【前回コラム】「解散」という事実がみんなをひとつにしてくれた(BiSH)【第3回】
今回の登場人物紹介
※本記事は2023年1月29日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。
俳優 蒔田彩珠が登場!
澤本:はい、皆さんこんばんは。CMプランナーの澤本です。
権八:はい、CMプランナーの権八です。
中村:はい、こんばんは。Web野郎こと中村洋基です。皆さん、近況はいかがでしょうか?
澤本:おかげさまで、サントリーの成人の日のCM、青木柚先生に出ていただいたのが公開されまして……。
権八:ねえ~、柚くんのあの感じはいいですよね!あと、お母さん役の西田尚美さん。
澤本:もう、西田さんと青木くんのおかげだわ、あれは。
権八:ねえ。「大人じゃん」ていうね。チャーミングなコピーで。
澤本:おかげさまで。たまに「CMをやってます」って話をしないと。
中村:まだ見ていない方がいたら「サントリー 成人の日」で検索すれば、まだ出てきますよね?
澤本:まだ見られると思います。
中村:めちゃくちゃいいCMなので、ぜひご覧ください。
権八:お母さんの視点と、息子の視点が両方あるのよね。「両A面」みたいな感じがいいですよね。
中村:というわけで。今夜も素敵なゲストにお越しいただいております。俳優の蒔田彩珠(あじゅ)さんです! よろしくお願いします。
蒔田:よろしくお願いします。蒔田彩珠です!
中村:え~、蒔田さんは番組初登場で、「初めまして」かと思いきや、澤本、権八の両氏は、もしかしてお仕事でご一緒されていますか?
澤本:はい。ぼくはソフトバンクの5年ぐらい前のCMで。志尊淳くんとサーティワンアイスクリームを食べる役をやってもらったことがありますね。
蒔田:やりました(笑)。サーティワンがもらえる期間のCMでしたね。
権八:じゃあ、その頃から知っているんですね?
澤本:蒔田さんの存在を知っているのは、いつからかっていう話?
権八:さすがは最高学府! 言葉には厳密(笑)。
澤本:あはははは!
権八:もっと長いよね。
澤本:これはまず、自己紹介が先かな。
中村:そうですね。リスナーにとっておそらくおなじみなのは、映画『万引き家族』(是枝裕和監督)。あとは、なんといっても、連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK)ですね。「あー、この子か!」と、日本中みんなが知っている子なんじゃないかと思いますけども。経歴がすごすぎるので、早速、自己紹介にいかせていただきたいな、と思います。
蒔田:はい。
中村:一応、毎回ゲストの方に自己紹介をお願いしておりまして。この「すぐおわ」は、広告の番組ということで、ご自身の自己紹介をラジオCMの秒数 20秒に合わせてやってください、という無茶振りコーナーがあります。
蒔田:うう~!(笑)。
中村:あの、よろしかったらしゃべり散らしていただけますと……。
蒔田:はい、がんばります! 20秒か……。
中村:では、どうぞ!
カーン♫
蒔田:はい。蒔田彩珠です。二十歳です。え~、4歳の頃から活動していて、今年で17年目になります。今年もまだ公開されていない作品や、今年撮影が始まるものがあるので、みなさん、わたしの進化を楽しみにしていてください。今日はよろしくお願いします。
カンカンカーン♫
澤本:スゴい、入りきった!
蒔田:あははは!
中村:4歳から? そうですよね、めちゃくちゃたくさんの作品に出られていますもんね……。
蒔田:はい。
澤本:4歳で何をしたんですか?
蒔田:最初は、読者モデルみたいな感じで始まって。でも、大人がすごく苦手な子どもだったんですよ。それで、オーディションとかに行ってもガチガチに緊張しちゃって……。
中村:オーディションって大人に囲まれているでしょう?
蒔田:そうですね。だからそれを克服するために、大学生の自主制作の作品に参加するようになって、という感じですね。
澤本:ご家族が元々そういったものが好きだったんですか?
蒔田:いえ、それは母が、自分の子どもがかわいいと言われる喜びから始まりました。
澤本:あはははは!
中村:ああ~! もう日本一かわいいから、こんなにかわいいんじゃ、芸能界いけるっしょ?と。
蒔田:あ、そうですね。それが始まりでしたね(笑)。
中村:スゴい。そしたらホントにいけたと。
蒔田:はい(笑)。
権八:すごい素直ですね!
一同:あはははは!
権八:ご本人もお母さんも、なんかイイね!なんか、正直で素敵だな。
中村:世界中の親御さんが同じことを思っていると思うんですけど……。「ウチの子が一番可愛い」って(笑)。
蒔田:そうですね(笑)。
中村:そもそも、「彩珠(あじゅ)」ちゃんというお名前は、本名なんですか?
