ヒロイン思考でいると、ピンチの場面も大事なシーンになる(宇賀なつみ)【後編】

退社した日の夜に、ラジオ番組が決定!?

澤本:でも、小山薫堂さんとのラジオも長いですよね?

宇賀:そうですね。フリーランスになった4月からすぐスタートしたので、今度の春で4年です。

澤本:長い……。

宇賀:はい。まさにこの本の最後の章の「いつまでも少女のままで 2019年6月 半蔵門」っていうのがあるんですけど。

澤本:はいはい。

宇賀:これはまさに『SUNDAY’S POST』の話をしていて。私、会社を辞める年の1月11日に『モーニングショー』(テレビ朝日)で「3月いっぱいで退社します」って発表したんですね。
で、その日の夜にたまたま飲みに行った場所で小山薫堂さんに出会っているんですけど。それで一緒にラジオをやろうということになって。

「フリーになったら何を一番にやりたいの?」って聞かれて「ラジオです!」って即答したんですね。ラジオは局アナ時代に一回も経験がなかったし、すごく憧れがあって。それをそこで言えたことが今につながっているなぁ、と思いますね。

澤本:でも、それを発表した当日に小山薫堂さんにお会いするとかって、むちゃくちゃ引きが良くないですか?

宇賀:びっくりしますよね?だって、もし1日前だったら言えなかったんですよ。言うなと言われていたんで。で、その日に情報解禁になって飲みに行った先に小山薫堂さんがいて、もうひとり男性といらしていて。その方が日本郵便の当時の社長だったんですよ(笑)。

澤本:へえ~、じゃあ、もう、まんま。

宇賀:まさに、4月からのラジオをどうしようかっていう話をするために会っていたんですって。

澤本:じゃあ、すごい勢いですごい人が来たぞ、っていう感じなんですね。

宇賀:そうなんですよ。たぶん小山さんは私のことを知らなかったと思うんですけど、社長の方は毎朝『モーニングショー』を観てくださっていて。「辞めちゃうんだって?見たよ!」みたいな感じで話しかけてくださって。「そうなんです」ってなったんですよね。

澤本:いや、それ自体がフィクションぽいですけどね。むっちゃ面白いですね。

宇賀:そうなんですよ~(笑)。

中村:フィクションぽいけど、それで『SUNDAY’S POST』だから。小山さんの企画力も半端なくないですか?そこでできた座組みを実現するぞっていう。それがもう4年続いているわけですから。

澤本:半端ないですね。そして、あのラジオは面白い。

宇賀:本当ですか~?嬉しい、ありがとうございます!この本のタイトル『じゆうがたび』は小山薫堂さんがつけてくださったんですよ。

澤本:え~!ちゃんと「うが」が入っているし。

宇賀:そう。宇賀が入っているし、あとは私のテーマは「自由」だよねと。あとは旅が入って。人によっては「自由形の旅」ってことでしょ、って言われたりもするので。あー、なるほど。そういうふうにも考えられるんだな、と思いましたし。

澤本:あのラジオを聞いていても、小山さんと宇賀さんの相性がめちゃくちゃよく聞こえますけどね。

宇賀:本当ですか?最近、小山さんからは「もっと優しくしてほしい」みたいなクレームが(笑)。あはははは!

澤本:なんだろう。でも、結構宇賀さんはちゃんと言うじゃないですか?小山さんてあんなに偉い人なのに、そういう方にどんどん言ってらっしゃる感じがいいですけどね。

宇賀:よかったです。そう思ってくださっているなら。

小山薫堂さんのような大人になりたい

中村:結構長いこと一緒にやられている中で、改めて感じた宇賀さんの「小山薫堂評」みたいなのってあるんですか?

宇賀:あー。でも、それこそ「いつまでも少女のままで」って、薫堂さんを見てそう思ったというか。やっぱり、フリーランスになって事務所にも入らずにひとりでやっていくと決めた時に、「舐められないように」じゃないけど、ある程度ピシッとしていないとダメなんじゃないか、と思っていたんですよね。

でも、薫堂さんてお会いしてみると本当に少年のような人で。単純に誰かを楽しませたい、とか自分も楽しみたいっていう気持ちが企画力とか発想力の原点なんですよ。それが2、3カ月ご一緒していくうちにわかったので「あ、こういう感じでいいんだ」って思えたというか。方向転換できたというのはあります。

そういえばある日、まさにこのTOKYO FMのスタジオで、「ちょっとこの後、別室で打ち合わせできる?」って言われて。ついていったら、そこに男性がヘッドホンをしたまま座っていて。「なんだろう?」と思っていたら、「あ、どうも!はじめまして」って立ち上がったのが、山下達郎さんだったんですよ。

澤本:ほう。

宇賀:「うわ~!!」って叫んで、本当に腰が抜けちゃって……。まあギリギリつかまったので転ばなかったんですけど(笑)。私、達郎さんの大ファンで。毎週『サンデー・ソングブック』(TOKYO FM)も聞いていて。最初にラジオをやらない?って言われた時に、「えー!『サンソン』の後ろの枠ですか?絶対にやりたいです!」って言ったのを覚えていてくださっていて。サプライズで会わせてくれたんですよ。

澤本:へえ~!じゃあ、全てが幸せに繋がっていますね。

宇賀:そうなんですよ。

中村:サプライズ好きですからね、あの人ね。

宇賀:びっくりして、緊張してっていうかパニックで。たぶんろくなこと何も喋れなかったんですけど……(笑)。ご挨拶だけして終わってしまったんですけど。でも小山薫堂さんって未だにいろんなことにワクワクして、ちゃんと面白がってやっているっていう。「こういう大人になりたいな」って思いましたね。

澤本:小山さんのむちゃ面白い『湯道』(企画・脚本/小山薫堂、監督/鈴木雅之)っていう映画も同じ日なんでしょ、公開が?

