靴小売業を展開するエービーシー・マートは3月9日、販売を手掛けるシューズブランド「アンダーアーマー」の新WebCM『走りたくなる春がきた。』を公開した。
本CMは、同社が展開する小売店ABCマートで販売されているアンダーアーマーの靴によって、あらゆる学生のスポーツ・青春が充実することを伝えるもの。
ファッション文脈ではなく、部活道という切り口でアンダーアーマーの魅力を訴求している。
ABCマートとアンダーアーマーが、学生×部活動という文脈での広告コミュニケーションを開始したのは2021年。
これまでもWebCMをはじめとしたデジタル広告と店頭プロモーションを連動させ、ABCマートにおけるアンダーアーマーブランドの売上伸長に寄与してきた。
Web動画広告は、マーケティング活動の中でも認知獲得を目的に活用されることも多い。
では、これまでのABCマート×アンダーアーマーのコミュニケーション施策のように、実際の成果に結びつけるためには何が必要なのか。
ABCマート、アンダーアーマー両社の担当者は、過去4回の広告コミュニケーションの経験を経て、「商品」と「ターゲットからの共感」の2つをバランス良く伝えることが大事だと気づいたという。
商品である靴を主役にすること。そして、リアルな高校生の共感が得られるストーリーを描くこと。その両立ができると、成果につながる実感が強いという両担当者。
そこは変えずに続ける一方、部活の種類やシチュエーションに関しては、毎回新しく変えることに挑戦している。
それによって得たフィードバックを次のオリエンに生かし、PDCAサイクルを回転。
また、店頭でも同じビジュアルを展開し、キャンペーンに一貫性を出すこともポイントだという。
5回目となる今回のオリエンでは、これまで続けてきたコロナ禍のリアルな高校生に寄り添う「会話もの」ではなく、開放感のあるMVのアプローチに挑戦することをクリエイターに伝えた。コロナも落ち着いてきた今春という時代感を捉えての相談だったという。
一方、クリエイターはこのオリエンを聞いて何を意識したのか。
本クリエイティブを第1回から担当する電通の岩田泰河氏は、シリーズで一貫してきた「青春」というテーマをより大きく捉え、さらに進化させることに力を注いだという。
「『青春ってこういうもの』という共感を得るのではなく、コロナも終息に向かいつつある『開放感』と、学生生活の新しい『はじまり』を感じさせ、最大化させることで、多くの学生たちの気分を高めて、元気づけられるのではないかと考えました。コピーも、あえて「青春」というフレーズを外し、『走りたくなる春がきた。』としています。キャンペーンが始まった2021年から、制約のあるなかでスポーツを楽しんできた部活生たち。ようやく全力でスポーツと向き合う環境が整い、感情を爆発させる時がきたと思いました」(岩田氏)。
スポーツ用の靴は、商品の特性上、男性の売上が高くなるため、男子高校生だけをターゲットにしたコミュニケーションになりがちだと岩田氏。
しかし、このキャンペーンでは女子生徒が着用するシーンを描いている。
「実際の売上でも女性の割合が増えています。ジェンダーの観点でも『今っぽい』市場を意識した表現ができていることが、若い世代の共感を得て、成果にもつながっていると考えています」(岩田氏)。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通+AOI Pro+J.C.SPARK
- CD
- 渡邊哲也、岩田泰河
- C+企画
- 吉尾眞香、岩田奎
- AD
- 藪本晶子
- D
- 藤井亮、山本優衣
- CPR
- 松本俊輔
- PR
- 中村拓人、三須大輔、中田有香
- PM
- 塩谷実来
- 演出
- 伊勢田世山
- 撮影
- 林大智
- 撮影(GR)
- 白幡敦弘
- 照明
- 原澤遥哉
- 美術
- 中込初音
- CG
- 白垣絵夢
- 編集
- 磯部今日平(オフライン)、中村祥一(オンライン)
- カラリスト
- 足立悠介
- 音楽
- 丸橋光太郎
- ミキサー
- 秋山翔太
- ST
- 藤原わこ
- HM
- SHIHO
- CAS
- 前田莉奈
- AE
- 富田仁明
- 出演
- 葉山さら