5月21日に、石川県金沢市にて「北國新聞創刊130年記念 第107回 高等学校相撲金沢大会」が開催された。今年で107回目を迎えた本大会はコロナ禍を経て、4年ぶりに観客を入れての開催となった。
毎年、本大会のプロモーションでは、相撲の魅力を伝えるユニークなビジュアルやアイコンが制作されている。
「例年でいうと、選手や保護者、各高校の応援団が、観客席にならぶことが多いこの大会。今年は、会場となる卯辰山相撲場も改修され、観客を入れての4年ぶりの通常開催ということもあり、金沢の多くの人にとっても、『現地で誰かを応援する』という久々の日常をリスタートする機会になればいいなと思い制作しました。
人と人の距離が問われていたここ数年。リモートで多くのものが楽しめるようになった今の目線から、改めて現地で、生で見ることの代え難い価値を拾えないかとチームで話しながら進めました」(コピーライター 姉川伊織氏)
そんな本大会の今年のビジュアルには、生で見る選手の身体を山に見立てた写真を使っている。キャッチフレーズは「NO DISTANCE」。
「偉大な人物は、その身に纏うオーラによって実物よりも大きく見えることがあります。ただし、同じ場にいなければそう体感することはありません。本大会の選手たちも然り。大会へ向けて鍛えあげた肉体が大きいことはもちろんのこと、それ以上に大きく見えることがあります。そこで、組み合う選手を壮大な山に見立てて撮影を行いました」と、アートディレクター 河野智氏。
撮影したのは、フォトグラファー 高梨遼平氏。撮影では、彼らの姿を臨場感持って伝えるために、至近距離の見上げアングルを中心に、山に見える瞬間をひたすら探っていった。
「一番苦心した点は、撮影でもレタッチでも、初見では山に見えるのに相撲とわかるバランスを取ることでした。ただ私達以上に一番大変だったのは撮影のモデルとなっていただいた選手の方々だと思いますので、本当に感謝しています。結果、彼らの肉体を通して、鍛錬の過程を含めた選手たちとその精神性の偉大さを表現することができたのではないかと思っています」(河野氏)
グラフィカルなビジュアルを展開し、これまでにも海外広告賞などで評価が高かった本大会のグラフィックシリーズ。昨年の「第106回 高等学校相撲金沢大会」のグラフィックは、今年5月に発表された2023年度ONESHOWのDesign: Craft / Art Direction部門でGOLD PENCILを受賞した。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通
- CD+C
- 姉川伊織
- AD+D
- 河野智
- C
- 佐藤一貴
- メディアPr
- 山本 晃司
- CPr
- 阿部浩二
- フォトPr
- 里見勇人、濵口大地
- 撮影
- 高梨遼平
- レタッチ
- 新井レン
- プリンティングディレクター
- 山下俊一
- BP
- 木造悠吾