日本コカ・コーラとサントリー食品インターナショナルは5月18日、「ボトルtoボトル」水平リサイクルの認知拡大に向けて協業し、2社の「ボトルtoボトル」啓発ロゴを組み合わせた広告を制作、発信すると発表した。2社は全国清涼飲料連合会(全清飲)とともに、「G7広島サミット」に向けて開設される国際メディアセンター(IMC)内においても、日本国内における「ボトルtoボトル」水平リサイクルの取り組みを紹介するブースを出展する。
水平リサイクルとは、使用済み製品を原料として用いて同一種類の製品につくりかえるリサイクルのこと。日本国内におけるペットボトルの回収率は94.0%、リサイクル率は86.0%と、米国(リサイクル率18.0%)・欧州(同42.7%)と比較しても高い水準となっている。一方で回収されたペットボトルが再び新しいペットボトルにリサイクルされる「ボトルtoボトル」比率は20.3%にとどまっている。
全清飲は2021年に、業界として「ボトルtoボトル」比率50%を2030年までに目指すことを宣言しており、2社はさらなる「ボトルtoボトル」比率の向上のため、「ペットボトルは資源」であるという認知の向上と、消費者をはじめとしたステークホルダーへの理解促進、協力を促すために協業を決めた。
「ボトルtoボトル啓発広告」は広島電鉄宮島線20駅 (広島県)や東京メトロ丸の内線 駅構内ビジョンなど東京・広島を中心に「誰よりも同じ未来を見つめる存在。それが、ライバルってこと。」というコピーを使った広告が5月21日まで掲出される。
飲料メーカーだけでなく、日用品メーカーなどでも企業の垣根をこえたリサイクルに対する理解や協力を深めるための普及・啓発活動が進んでいる。
5月16日には花王とライオンが、使用済みの容器を再び同じ種類の容器に戻す水平リサイクルによる再生材料を一部に使用したつめかえパックを協働で製品化。5月29日から順次、一部店舗で発売される。2社は2020年9月にプラスチック包装容器資源循環型社会の実現に向けて、洗剤やシャンプーなどのフィルム容器(つめかえパック)のリサイクルに協働で取り組むことを発表していた。