コンビニエンスストア大手のファミリーマートは現在、国内に約16,500店舗(2023年3月現在、エリアフランチャイズを含む)を展開する。近年は地域に密着した店舗網を活用したリテールメディア事業にも注力している。
200種類以上におよぶ宣伝会議の教育講座から、選りすぐった任意の講座を受けることができる研修メニュー「宣伝会議スタンダードトレーニング」を自グループ内で活用しているファミリーマートの葦原勝氏に、導入の動機と受講の内容が実務にどう活きているかについて聞いた。
—— 業務内容を教えてください。
葦原:デジタル・金融事業本部の広告事業グループに所属しています。
※現在(2023年3月時点)は株式会社データ・ワン 第三営業部に出向中
私たちのミッションは、国内にある約16,500店舗に年間 約1,500万人が来店するファミリーマートの店舗をメディアとして進化させ、お客さまにとって新たなお買い物体験を創出すると同時に、新たなビジネスにつなげることにあります。
具体的にはレジの液晶、店内放送、チラシ、デジタルサイネージを使って、法人の広告を流すビジネスを担っています。現在サイネージの設置は全国約3,000店舗ですが、今後設置可能な全店舗に導入が予定されています。
—— 受講の動機を教えてください。
葦原:私が所属している部署は新規ビジネスを取り扱っていることもあり、以前から社員教育に力を入れています。
近年、「リテールメディア」と呼ばれる実店舗を持つ小売事業者の広告ビジネスが脚光を浴びていますが、ファミリーマートは自社アプリ(ファミペイ)の広告利用は勿論、購買情報付き広告IDを活用したデジタル広告や国内約3,000店に設置されたデジタルサイネージを使った動画広告枠を外販するなど、質・量ともに国内リテールメディアを牽引する先駆者と自負しています。
ただ、小売事業者が広告ビジネスを本格化するようになってからまだ日が浅いこともあり、当社も広告ビジネスのトレンド、潮流を社内で理解する人材が豊富という訳ではありません。そこでまずは広告ビジネスに関する基礎知識レベルの平準化を図るために受講を決めました。
—— 受講された内容と、その中で業務に役立っていることがあれば教えてください。
葦原:私から事前に実務に活かせる講座を受講するようにアドバイスをしたところ、マーケティングの講座を受講する人が多かったです。その他は「宣伝・広告基礎講座」「ロジカルに伝えるリモート時代の資料作成講座」「広報担当者のための法務・倫理講座」などを受講していました。
受講者には受講内容をレポートにまとめ、グループミーティングの場でメンバーに共有してもらっています。参加者からのコメントはもちろん、私も最後に講評しています。そうすることでグループ内で共通言語ができ、かつ広告ビジネスに関する知識のレベルアップができたと感じています。
さらに知識を得たことで自信ができたからでしょうか。会議で積極的に発言する姿も見られるようになりました。
—— 今後の人材育成について考えていることは。
葦原:今後の育成計画は2軸で行おうと思っています。
1つ目はファミリーマートにおけるリテールメディア事業の推進者としての知識と知見の習得です。リテールメディアが国内で語られるようになってからまだ日が浅いこともあり、我々としては取引先など社外から得られる情報は勿論、宣伝会議をはじめ外部で行われている展示会やセミナーなどに積極的に参加することで知識と知見の習得を図っていく予定です。
また当社にはリテールメディアを手掛ける関連事業者として①小売事業者の購買情報など各種データを活用したデジタル広告配信事業を担う「データ・ワン」と、②デジタルサイネージの設置やコンテンツ配信事業を担う「ゲート・ワン」という実働部隊2社があります。我々ファミリーマートのリテールメディア戦略はこの2社との緊密な連携の上に成り立っており、我々も彼らと同等の実務知識が求められています。この点は関連事業者との日々のOJTを通じノウハウの習得を図っていきたいと考えています。
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