サイバーエージェントが発表した国内の動画広告市場規模で、2022年は前年比33.2%増の5601億円だった。25年には1兆円の大台に乗る見込みだという。
構成比で8割以上を占める「スマートフォン」向けは同比32.7%増の4621億円、インターネットにつながった「コネクテッドテレビ」向けは200億円近く伸ばし、540億円となった。
経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、2022年のインターネット広告売上高は1兆4420億円(12月分は速報値)。単純比較すると、4割近くを動画広告が占める計算になる。ネット広告売上高の伸長率は、21年比5.1%増で、動画広告の伸びはネット広告全体を大きく上回っており、そのほかの広告手法からのシフトが進んでいるようだ。
若年層を中心にショート動画の視聴時間が増加していたり、コネクテッドテレビのコンテンツ視聴も増えていることなどが追い風になっている模様。
スマートフォンユーザーの増加も背景にある。総務省の通信利用動向調査では、直近2021年のスマートフォンの所有率は前年から5ポイント上昇し、74.3%だった。総世帯だと22年3月時点で88.6%。
15歳〜74歳の人口推計(8月1日確定値)は9221万人で、人口の減少ペースよりも保有者の増加割合のほうが大きい。仮にテレビと同程度に普及するとすれば9割強。天井に到達すれば人口減少の影響が表面化する。