崎陽軒代表取締役社長の野並晃氏が考える「3つの経営理念」を紹介します。
崎陽軒
代表取締役社長
野並晃氏
本記事は販促会議2023年3月号からの転載記事です。
「宣伝会議デジタルマガジン」にご登録いただくと全文がご覧いただけます。
真に優れたローカルブランドをめざす
──まず「崎陽軒」についてご紹介いただけますか。
崎陽軒は1908年に横浜駅で創業しました。1915年より駅弁の販売を開始しましたが、当時の横浜は、開港から歴史が浅い街だったため、名物と呼べるようなものがありませんでした。そこで「ないなら、つくってしまおう」と考え、南京町(中華街)で付きだしとして出されていた焼売に着目。これは名物になると考え、列車内で食べるため「冷めてもおいしい」ことにこだわりながら試行錯誤を重ねた結果、1928年に豚肉と干帆立貝柱を合わせることで冷めてもおいしい「シウマイ」を開発。
揺れる列車内でも食べやすいよう一口サイズにして発売しました。戦後の1950年、シウマイ娘と呼ばれる赤い服を着た販売員を登場させたことにより人気に火がつき、1954年にシウマイをメインとした幕の内風弁当の「シウマイ弁当」を発売。それが横浜名物となり、崎陽軒は、多くのファンを持つブランドへと成長することができました。
こうした背景から、崎陽軒は横浜や神奈川のお客さまが「地域のブランド」と感じていただける取り組みかどうかという視点を大切にし、事業を進めてきました。
──企業理念にも『真に優れたローカルブランドをめざす』とありますね。
崎陽軒では『ナショナルブランドをめざさず、真に優れたローカルブランドをめざす』『常に挑戦し名物名所を創りつづける』『食をとおして心も満たす』と3つの経営理念を掲げています。お陰様でシウマイ弁当は全国的な知名度を得ることができましたが、全国に崎陽軒の店舗を増やすことなどは考えていません。しかし、挑戦をしない、というわけではなく、経営理念のもと、これからも常に新しいことへチャレンジしていきます。
日本青年会議所で会頭を務めた際、47都道府県を回ったことがありました。その中で、日本の魅力はそれぞれの土地で独自の地域性があることだと改めて気付かされました。地域性を活かすからこそ、ブランドとしての…
本記事の続きは「宣伝会議デジタルマガジン」にご登録いただくとご覧いただけます。
▼バックナンバーもいつでもご覧いただけます▼
・経営再建を果たした赤ちゃん本舗・味志社長が考える、専門店の価値(2023年2月号)
・アシックス・スポーツコンプレックス 示村社長の仕事への「One More」(2023年1月号)
・グッデイ 柳瀬社長が実践する現場力「小売業こそデータの宝庫」(2022年12月号)