審査委員93名による全体講評をはじめとする審査講評に一見の価値あり
コピー年鑑2022
60冊目となる「コピー年鑑2022」のテーマは、「学ぶ年鑑」。「還暦とは1周回って最初に戻るという意味も含んでいる。なので初心にかえって、0から学ぶ」という考えから、尾上永晃編集長はこのテーマを設定しました。そして、本年鑑では、ブックデザインも初心に戻り、1963年の「コピー年鑑」第一号(AD:原弘氏)のデザインを踏襲。そこにアートディレクター 相楽賢太郎氏が新たな解釈を加え、22種類のカラーリングをデザインしました。見た目だけではなく、中身も充実。最終審査委員・一次審査委員、あわせて93名による全体講評、TCC最高賞・TCC賞への最終審査委員全員による講評をはじめ、新人賞受賞作品とファイナリストにも講評を掲載。本年度の受賞者を中心としたコピーライターと、社会の価値観や考え方の変化の中心にいる研究者や専門家による公開対談も収録しており、とにかく読み応え、見ごたえたっぷり。特に審査講評は「なぜこのコピーが選ばれているのか」、その理由がわかるとともに、審査委員のさまざまな視点を垣間見ることができます。受賞作品を見て自分が考えたことと、年鑑に掲載されている講評を比べてみることで、新たな切り口や視点に気づくことができるかもしれません。
富山県・石川県・福井県を中心とした地域広告の秀作集
北陸コピーライターズクラブ年鑑2022
モノクロームの表紙に映ったもの、それは水の注がれたグラスから伸びる光。それをじっくりと眺めてみると、思わぬ方向から光が見えてくるかもしれない…。そんなメッセージで始まるHCC賞のテーマは、「コピーは、視点。」。本年鑑には、富山県・石川県・福井県に在住(制作時在住)するコピーライターの仕事や企業の広告が掲載されています。普段はなかなか見ることができない地域の広告、時に大胆にメッセージしたり、時にクスっと笑わせてくれたり、時に心にグッと迫る言葉があったり…。そこには思いがけない視点の発見があるかもしれません。
大阪コピーライターズ・クラブらしい『芸』のある仕事
大阪コピーライターズ・クラブ年鑑 2022
一見、民族学の図鑑のように見えるこの表紙。よく見ると、ここに映っているのは、分銅、天秤棒、定規など。しかも、大阪・国立民族学博物館の所蔵品です。なぜ、これらがコピー年鑑の表紙に?というのも、2022年度の大阪コピーライターズ・クラブ年鑑(OCC年鑑)のテーマは「おかしなものさし」。「たくさんのものさし」=「さまざまな価値観」があることに意味がある、そこから豊かな世界が生まれると、小堀友樹編集長は考えたのだそうです。そして、中面にはOCC賞2022を受賞した作品を掲載。直川隆久審査委員長は「書き手の個性が滲んだ、OCCらしい『芸』のある仕事を選べた」と冒頭で語っています。本年鑑では、そんな「芸」のある各受賞作品のコピーとCMや動画のナレーションをしっかりと読むことができます。
福岡コピーライターズクラブのファイトスタイルを見る!
福岡コピーライターズクラブ年鑑2022
「一撃の図鑑」と題された表紙には、ショッキングなビジュアルが…!そして、最初のページには「この弱肉強食世界を生きのびろ!!」という激しいメッセージも。かなり強烈な印象の年鑑ですが、中にはFCC賞2022の受賞作品がしっかりと掲載されています(途中で思わず閉じてしまいたくなるようなビジュアルも出てくるので、その手のものが苦手な方は要注意ですが)。受賞作品すべてに、受賞者の言葉と審査講評がしっかりと書かれています。「予算なんて関係ない。強いコピー、強い企画で、一撃で心を撃ち抜く」、そんな福岡コピーライターズクラブ(FCC)のファイトスタイルがあふれた年鑑です。
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