オフィスとスタジオが一体化、人と人をむすぶ“秘密基地”に

クリエイティブカンパニー「むすび」が2022年10月、東京・北参道に同社のクリエイターが集まるオフィスを開設した。同じビル内には撮影スタジオを構え、足を運ぶクライアントやパートナーも多い。グラフィックデザインやWeb サイト制作、動画制作、レタッチ、キャスティングなど、一気通貫で担う体制を構築している。

むすび、コントラストのメンバー。後列右から2 人目が、むすび取締役社長/クリエイティブディレクター 大輪恭平さん。

多様な職種が集まる居心地良い空間に

クリエイティブカンパニーの「むすび」は2022 年10 月、新オフィスを東京・北参道に開設した。オフィスは約181 平米で、イメージしたのは社内外のクリエイターやパートナー、クライアントが自然と集まってくるような「秘密基地」。無機質な空間ではなく、ふらっと立ち寄りたくなる家のような居心地の良さとクリエイティビティを刺激する空間づくりにこだわった。

オフィスには広告写真の制作会社「コントラスト」のスタッフも入居し、現在はグラフィックデザイナーやWeb ディレクター、映像ディレクター、プランナー、プロダクションマネージャー、フォトグラファー、レタッチャーなど、多様な職種のスタッフ12 人が働く。

「スタッフは基本的に毎日出社しています。4 月からキャスティングプロデューサーも新たに加わり、グラフィック・Web・動画など専門分野の異なるクリエイターたちがそれぞれのクライアントと仕事をする中で新たな依頼が増えています」と話すのは、むすびの取締役社長であるクリエイティブディレクターの大輪恭平さん。

東京・北参道にあるむすびの新オフィス。3 階が撮影スタジオの「TOGU STUDIO」、4階が執務スペースとなっている。写真はプロジェクターを使っての試写なども可能なオープンスペース。

入口近くの棚には手掛けた作品が展示されている。訪れた人たちとの会話のきっかけに。

数名の打ち合わせに適したボックス席。

オフィスに入りすぐに目に飛び込んでくるのは、棚にディスプレイされた、これまで「むすび」が手がけてきたパッケージデザインやグラフィックデザインなどの作品群だ。「訪れた人たちに最近の仕事を見せながら、会話が生まれる動線としました」と大輪さん。執務エリアには作業デスクだけでなく、大型ソファや数名の打ち合わせに適したボックス席を設け、クッションや植物、小物を多めに配置することでゆったりとした雰囲気に。個性と機能性を兼ね備えた家具類は「CIBONE」などで揃えた。

中でも目を引くのが、各個室のサイン。レタッチルームには「OPE」、ミーティングルームには「ON AIR」のマークが光る。「撮影した写真を調整するのは、ある意味で手術なので『OPE』。クライアントと打ち合わせをすることが多いミーティングルームは、収録スタジオの本番直前のようなドキドキ感を感じてもらいたいと思い、『ON AIR』にしました。オフィスのつくりにこだわることで、“こんな面白い発想の会社なら仕事を任せてみたい”と思ってもらえるような空間を目指しています」(大輪さん)。

「ON AIR」のサインを掲げたミーティングルーム。

「OPE」のサインが目を引くレタッチルームも完備。3階で撮影し、そのまま4階で仕上げまで立ち会って確認することも。

 

撮影からレタッチまで即時に対応

オフィスの最大の特徴は、階下に「むすび」と「コントラスト」の2 社共同でオープンした撮影スタジオ「TOGU STUDIO」があること。約210 平米の空間はサブスタジオを含めて、最大で4 レーンの撮影を同時並行で進めることができる。人物撮影や物撮り、動画撮影などにも対応し、2022 年5月の先行オープン以来、クライアントの撮影案件が途切れることなく入りフル稼働している。ヘアメイクやスタイリストの意見を採り入れたメイクルームをはじめ、シズルカットや簡単な料理の撮影にも活用できるキッチンなども完備した。

イミュ「ハトムギ化粧水」リニューアル( 動画)/ダリヤ「モモリ」キービジュアル

同ビル内の3階にスタジオ、4階にオフィスと一体化した拠点を持つことで、企画制作におけるトライ&エラーがよりスムーズにできるようになった。たとえば3 階で撮影した写真を4 階に持ち込んですぐにレタッチし、その場でクライアントに確認してもらうなど、スピーディーな判断が可能に。アイデアを出し合いながら新たな撮影カットの追加などにも対応できるため、コスト面でのメリットも大きいという。

2022 年の開設以降、実際にスタジオとオフィスを訪れたクライアントから、新たな相談を受ける機会が格段に増えた。「キービジュアルのグラフィック制作だけでなく、Web サイトや動画なども一緒にお願いしたい」「撮影時のメイキング動画も制作したい」といったように、ブランディングに必要な制作物などを一気通貫で提案できるようになった。

FAYFAY 「フェイフェイ」入浴剤パッケージデザイン/篠原紙工「SIKO PAPELITH」

大輪さんが理想とするのは、社名が表す通り「人と人を“むすぶ”」ことから生まれるものづくり。自身は主にグラフィックデザインを長らく手がけてきたが、動画やWeb、撮影など異なる専門領域を持つクリエイターたちが参画することで、それぞれが自走し、個性が活かされる体制を築き上げている。スタッフ同士の仲も良く、年齢や経験を問わずフラットな関係性を大事にしてきた。オフィスに訪れると、その雰囲気の良さが伝わってくる。

「僕自身がクリエイターたちと一緒に考えながら、ものをつくり上げていくプロセスが好きなんです。信頼できる仲間やクライアントとコミュニケーションを取りながら仕事を進めていきたいという思いを実現できたオフィスでもあります。気軽に立ち寄ってもらったり、社内外のパートナー同士が知らないうちに集まっていたりと、僕自身の想定を超えるようなものづくりが多数生まれています。多様なクリエイターも揃っているので、ぜひ気軽に仕事のご相談をいただきたいですね」(大輪さん)。



お問い合わせ
株式会社むすび
住所:〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-38-14 スタンション北参道4F 
URL:https://musubi.studio/
EMAIL:hello@musubi.studio


 

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