権八:たしかに!
蒔田:本名です。
中村:これはなかなか、思い切った名前だなと思いますけど。
権八:珍しいよね。
中村:カッコいいですよね。
蒔田:そうですね。「梓川」という川があって、母がその川を好きだったことと、母の名前に真珠の「真」という漢字が入っていたので、彩珠の「珠」で「真珠」っていう。ここも母ですね(笑)。
中村:じゃあ、結構芸能界入りもお母さまの意向というか。
蒔田:本格的に「やりたい」と思ったのは、兄が先に活動を始めていて、テレビに出ているのを見て「あ、テレビに出れるんだ!」って思ったのが最初の「やりたい第一波」です。
権八:第一波?最強寒波みたいな(笑)。
澤本:お兄さんがもう出ていらっしゃったんですね?
蒔田:そうです。今はもうやっていないんですけど。先に兄がやっていて、という。
澤本:じゃあ、自宅でテレビを見て「あ、お兄ちゃんが出てる!」と?
蒔田:そうです、そうです。「わたしもやりたい、出たい!」と。
権八:へえ~。すごいね。お兄ちゃんも、ちょっと変わった名前なんですか?
蒔田:いや、「いぶき」っていうんですけど。
権八:あ~、でも、まあね。
澤本:変わってはいないでしょ? お兄ちゃんの名前、変わってないから(笑)。
権八:あ、変わってないですか? ごめんごめん!(笑)。彩珠ちゃんって、僕は初めてお会いした名前です。
蒔田:そうですよね。
権八:「彩珠」っていう響きもカッコいいんですけど、どこかにそういう言葉があるんですか?
蒔田:韓国語で「アジュ」は、「すごい」っていう意味じゃなかったでしたっけ?
権八:へえ~! 素敵。
澤本:じゃあ、韓国で呼ぶと「すごい、すごい」って言われるんですね。
蒔田:そうですね(笑)。
是枝監督は、もはや「お父さん」!?
中村:そんな蒔田彩珠ちゃんは、現在Netflixで配信中の『舞妓さんちのまかないさん』(是枝裕和監督)に出演中です。京都の花街が舞台だと?
蒔田:はい。
中村:これは、どんなお話のどんな役柄なんですか?
蒔田:作品自体は、舞妓になりたくて京都にやってきた女の子二人のお話で。でも、私は唯一、原作にはいない役なんです。是枝監督が書いてくださった「舞妓ではない役」でした。
澤本:役として舞妓さんの二人が出てきて。片方が舞妓不適格みたいな話だったり。あ、僕は見ているんですけどね(笑)。
蒔田:ありがとうございます。
澤本:その時に、その二人に対して蒔田さんの役が「そんなの、ずっと続けてもダメなものはダメです」みたいなことをね?
蒔田:結構、キツめの女の子の役ですね。
澤本:でも、冷静に言うのね。ふつうは見ていると、「え、何この子?」って(笑)。
蒔田:思いますよね?(笑)。私も完成したのを見て「キツイ子だなぁ~」って思いました。
澤本:でも、あの役は原作にはなかったんですか。原作は漫画だもんね?
蒔田:そうですね。あれは原作にはなくて。監督がちょっとスパイスになるような役を書いてくれました。
澤本:これね、本当に舞妓さんのお話を、祇園のものすごい細い路地とかをキチンと撮れているのよ。お家の中とかもちゃんと撮れているから。こういうのは、なかなかないんですよね。
中村:めちゃくちゃレアっていうか、ふつうは撮れないんですもんね。
澤本:そうそう、リアリティがむちゃくちゃあって。
蒔田:セット自体も京都に建てていて。東京でやればいいことを、ちゃんと京都でやっているので。気持ちから「京都に住んでいる感じ」をつくらせてくれる感じですね。
澤本:だって、結構長く撮っていましたよね?
蒔田:そうですね。でも、私は3カ月とかだったので。みんなは5カ月近くやっていたと思います。
澤本:その間はみんな、ずーっと京都にいたんですか?
蒔田:そうですね。私は行ったり来たりしていましたけど。たぶん、森七菜ちゃんと出口夏希ちゃんはずーっと行きっぱなしでやっていましたね。
澤本:京都弁をしゃべっているじゃないですか?あれは簡単に習得できました?
蒔田:いや~、なんだろう……。関西弁は意外とできるんですけどね。私は舞妓ではないので意外とやりやすかったんですけど、他の人たちは舞妓さん特有のはんなりした言葉だったので、すごく大変そうでしたね。
澤本:そのあたりのリアリティは、是枝さんだからね。むちゃくちゃリアリティがあって。
蒔田:そうですね。
中村:彩珠ちゃんは結構、是枝監督の現場が多いんですよね?
