伊藤園は4月17日、カメラを通してお客さまの表情から感情を分析し、その時の気分に合わせた商品をおすすめする「パーソナライズサービス」の構築に向けた実証実験を自動販売機、スーパー、飲食店の三業態で開始する。日本電気(NEC)、イスラエルに本社を置くSOLO Wellbeing Ltd.(SOLO)との合同施策。
今回の実験は、伊藤園グループが「健康創造企業」として進めてきた取り組みの一環で実施されるもの。
お客さまの心身の健康状態を見える化し、その状態に寄り添った商品を提供することでお客さまの健康で豊かな生活に貢献するための新たなサービスとして、「パーソナライズサービス」に着眼。テクノロジーを活用した新サービス検討のノウハウを保有するNECとAIによる表情解析・感情分析テクノロジーを開発するSOLOと共創することに至ったという。
本実験では、SOLOが開発したスマートフォンやタブレットなどのカメラを用いた表情解析から人の感情を分析する技術を採用。タブレットのカメラを通して、感情に合わせて無意識に変化する微細な表情筋の動きを解析し、その感情に合わせた商品をおすすめする。
実験は伊藤園が設置している自動販売機、スーパーの店頭、カフェの店内で実施し、本サービスに対する消費者の受容性を検証。なお、本実証実験においてカメラで撮影したデータからの個人特定やデータ保存は行わないとしている。
伊藤園は本サービスを通じ、これまでのマスマーケティングとは異なる形で、個々のお客さまの心身の健康状態に応じたコミュニケーションを可能にすることで、お客さまの健康で豊かな生活に貢献することを目指す。
また、個人を特定しない形で感情データと業態別の販売データを分析し、お客さまの気分に合った商品提供アルゴリズムの開発を通じて、精度の高い「パーソナライズサービス」を構築していくという。
将来的には表情解析・感情分析テクノロジーを活用し、顧客一人ひとりに寄り添った多様な製品開発や、企業の健康経営に資する価値提供など、データに基づいた新しい取り組みを推進していく方針を掲げる。