自衛隊体験入隊やSDGsのプレゼンまで…「ミス・ワールド」審査の裏側(世良マリカ)【前編】

「ミス・ワールド」にはSDGsのプレゼン審査がある

権八:ミス・ワールドの出場権を得て。どういう審査を経て選ばれたんでしょうか?

世良:はい。ミス・ワールドはすごく面白くて。「ミスコン」って聞くと、結構ビジュアルメインのコンテストのイメージがあると思うんですよ。だから、身長が高くて、スタイルが良くて、キレイな人が優勝するイメージを私も持っていたんですけど。ミス・ワールドは、社会貢献の面をすごい大事にしているコンテストで。審査の中で、SDGsについてプレゼンをする審査があったりとか。

権八:うん。

世良:あとは、英語の審査とか。あと面白かったのが、海上自衛隊の体験入隊をしたことですね。

権八:ええ?

世良:それは、チームワークとか体力とか、そういう面を審査する目的だったんですけど。横須賀にある自衛隊の学校に1泊2日で体験入隊をして。訓練を受ける体験をする、という審査もありました。なので、幅広い審査があって面白かったですね、経験としても。

澤本:全然思っているのと違うな……。

権八:全然違いますね(笑)。

世良:全然違います、たぶん……(笑)。私も、そこまでいろんなことをやるとは思っていなかったんですけど。

権八:それは、自衛隊の体験入隊をしているマリカさんが匍匐(ほふく)前進とかしているのを審査する人がいるということなんですか?その様子を横で?(笑)

世良:そうです、そうです。一つひとつの動作の出来というよりは、すごい暑い夏のさなかに、外で訓練があるわけですね。その中で、他人にどれだけ気をつかえるかとか、ちゃんと最後まで笑顔でいられるか、とか。実際にどこを見ているのかは詳しくわからないですけど、全体を通してその人の人間性などを見ているんだと思います。

澤本:そうなってくると、外見ばかりじゃなくて内面も含めて審査をするっていうことなんだ?

世良:そうですね。むしろ、外見の審査より中身の方が多かったです、割合としては。

澤本:そういうことになっているんだね、最近は。

権八:そうなんだぁ~。

世良:私も身長は高くないですし、当時16歳だったので参加者の中にキレイなお姉さんがいっぱいいたんですけど。でも、そういうコンテストだからこそ自分が選んでいただけた、というのもあると思っていますね。

澤本:へえ~。
 

父はユニセフ、叔母はJICA

澤本:内面で言うと、今はいろんなコメンテーターをされているじゃないですか?

世良:はい。

澤本:拝見していても、いろんなことを知っていらっしゃるけど。あれって、それこそ中学とか高校の頃から興味を持って活動されていたんですか?

世良:うーんと……。そうですね、私の父がユニセフで働いているんですね。

権八:なんと!!

世良:その関係で、ずっとアフリカにいて。危ないから一緒に住めなかったんです。あとは、叔母がJICA(国際協力機構)で働いていたりとか。周りに国際協力関係で働いている人が多いんですね。 

権八:ふ~む!

世良:なので、ちっちゃい頃からアフリカの話は聞いていたし、私もすごく短い期間ですけどコンゴ共和国に住んでいたことがあって。なので、なんとなくアフリカにゆかりもあるし、生まれた場所の違いだけでこんなに環境が違うんだ……っていうことをずっと考えてはいたんですけど。そういう社会のことをちゃんと勉強したいな、と思ったのは、そのコンテストに出たことがきっかけでしたね。

澤本:あ~!じゃあ、元々持っていた素質みたいなものが前に出てきたのが、このコンテストだったんだ?

世良:そうですね。そのコンテストでSDGsについて詳しく勉強することになって。そこでSDGsに限らず、いろんな社会の問題をもっと勉強したいな、という気持ちが芽生えました。

澤本:ふう~ん。ちなみに、中学校とか高校の頃は、どんなことをされていたんですか?

世良:そこは本当に普通なんですけど……。小学生の時は普通に小学校に通いつつ、習い事でピアノと水泳をやって、学校から帰ってきたら友だちと遊ぶか、習い事に行くか、っていう感じでした。中学はバレーボール部に入ったので、勉強と部活で毎日が終わる感じでしたね。高校に入ってからもこの仕事を始めるまでは本当に普通に高校に行って、放課後に友だちと遊んで帰って、という生活をしていました。

澤本:じゃあ、そのスカウトで人生が一変した人なんだ?

世良:そうですね~。そうだと思います。それがなかったらきっと、今も学生生活とバイトで過ごしていたのかな、と思いますね。

澤本:コメントを言う人として、テレビにいろいろと呼ばれていらっしゃるけど、最初に「コメンテーターに来ませんか?」と言われたのは、どういうことがきっかけだったんですか?

世良:一番最初は、たぶん『サンデー・ジャポン』(TBS)ですね。ニュースに対して自分の考えをコメントしたりとか、そういう感じでしたね。それから、ミスコンが終わった後にAbemaTVの番組『オオカミくんには騙されない』に出たんですよ。そこでいろいろなメディアの方に興味を持っていただいて。

澤本:そもそも、「コメントができる人」っていう印象がないと、呼ばれないじゃないですか?『オオカミくん』の頃にそういったコメントを出していたことがあるんですか?

世良:最初の入り口がミスコンで、ロンドンで1カ月間ひとりでコンテストに参加して、社会問題に関するプレゼンテーションをしたり、という経験が土台にあったので。たとえば、『オオカミくん』とか次の番組に出るときも、「過去にどんなことをやってきたんですか?」って聞かれた時にそういう自己紹介をしてきたので、だんだんと「喋れる人」みたいな印象がついていったのかな、と思いますね。

〈END〉後編へ続く


 

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