二分されるサイトリニューアルの目的を両立させるにはパーパスを中心に据えること
コネクティは2005年12月創業。大手企業のウェブリニューアルを手がける企業で、これに付随してCMSベンダー、CDPの提供や、リニューアル後のコンサルティングも行っている。また、同社の大企業向けクラウドCMS「CMSoD」は製造業向けではシェアNo.1※1、クラウド型でも大手企業、小企業向けを合わせた総合ランキングで2位※2のシェアを誇っている。
自社の特徴について服部氏は「通常、Webサイトのリニューアルでは、コンサルやマーケティング、デザインなど複数の企業が入る横断的なプロジェクトになることが多い。インフラにも選択肢はありますが、弊社は戦略からデザイン、CMS 、インフラまで含めて、社内でチーム編成しているので、ワンストップでサービスの提供が可能になっていることが強みです」と説明した。
企業がサイトのリニューアルを検討するとき、その目的は大きくふたつに分けられる。一つはコーポレートコミュニケーション。ステークホルダーに向けて企業名の認知獲得や、事業活動の周知などを目指し、KPIとしては投資家の増加、求職者の獲得という企業もある。もう一つがプロモーション効果を期待するマーケティングセールスだ。こちらは消費者向けに自社のサービスや商品の理解促進が目的だ。KPIは問い合わせ数のアップ、ECであれば売上の増加も想定される。
しかし、特に大手企業のサイトにはコーポレートコミュニケーション、マーケティングセールス、どちらか一方だけの役割を担っているわけではない。服部氏は「それぞれの目的に主眼を置くのではなく、本来は両方をまたがった形で最適化を考える必要がある」と指摘した。そこで服部氏らは、企業としての価値観やフィロソフィーを起点にリニューアルを実行することを提案している。近年はパーパス、企業の存在意義を策定する企業が増えており、そのパーパスを中心にサイトを構築するとより良いリニューアルになるのではないかという考え方だ。
成功例に学ぶパーパスを中心にしたサイトリニューアル
服部氏は、パーパスを中心にしたリニューアルによって実際にサイトが変わることも重要だが、それよりもリニューアルによってコミュニケーションがどう変わるかが重要だと指摘。リニューアルによって変化するコミュニケーションについては図を用いながら解説した。服部氏は、パーパスを中心にしたサイトリニューアルで重要なのは、コミュニケーションの本質的な変化だと指摘する。パーパスを中心としたWebコンテンツでは、来訪者に自社の存在意義やフィロソフィーを理解・共感してもらうことで、回遊率や店舗送客、シェアといった望ましい行動につなげるサイトであるべきだという。また、パーパスを中心にしたサイトリニューアルに取り組んだセゾン投信、三菱食品の事例も紹介した。
セゾン投信では、リブランディングからサイトリニューアル、CMS導入までを手がけた。リニューアル前はサービス内容を網羅し、紹介する形になっていたが、新サイトでは「『普通』が続く。それが、豊かさ。」というパーパスへの理解を促す形に変えた。「企業の価値観を中心に据えて、それを知ってもらった人が個々のサービス情報へ進むという順序にしました」(服部氏)
三菱食品の事例は、B2Bでも同様の考え方が通用するのか、という疑問に対する解答的な役割も持たせた。こちらはパーパスを打ち出すサイト構成にリニューアルし、そこからさらに企業の価値観を深く知ることができる形にリニューアルを敢行した。
服部氏は「弊社はコーポレートコミュニケーション、マーケティングのいずれかを目的としたリニューアルも可能ですが、両者の一体型でパーパスを中心にリニューアルを進めていくことを得意としています。一方でパーパスを策定していない企業もありますが、その策定からのサポートも行っています」と話した。
また、企業活動はサイトだけで完結するものではないので、服部氏はクライアントに対して一貫性の実現も大事だと話しているという。サイトに触れた先に、店舗や企業説明会に来てもらう、投資家説明会に来てもらうといったようにリアルな場での購買などの行動や、シェアによる情報の拡散もある。社内でも企業活動にはさまざまな部署関わっており、サイトに関わる部署だけではなく、社内にもパーパスを中心とした活動を徹底することが重要となる。そこに一貫性がないと、サイトで感じたこととのギャップによってせっかくのサイトリニューアルが逆の効果を生む危険性もある。
「サイトリニューアルと言いながら、その後の企業活動にも一貫性が出せるようにコミュニケーション戦略、メッセージング戦略を用意しておくとより良い成果につながる。そのためには社内で使うシステムやツールを統合するような、それぞれの部署が個別戦略を選択しないようにしておくことは体型面、組織面で重要な戦略になります」(服部氏)
製造業シェアNo.1を誇るコネクティのCMS「CMSoD」の特徴
パーパスを中心としたサイトリニューアルの効果をより高めるためには、サイト以外の企業活動においても一貫した行動が重要となる。そこで活用されているのがコネクティのCMS「CMSoD」だ。その大きな特徴は、クラウド型、国産、動的、静的のハイブリッドであることだ。
服部氏は「複数の部署でいろいろな情報やコンテンツの発信・管理に共通で使うことができます。部署横断で利用することが設計思想に組み込まれているので、企業全体で情報やコミュニケーションの統一感をCMSで制御しながら、部署ごとに活用できる仕組みになっています」と説明した。
運用面での特徴としては、使用側のリテラシーに応じて利用可能なことだ。「すごくリッチなページ制作も可能ですし、htmlがわからなくてもサイトの更新ができます。店舗や商品が大量にある場合はデータベースにCSVを入れると動的にデータ出力される更新にも対応しています」(服部氏)
最後に服部氏は「今日、お話ししたようにサイトリニューアルには二つの方法論がありますが、大企業であればパーパスを軸にその二つを統合したリニューアルを行う方が意義あるものになります。また、コンテンツの統一感と同様に仕組みの統一感も重要になるので、サイトリニューアルと合わせてCMSの解説もさせていただきました。弊社ではパーパス策定からのサポートもできるので、現状の自社サイトに課題を感じている企業の皆さまのご相談をお待ちしております」と話し、講演をまとめた。
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