蒔田:そうですね、多いですね。
中村:じゃあ、めちゃくちゃ相性がいい?
蒔田:そうですね。「くまさん」みたいな感じですね(笑)。
権八:僕が最初に彩珠ちゃんを認識したのは、ドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(2012年フジテレビ系で放映。是枝裕和脚本)だったのね、阿部寛さん主演の。で、すごく新しい才能が是枝さんによって見つかったのかなっていう。それから割とコンスタントに……。あれが最初ですか?
蒔田:そうです。『ゴーイング マイ ホーム』が一番最初です。
権八:だからもう、相性が良いっていうか。是枝さんは彩珠ちゃんのこと、大好きなんじゃない?
蒔田:大好きですね、きっと(笑)。
権八:大好きだと思う、娘のようにさ。だって、相当出ているよね?
蒔田:そうですね。この間ちょうど『舞妓さん』の舞台挨拶の時にその話になって。たぶん、映画とかCMとか、ミュージックビデオの撮影とかを合わせると8作品ぐらい出てますね。
権八:へえ~! どんな感じ? って聞いたら「くまさんみたい」って言ってたけど……(笑)。芝居以外の話もしたりするの?
蒔田:あ〜、芝居以外の話のほうが多いですね。ふつうのプライベートの話をするほうが多いですね。
権八:「お父さん」じゃん! それじゃあ(笑)。
蒔田:お父さん、ですね(笑)。
「その時の気持ち」に合わせたお芝居がしたい
権八:そうなると、演技指導っていうのも無い感じですか、もはや?
蒔田:う〜ん、あんまり無いですね。やっぱり『舞妓さん』での役に関しては、当て書きをしてくださっていたので、あんまり「難しい」っていうのはなくて。その時は演技指導はなかったですね。
権八:すごいね。
澤本:是枝さんって、当日に台本を足したりするんでしょ?
蒔田:映画『三度目の殺人』(2017年公開。是枝裕和監督)の時に、初めて台本を渡してもらいました。それまでは台本すらもらっていなくて。この作品がどんな作品かも知らずに現場に行って、その場で台詞を教えてもらって、話す、という感じでしたね。
中村:へえ~! それは監督のスタイルなんですかね?
蒔田:そうですね。「子役には台本を渡さない」っていうスタイルでしたね。
澤本:じゃあ、『三度目の殺人』の時に、子役から脱出したってことなの?
蒔田:そうですね、感動しましたね。「彩珠、今回は台本いる?」みたいに言ってくれて。「あ、じゃあ……」って(笑)。
権八:あははは、面白いねえ。何で台本を渡さないんでしょうね? 是枝さんは子役に余計なことを考えさせたくないのかな?
蒔田:「覚えてきた台詞」を言うんじゃなくて、その場で相手に言われた言葉を受け取って、新鮮な気持ちで出てくる言葉にしてほしい、っていうのは言われたことがあります。
権八:なるほど~!
中村:でも、ご本人からすると、何の準備もできないからたまったもんじゃないんじゃない? そんなことはない?
蒔田:最初の連続ドラマが『ゴーイング マイ ホーム』だったので。それが普通だと思っていたので、逆にその後が大変でした。「あー、覚えていかなきゃいけないのか……」っていうのが。
権八:他の監督もそうだしね。なるほど~、まあ、そうだよね。ラクにはラクだよね(笑)。
蒔田:そうでしたね(笑)。
中村:演技をする時の、蒔田さんならではのコツとか、「私はこうやっている」みたいなポイントってあったりするんですか?
蒔田:「相手の台詞に気持ちが動くから、自分の台詞が出る」というのは、今でもすごく大事にしてますね。めちゃくちゃ(役を)つくり込んで来る人もいますけど、私はその時の相手のテンションとか、気持ちに合わせたお芝居をしたいな、と思ってますね。
中村:時間をかけて、頑張ってその人になりきる、というよりは、半分彩珠ちゃんのままなんだけど、その人でもある、という「ナマ感」みたいなことなんですかね?
蒔田:そうですね。「その時の気分」でやりたいな、ということは思っていますね。
中村:じゃあ、今は台本をもらっても、あんまり読み込み過ぎないようにしよう、とか。
蒔田:もう、ただ覚えるだけですね。
権八:へえ~!すごい。相手がいない芝居……。は、あんまりないか。
蒔田:あんまりないですね。でも、そういう時は逆にやりにくいですね。一人で気持ちが動いて、みたいなシーンは難しいですね。
権八:そうですね、なるほど……。合気道じゃないけど、相手の何かに乗っかって、と。でも、その方がたしかに自然というか。
蒔田:はい。新鮮な気持ちでできますね。