最大の成果を生むために マーケットの状態に合わせたfreeeの最適な組織編成

マーケティング組織を事業別組織に組み入れた場合、担当する事業の活動に寄り過ぎてしまい、目の前の売上を追う活動に終止してしまうことも少なくない。個別最適ではなく、企業全体として相乗効果を生むような視点での横串を刺したマーケティング戦略も必要だ。freeeでは事業部ごとに存在するマーケティングチームと協働して成果を創出するセントラルマーケティング機能を設置。組織内において、どのような役割を担うのか。同部の三浦將太氏に組織構造や人材育成について聞いた。

(本記事は 月刊『宣伝会議』7月号 巻頭特集に掲載されているものです。)

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三浦將太氏

freee
セントラルマーケティング部
部長

 

横串で全社的な役割の部署は状況に応じて柔軟に改変

freeeのマーケティング体制は、事業部ごとのマーケティング機能だけでなく、全社横断での役割を担うセントラルマーケティングという役割も設置されている。

これまでの組織は事業ごとのPL目標を負う一方で、各事業に個別最適化された施策に偏重していくことで予算が分散してしまいかねない。そこでセントラルマーケティングが、各事業部内の予算と人材で実現しえない施策を横断的に担っている。

このセントラルマーケティングという部署(機能)は、freeeを取り巻くビジネス環境が変わるなかで変遷し、これまで創設と廃止を繰り返してきた。同部の三浦將太氏は「freeeは開発、プロダクト、セールス&マーケティングの3機能を、最も顧客価値を生むよう最適化を続け、毎年のように組織改編を繰り返してきました。マーケットの状態や自社の組織規模、プロダクトごとのライフサイクル、競争環境などありとあらゆることを鑑みて、顧客起点で最適な組織体制にするための意思決定をしています。

『今は何に投資をすればユーザーの期待に応えられるのか』を考えて、柔軟に組織編成も替えています」と語る。
 

PRや宣伝の担当だけでなくどこにお金を投資すべきか考える

顧客との初期接点から継続契約まで接点を持ち続けられるSaaS企業は、顧客との関係を定量的に可視化することができる。ここで得られるデータという資源を、より多くのリターンを得るためのマーケティング投資の意思決定に活用することができることが強みだ。

「世の中のほとんどのマーケターは“プロモーション担当者”や“広告宣伝担当者”になってしまっていることが多い」と三浦氏は指摘する。「マーケティングを狭義でとらえると、施策に投じた予算を、広告宣伝であれば認知や好意度、ダイレクトレスポンスならリード獲得に変えることしかできません。本来のマーケターは、最小の投資で最大の成果を生むために、最も投資対効果の高い対象を選定・企画・実行する役割を持ちます。最適な投資対象は広告なのか、プロダクトなのか、プライシングなのか、人なのか。その投資によってどの変数がどれくらい上がるのか。様々な施策、そして変数があるにもかかわらず、プロモーションの領域に閉じた業務体制になっていると、最大の成果を創出するための意思決定はできません。開発、プロダクト、セールス&マーケの3つの組織の連携があるからこそ、どこにお金をかけるのかの判断ができるのです」。(三浦氏)

…この続きは 月刊『宣伝会議』7月号 で読むことができます。

『宣伝会議』7月号(6月1日発売)

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特集1
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注目51社の今期の戦略がわかる!
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〇顧客起点のマーケティング基盤を構築
組織横断のプロジェクト成功の背景とは
ポーラ 中村俊之
 

〇マーケットの状態に合わせた最適な組織編成
施策への投資判断を迅速かつ柔軟に
freee 三浦將太
 

〇コロナ禍でデジタルシフトしたBtoBの営業
マーケティング部門との連携の仕方は変わる?
アドビ 祖谷考克
 

〇事業拡大による“縦型組織”の弊害を回避
マーケティングから営業まで連動を強化
カオナビ 篠﨑順也
 

〇スタートアップ企業に聞く! マーケティング組織づくり
 

〇注目51社の今期の戦略がわかる! 広告・マーケティング部長アンケート


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