アドビ、DX人材教育で専任部署 ツールの活用支援などを強化

アドビは4月6日、デジタル人材の育成で企業や教育機関などを支援する「教育・DX人材開発事業本部」を新設したと発表した。強みとする制作関連ツールなどの普及、活用を進める。事業本部長は小池晴子氏。

企業におけるデジタル人材の不足感は質、量ともに慢性化している。情報処理推進機構(IPA)の21年度調査では、事業会社でデジタル人材の量について「大幅に不足している」が35.2%、質については35.7%だった。全体では20年度からやや下がったものの、従業員数1001人以上の企業で4ポイント強増加した。

教育面では、文科省が2019年に打ち出した「GIGAスクール構想」で、21年3月時点で各自治体への端末の納品がほぼ100%に到達した。予定より前倒しでの達成となった分、受け入れ側とのズレも生じている。

同省のほか総務省、経産省、デジタル庁の21年9月の調査では、教育現場でのデジタル化やDXに対し、「教員のICT研修が不十分」「校務のデジタル化が進んでいない」などのほか、各家庭との連携や学ぶコンテンツが十分でないなどの意見が集まった。

インターネット利用可能な家庭に限ると、内閣府の2022年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」で、自宅用のパソコンやタブレット端末のネット利用目的は「動画を見る」が最多で67.4%(21年から3.3ポイント減)。「撮影や制作、記録をする」が13.1%(同0.6ポイント増)だった。

学校から配布されたパソコンやタブレット端末では、「勉強する」が79.8%(同6.4ポイント減)がトップで、制作関連は14.5%(同4.1ポイント増)だった。

教育・DX人材開発事業本部の事業本部長は、小池晴子・ダイバーシティ&インクルージョン推進担当と兼務する。小池氏は2017年アドビ入社。教育市場向けのマーケティングを統括してきた。

事業本部では、ユーザーインターフェースや写真加工、動画制作などのツールのほか、データ分析や書類作成・手続き(ワークフロー)改善などの教育プログラムの提供や開発支援などを行う。教員向けにもワークショップを開催する。

 


 

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