クックパッドは3月10日、一部事業の廃止にともなって実施していた希望退職者募集に対し、46人が応募があったと発表した。23年1〜3月期に特別退職金などで1億3000万円の営業損失を計上する。
希望退職者募集は、レシピサービス内の広告枠の販売やレシピコンテストのタイアップなど広告事業の一部や、料理トレーニングアプリ「たべドリ」やネットモールの「Komerco(コメルコ)」などの事業閉鎖によるもの。対象者はエンジニアやデザイナーを除く従業員で、40名を予定していた。
2022年1〜12月期のクックパッドの広告事業売上高は、前期比25.9%減の15億4200万円で、そのうち、廃止する事業の割合は約7割の10億5600万円。クックパッドは「原材料価格の高騰が小売価格に反映され、食品や飲料メーカーの出稿意欲が低下したほか、広告メディアの多様化が下落の原因」としている。
子会社のクックパッドTVは、店頭向け広告配信事業を22年7月1日付で分割し、社名を「クックパッドライブ」に変更した。同事業は三菱商事グループ傘下の「リテイルメディア株式会社」が継承した。クックパッドTVは三菱商事から40億円の出資を受けていた、広告配信事業を対価として、現在はクックパッドの完全子会社となっている。
国外でのレシピサービス事業も縮小する。4月6日を期限に、80人の希望退職者を募っている。22年12月末時点で73カ国、31言語に対応している。国外向けのサービス運営に携わっているのは約130人。特別退職金で国内分に追加して営業損失を計上する。