「ネガティブ・オプション」は、購入者が明示的に拒否しないかぎり、支払いに同意したとみなすもの。消費者が利用を続けることを望む場合は手続きのわずらわしさを省けるが、利用者の意に反して課金し続けられるデメリットもある。解約しづらくすることで、購入しない意思がないとみなして課金を続けさせられる、ということだ。
調査会社C+Rリサーチの2022年の調査では、平均42%の消費者が、使用していないにもかかわらず、毎月支払いをしていたことを忘れていたという。若年層ほどその傾向が高く、Z世代では55%と半数を超えた。ミレニアル世代では48%だった。自身の支払額の想定と実際の額の差は133ドルに及んだ。
サブスクリプション(定期購入)サービスに毎月利用料を支払っていることを忘れてしまう人の割合
日本では、「ネガティブ・オプション」の類型である「送りつけ商法」(商品を一方的に送りつけ、返送や購入拒否の通知がなければ購入意思があるとみなす行為)は、特定商取引法第59条で売買契約として認めないことが定められている。また、電気通信サービスでは、「電気通信事業法の消費者保護ルール」で、遅滞なく解約できるようにする措置を講じないことが禁じられている。