宇賀:あ、1日前なんですよ。私が2月22日で、薫堂さんが23日なので。ふたりで告知の枠を奪い合っていて(笑)。

澤本:あー、そうなんだ。でも、あの『湯道』って、むちゃむちゃ面白いですよ。内容も面白いし、『湯道』の中の橋本環奈がむちゃむちゃいい。それはもう、ビックリしました。「この人、こんなに上手いんだ!?」と思って。

宇賀:そうですね。割とパンチが効いた役とかが多かったじゃないですか?彼女も。でも、本当にいわゆる「銭湯で働いている女の子」っていうのをめちゃくちゃ上手に演じてますよね。

澤本:本当にね、「良いな〜!!」と思って。でも、小山さんの映画もぜひ見てあげて、というのもヘンですけど(笑)

宇賀:あはははは!はい、ぜひ。2月23日公開ですので、よろしくお願いします。

澤本:じゃあ、22,23日と連チャンで。

宇賀:そうなんですよ。たまたまなんですけどね。でも、ごめんなさい。あちらの方がよっぽど前から決まっていたと思うんですけど。私はこれ、校了が遅れに遅れて……。本当は昨年中に出しているはずだったんですけど(笑)。ここになってしまって。

澤本:でも、逆に良いんじゃないですか?

宇賀:まあね、ちょっとお祭りみたいな感じで。

澤本:2月22,23日で祭りがある、みたいな。

中村:うん。

毎月最終週は「旅休暇」いただきます

中村:今後はこんなことをやってみたいとか、旅行でいうと行ってみたい場所とかはあるんですか?

宇賀:あのー、長い休みが今まで取れなかったので、南米とアフリカは行っていないんですよ。

中村:ああ~、南米とアフリカね。遠いですもんね。

宇賀:はい。そこはゆっくり行きたいな、と思っているのと、今後は4月以降の2023年度は毎月最終週を1週間休みにしてみようと思っていて。

中村:え?もしや、旅行のため?

宇賀:はい。この本を書いて、やっぱり自分にとって旅って本当に大事だし、お金と時間と体力が揃うのって、実は人生においてなかなか長い時間ないなと思ったので。

澤本:たしかに。

宇賀:ここで勇気を出して、毎月最終週1週間、おやすみ!(笑)もう、ガラガラッてシャッターを閉めて、どこかに行くっていうのを4月から9月までは毎月やってみようかな、と思ってます。

澤本:4月から9月までの6カ月?

宇賀:はい。それで冬は割とお仕事の「稼ぎ時」というか。年末に向けてイベントの司会とかも増えてきますし。収録も多くなってくるので、そこはちゃんと仕事をして。で、元々寒いのが苦手なので、夏の間に思い切って遊んでみようかな、と思ってます。

澤本:宇賀さんはまだ、事務所は自分だけなんですか?

宇賀:はい。

澤本:それはすごいですね。

宇賀:いやー、でも楽ですよ?誰にも気兼ねなく、誰にも言わずに休みにできるんですから。

澤本:まあ、そうですよね。「1週間休む」って言ったら、休みになっちゃうんだもんね。でも、それもやっぱり宇賀さんが全部自分でやっているからできる話ですよね?休みも取れるし。それって、結構大変なんじゃないかって想像するんですけど。スケジュールを決めたり、いろんなことをしたりするんだろうな、と。

宇賀:でも、仕事のスケジュールを決めるのも、旅行で飛行機を取ってホテルを取って、友だちと待ち合わせの時間と場所を決めて、っていうのも一緒ですから。やっていることは同じだし。
私としては、プライベートの約束だからドタキャンしていい、とも思わないですから。一緒じゃないですか?あと、経理なんかもお金の計算が好きだし。

澤本:あ、好きなんだ?

宇賀:請求書をつくるとか、銀行の口座で振り込みをチェックするとかって今は全部アプリとかクラウドでできるので、そんなに大変じゃないですね。移動中にスマホでパッパッとやればいいだけなんで。人に任せるほうがめんどくさいかな、と思っちゃうんですけど(笑)。

澤本:へえ~。すごいなあ!

中村:はい。残念ながら、そろそろお別れの時間が近づいてきておりますが。改めまして、今後のご予定などをお聞きしたいんですが。なんと言っても、2月22日に初のエッセイ本『じゆうがたび』が発売されますので、これをチェックしてください。そして、毎週日曜15時からTOKYO FMで『SUNDAY’S POST』が放送中。今、「サイン本レターパック企画」をやっているらしいので、そちらもチェックしてみてください(~3月22日募集終了)。あとは、毎週土曜日8時半からフジテレビで『土曜はナニする!?』(フジテレビ系)ですね。

宇賀:はい、ありがとうございます。あと土曜の夜8時からはテレビ朝日で『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日)という番組を局アナ時代から続けさせていただいておりますので。

澤本:長い話がいっぱい。

宇賀:あはははは。

澤本:続いていて、すごいです。

中村:すごい。朝も夜も、宇賀ちゃんで。

宇賀:ぜひ、よろしくお願いします。

中村:はい。というわけで、今夜のゲストは、フリーアナウンサー 宇賀なつみさんでした。ありがとうございました~!

宇賀:ありがとうございました~!

(拍手)

〈END〉


 

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