森永乳業は、3月20日にオリジナル短編アニメーション作品「667 通のラブレター」を 3 月 20 日から特設サイト、および公式 Twitter で公開し、また作品に連動したポスターやサイネージを渋谷駅構内で 3 月26 日まで展開している。
このアニメーションは、一度終売となった「リプトン ミルクティー」復活記念として制作されたもの。「リプトン ミルクティー」は少子化、コロナの影響もあり年々売上が減少していた。森永乳業はブランドの再起をかけ、調査分析を経て、2022年3月に「リプトン ロイヤルミルクティー」へと商品をリニューアル。そして新商品の発売とともに、これまでの「リプトン ミルクティー」を終売したのである。すると、「元々のリプトン ミルクティーファン」から熱烈な声が問合せ窓口に寄せられ、その数は半年間で667件と森永乳業史上最多となった。
「森永乳業史上最多の“半年で667件のお問合せ”を受けて、もとの味への復活を決定したリプトン ミルクティー。復活プロモーションでは、一度も飲んだことがない人にもその熱が客観的にわかるようにすることを目標としました」(クリエイティブディレクター 尾上永晃氏)
そこで、ファンの熱い声を青春アニメ風に表現するという案をもとに、「お問合せはラブレターだ」と定義。愛をテーマに全体の企画を組み立て、「リプトン ミルクティー」の復活記念のアニメーションを制作したのである。
制作にあたり、クリエイティブチームが着目したのは、リニューアルに際しての「実際に届いたお問合せの文言」だ。
「ミルクティーが無くなり、生きる希望がなくなってしまいました。毎日眠れません。」
「死ぬ時も棺桶にミルクティーを入れてほしい」
「己の血はリプトンでできていると言っても過言ではない」 ……
「もとの味に戻してほしいことを懇願するファンの皆さまの実際のドラマチックな言葉を、ラブレターに見立てて“アニメ”として公開することを企画しました。他にも、アニメとしての公開に際して、お問合せをくださったお客さま向けの先行試写会やそれぞれのお手紙への返信もクライアントとチームと共に行いました。また、帰ってきた喜びを分かち合うための #リプトンミルクティーおかえり といったハッシュタグも設定して、喜びが広がるようにしました」(プランナー・コピーライター 徳光一蕗氏)
物語の舞台は、とある高校。もうすぐ高校最後の年を迎えようとしている高校生トーマと唯が主人公だ。ある日、学校に行くと、「すべてが消えてしまった」。「ぼくの世界から君が消えた」。「わたしの世界から君が消えた」。二人はお互いの痕跡を探りながら、手紙を送り続けることにした。宛先は、いつも「消えた君」へ。そこから 667 通にも及ぶラブレターの軌跡が始まる。
実はこのラブレターこそ、「リプトン ミルクティー」ファンからお問合せに寄せられた声なのだ。
「667通のお問合せを読んでいて思いました。これは不満の声ではなく、失ったものを取り返したい“愛”なのだと。『そこには、想像を超える愛があった。』のです。書いている私も、青春時代をリプトン ミルクティーと過ごした一人。この驚くべき愛の存在を、すべての人に伝えたい。すべての愛に応えたい。だからパッケージには、これだけの愛が届いたというメッセージを、アニメのあらすじのように掲載し、旧発売という驚きが、愛によって叶ったことを伝えました」(コピーライター 近藤雄介氏)
渋谷駅では、このアニメーションに関連したOOHも公開。こちらは一見、新作アニメーションの告知と見間違うクリエイティブになっている。そして、3月21日から「もとの味に戻った」リプトンミルクティーには、「667通のラブレター」に関連したパッケージを展開中だ。
「ムービー、OOHともに青春恋愛アニメのセオリーを全て詰め込みました。また、絵をよく見てみるとお客さまからのお問合せがたくさん隠されている、という仕掛けになっています。いかに違和感なくお問合せを入れ込むかを意識しました。Tシャツのデザイン、黒板、本のタイトルなど是非探してみてください。あと、新発売じゃなくてもとに戻るってことで旧発売という言葉を考えて、パッケージロゴのNEWのところに入れています」と、AD・プランナー 千葉菜々子氏。
特設サイトでは物語のストーリーや登場人物について紹介しているが、画像をスクロールしていくと、そこに「本当のストーリー」が現れる。そこでは、今回のアニメーションに隠されている数々の秘密が公開され、あらためて「リプトン ミルクティー」が発売になったことが告知されている。そのコピーは、「「リプトン ミルクティー、もとの味に戻って、旧発売」。
本作は公開から二日で100万再生を突破。1.8万RT、4.3万likeに。またテレビにも取り上げられ、ファンの喜びの声も増え続けている。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通+異次元TOKYO+エルロイ
- CD+コーラス
- 尾上永晃
- 企画+C+コーラス
- 徳光一蕗
- AD+企画+コーラス
- 千葉菜々子
- C
- 近藤雄介、お客様
- PRPL
- 松尾雄介、渡邉友理
- BP+コーラス
- 矢野耕平
- BP
- 岡村祥汰、山崎亮太郎
- ExPr+コーラス
- 久野サトシ
- MOVIE
- ディレクター
- 篠田利隆
- キャラクターデザイン+作画監督
- うなばら海里
- 画コンテ監修+制作進行+演出
- 竹内雅人
- 色彩設計+美術監督+美術
- 瀬田光穂
- 撮影監督+撮影
- 千葉秀樹
- エモーショナル監修
- 鴨田英樹、鴨田かもめ
- 原画
- 矢木沙織、日照田裕也、早野正樹、宮川由衣、テル、福島ゆえ、うなばら海里、尾東ノブヒコ
- 動画
- studio MOTHER、王雨婷、路川剛希、AHW-74、李若旄、室岡辰一、神龍
- 色指定+セル検査
- 瀬田光穂
- 2Dワークス
- 清水祥子
- 設定制作
- 瀬田光穂
- 制作協力
- 関口沙織、新田光平、森下尚勇輝、kiya、中村優作、別府洋一、はたなかたいち、山田恭大
- ラインプロデューサー
- 竹内雅人
- 本編集+コンポジッター
- 尾熊貴之 、中村昴太
- 編集(オフライン)
- 菊池優子、長池志文
- MA
- 高田淳之介、佐藤摩結子、北口海樹
- 撮影
- 吉田貴彦
- 音楽PR+作曲
- 利根川貴之
- 作曲
- 坂和也
- 編曲
- 坂和也 & Wicky, Recordings
- レコーディングエンジニア
- 松岡誠
- Pr
- 大久保″ゆーきっす″優樹、松岡良樹
- PM
- 奥崎友美、岡田萌
- グラフィック
- イラスト 原画+美術+色彩設計+特効
- 瀬田光穂
- イラスト 原画+作画監督
- うなばら海里、矢木沙織
- イラスト 仕上げ
- 伊藤里奈
- イラスト 制作
- 竹内雅人
- D
- 石見俊太郎
- レタッチ
- 中村要
- Web
- Web D
- 平元義夫
- エンジニア
- 森田敏之
- EVENT
- Pr
- 松下智樹
- ディレクター
- 福田大輔、洲濱久禎