることを目的にしているのか、を踏まえた効果検証が必要です」と、同社メディアソリューションDivision でGeneral Managerを務める橋本直久氏は話す。
「興味喚起」や「購買」など、それぞれのフェーズに応じた価値をテレビCMは提供しており、そのために適切な指標を提供するのが同社のミッション。その点で、「購買影響力」は、広告主企業にとって売上に直結する非常に重要な指標となる。「例えば【図1】のようにA局とB局があった場合、リーチ力だけで見ると高いのはA局ですが、A局よりB局の方が、視聴者ひとり当たりの購買力が高いので、掛け合わせた結果、実際の購買影響力はB局の方が高い、という考え方になります。大げさに言うと、リーチした人数はひとりであっても、その人が1億円分購入してくれれば売上は立つということです」(橋本氏)。
つまり、購入するCM枠を検討する際、単にリーチが多い枠を選ぶのではなく、「リーチ力」と「ひとり当たりの購買金額」の両者を掛け合わせ、どちらの「購買影響力」が大きいかを見た上で選択した方が、売上に貢献できるという考えだ。
とある商品のデータを表した【図2】の場合、リーチ率だけ見ると5局の中でA局が一番高い結果が見られるが、ひとり当たりの購買金額で評価した場合、C局の方が購買額は高いという結果になる。このように、見る指標によって選択する局やCM枠は実際に異なってくるのである。
広告主やテレビ局とも協働し 新たなテレビの価値を広める
「デジタル広告のリーチ規模はテレビに比べれば小さいため、テレビのリーチ力に『ひとり当たりの購買金額』という考え方を組み合わせることができれば、テレビの新たな強みになると思います」と橋本氏は話す。
しかし、広告主企業の中では、従来のリーチの大きさを担当者の評価指標としているケースも多く、「購買影響力」を重視した枠の購入に踏み切ることに躊躇する場合も少なくないという。橋本氏は、この「購買影響力」による枠の購入に対する考え方を浸透させることで、真に経営軸で考えた選択を広告主が行えるような世界を実現したいと話す。
また、この考え方はテレビ局にも新たな価値をもたらし得るという。
「テレビの視聴ボリュームが減っている現在、平均的に各CM枠のリーチ数は減少を続けています。OTTが台頭する今、『リーチ力×ひとり当たりの購買金額』という新しいテレビの価値を発信することは、テレビ局のビジネスにとっても重要なこと。協働して発信していければと思います」。
2023年、CCCMKホールディングスでは、この「購買影響力」をはじめとした、企業のビジネスに直接的に影響を与える新しいテレビメディアの評価指標の提案を注力的に推進していく。
「これらの新しい評価指標を世の中に広め、先ほど話したように、例えば企業内の個人の評価指標を変えるまでに浸透させるには、私たちだけでは難しいことも多いです。賛同してくださる広告主企業や広告会社と共に、マーケティングに寄与する指標をつくっていければと思います」と橋本氏は展望を語った。
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