スパイクスアジアの若手コンペ 博報堂の津島&中西チームがデジタル部門ゴールド

アジア太平洋地域の広告アワード「スパイクスアジア」における若手クリエイターのコンペ「ヤングスパイクス」の結果が3月7日、発表された。日本からはデジタル部門で津島英征氏(博報堂 ビジネスプラナー)と中西亮介氏(博報堂 コピーライター)のチームがゴールドを受賞した。

博報堂の津島&中西チームが提案した「Tinder Green」。詳細は本記事の後半にて。

ヤングスパイクスは、1992年6月23日以降生まれのクリエイターがエントリー対象となる若手向けのコンペティション。14カ国から、計53チーム107人が参加した。

日本からは国内選考を経て、4部門8チームがオンラインで参加。各部門で上位3チームがゴールド・シルバー・ブロンズとして表彰されるが、津島&中西チームは日本から唯一のゴールド受賞となった。

今回、日本から入賞したのは同チームを含め計4チーム。インテグレーテッド部門ではTBWA\HAKUHODOの永田優太朗氏と小野ひかり氏のチームがシルバー、メディア部門で博報堂の荻原海里氏と中島優人氏のチームがシルバー、PR部門で博報堂の田丸浩太郎氏と宮坂和里氏のチームがブロンズを受賞した。

TBWA\HAKUHODOの永田&小野チームが提案した「SAVE YOUR LOOK-A-LIKE」。

博報堂の荻原&中島チームが提案した「Funbrella」。

博報堂の田丸&宮坂チームが提案した「Blue Friday」。

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なお、デジタル部門でのゴールド獲得は2022年に続き、2年連続となる。

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環境意識の高い若者が出会える「Tinder Green」

津島&中西チームが取り組んだのは、環境意識が高いにもかかわらず具体的なアクションを起こさないシンガポールの若者に、いかに環境活動を促すか、という課題。クライアントは、環境保護に取り組む国際的なNPO「Concervation International」。

複数のデジタルプラットフォームを駆使し、かつ10名の環境活動家の若者とともに盛り上がれる企画であることが条件とされた。

2人が提案したのは「Tinder Green」。人気のデートアプリ「Tinder」の利用プラン「Gold」「Platinum」に、環境に対する意識が高い若者同士で出会える新プラン「Green」を加えるというアイデアだ。

ユーザーは「環境保護活動に興味がある」という署名をすれば無料で登録することができ、「マッチ」したふたりのメッセージ画面には、環境に配慮したディナーデートや植樹イベントなど、デートにおすすめの気軽な環境保護活動がレコメンドされる。共通の興味で知り合った2人が、デートを通じて環境活動に少しずつコミットしていくという仕組みになっている。

10名の環境活動家はSNSで、普段のお堅い発信のさなか、突然Tinderに登録したことを発表。デートしている姿を発信し始める。普段と違う姿が話題を呼びつつ、環境に配慮したスタイルのデートの楽しみ方やテクニックが広まっていく、という流れだ。

“まじめそうな人と会えない”というマッチングアプリの課題を解決しつつ、高尚な環境問題への取り組みを、デートの口実にもなる楽しい活動にしていく仕組み。また、クライアントのもとに集まった署名は「持続可能な」若者の愛と未来を象徴する、政府や国際社会にインパクトのあるものになる、という流れ。いずれも「プラットフォーム、若者、クライアントのベネフィットをいずれも捉えている」という点が評価された。

両名のプロフィールは以下の通り。

津島英征(つしま・ひでゆき)
博報堂 ビジネスプラナー

1994年東京都生まれ。2020年博報堂入社。プライベートで都市研究、アーティストコミュニティ立ち上げ支援、スタートアップ支援など。受賞歴:2022年ヤングスパイクス デジタル部門日本代表 / 本戦GOLD / メトロアドクリエイティブアワード。

中西亮介(なかにし・りょうすけ)
博報堂 コピーライター/アクティベーションプラナー

1994年愛知県生まれ。2020年博報堂入社。マス広告や統合プラニングから商品・サービス開発まで幅広く携わる。 受賞歴:2022年ヤングスパイクス デジタル部門日本代表 / 本戦GOLD / メトロアドクリエイティブアワード。


 

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