日清食品は4月25日、国内グループ社員専用の対話型AI(人工知能)システムの使用を始めたと発表した。AI技術を業務に活用するための検討材料とする。
「NISSIN-GPT」と名付けたシステムで、グループ社員約3600人を対象に社内利用を開始した。日本マイクロソフトが提供するAIシステム基盤を活用して独自開発した。入力した情報をAIが学習に用いないようにし、内部情報が漏えいしないような仕組みを施した。
発表時には、2023年8月25日に控える即席麺「チキンラーメン」65周年のための「ユニークでクリエイティビティのあるキャンペーン施策の素案を10案挙げ」るような活用例も紹介した。出力された回答の利用については、「チキンラーメン」のキャラクター「ひよこちゃん」を用いて、内容の真偽を確かめることや、著作権侵害がないか、など法令遵守状況にも配慮するよう注意喚起する。
社内向けに対話型AIの業務補助サービスを公開した例にはパナソニックがある。子会社のパナソニックコネクトが2月17日に、自社の国内社員約1万2500人を対象に社内向けに対話型AIを利用できるサービスを公開。4月14日にはパナソニックグループ全体の国内全社員約9万人が利用できる環境を整えた。
日清食品は、2021年に打ち出した中期経営計画で「テクノロジーによる食と健康のソリューション企業」というビジョンを打ち出している。AI技術の進展を踏まえ、「NISSIN GPT」も継続的にバージョンアップする予定だという。