応募者から見た『宣伝会議賞』の魅力
セミナーの後半では、JIPDECの課題で第59回コピーゴールドを受賞したプラップジャパンの丸山優河氏が、応募者側から見た参加のメリットを語った。
まず参加者のモチベーションにあるのが、『自分を見つけてもらえる』ということ。
「同期が広告賞を取り始めて焦っていたり、実力を試したいと思っている現役のクリエイター。あるいはコピーライターを目指し、実績が欲しい人。どちらも、作品を通して自分を見つけてもらいたい、人生を変えたいというモチベーションで取り組んでいると思います」と丸山氏は話す。
そしてもうひとつが、『自由な発想でコピーを考えられること』だ。
「実際の業務では、コピーライターから見たブランドの本質や生活者を動かす表現に加え、クライアントの想いをちゃんと汲み取れている言葉でないと、世の中には出せません。なので、『これを言ったらターゲットから面白がってもらえそう』と感じるコピーでも、それだけではボツにすることも多いです。一方で『宣伝会議賞』では、自分が考える“ささりそうなコピー”を自由に発想できる。普段の仕事では見送ってしまうような切り口でも、すべて応募できるのがメリット。通常の広告制作では出てこない発想が大量に集まってきます」(丸山氏)。
福岡氏も、実際の選考を行うなかで「協賛企業賞」と「コピーライターが選ぶコピー」の違いをこう話す。
「協賛企業賞が企業目線で発信したいメッセージだとすると、消費者目線で世の中に届くのは、言葉のプロが選んだコピーだと思います。企業としても本当はそれを選びたいところですが、様々な事情もある。第三者の視点で世の中に届くキャッチフレーズを生み出してもらえる機会でもあります」(福岡氏)。
丸山氏は「コピーライターとコピーは一蓮托生」だと話す。
「コピーライターは、元々、ことばとコミュニケーションが好きな人たち。受賞後は、そのコピーを世に広げようと様々なコミュニケーション活動を行う人が多いように思います。自分のコピーが広まることは『推しの企業』が広まることでもあり、自分を見つけてもらうことにもつながる。だからこそ、そうしたモチベーションは高いのではないでしょうか」(丸山氏)。
丸山氏自身は、結果発表のタイミングでTwitterとnoteを更新。合計で10万PV程に達したといい、それをきっかけに宣伝会議以外のメディアにも出演。コピーライティングの魅力について発信した。
「コピーライターの登竜門」から「伝わる言葉を発掘する賞」へ。2023年には61回を迎え参加者のすそ野が広がるなか、企業と応募者、双方の熱量から生まれた新たな表現が発信される場となっている。
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